〝チーム道小〟で課題を打開 道小理事研・角野会長あいさつ概要(関係団体 2017-05-15付)
九日に開かれた道小学校長会の第一回理事研修会における角野誠会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
この一年間、本理事研修会が、校長の職能向上と本道教育の振興を図ること、そして、各地区において理事の皆さんが遺憾なく力を発揮していただくことを目指して、充実した研修・情報交流の場となるよう努めていきたい。
それでは、第一回の理事研修会に当たり、本年度の道小学校長会の組織・活動・取組等について、五点申し上げる。
一点目は、「二十九年度事務局構成および役員構成についての考え方」について。
事務局幹事および役員は、一昨年度からの組織改革で、「チーム道小」を一層推進していくため、地区幹事の人数を増やすこととした。地区の割り当てについては、事務局研修会等の出席に当たり、距離または交通機関の利便性を踏まえ、比較的負担の少ないと思われる「石狩」「空知」「後志・小樽」から一人、「胆振」「上川・旭川」から一人の幹事を選出していただく。
「後志・小樽」および「上川・旭川」の各地区においては、地区で協議の上、代表一人を選出することとしている。選出の方法は、それぞれの地区の考え方に委ねている。任期は業務の円滑な推進を図るために、原則二年間と考えているが、人事異動や地区の実情などが絡むこともあるので、一年または三年になることも可能である。
また、地区選出の事務局次長は、文教施策懇談会の業務を担当することとした。本年度は、旭川市から選出されている川島幹事が、この任に当たる。
事務局員の総数は、二十七年度までの二十一人から二人減の十九人である。地区幹事については、二十七年度までの二人から五人と、三人の増となっている。
この事務局構成については、三十年度の全連小北海道・函館大会までは、現状の組織を基本とし、その成功に向けて活動を推進していく。函館大会終了後には、道中との連携の在り方・ブロック再編や学校数減少に伴う地区再編などについて検討し、さらなる組織の安定化に努めていく。
二点目は、「二十九年度当初の期限付教諭配置にかかわる実態調査」について。
この調査は、四月当初に、複数の地区校長会の方々から、「定数欠期限付き教諭が未配置となっており苦慮している」との情報提供を受けて行ったものである。教員の適正な配置は、学校経営を行っていく上での最低条件となっている。
こうした実態を踏まえ、私が四月二十八日に道教委の総務政策局に出向き、調査結果の文書を渡すとともに、全道的な窮状を伝えた。
三点目は、「新学習指導要領の告示」について。
この文書は、文部科学省事務次官から、二十九年三月三十一日付で、各都道府県教育委員会等に対して発出された通知文である。すでに、ご存じの内容かとは思うが、ポイントとなるところを三点述べる。
一つ目は、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」について。「これまでの教育実践の蓄積に基づく授業改善の活性化によって、児童生徒の知識の理解の質の向上を図る」ということと、「小・中学校においては、これまでと全く異なる指導方法を導入しなければならないなどと浮き足立つ必要はなく、これまでの教育実践の蓄積を引き継ぐ」ということに留意する必要がある。「授業改善を行う」という言葉がキーワードとなる。
二つ目は、道徳教育の充実について。「考える道徳」「議論する道徳」への転換や、「問題解決的な学習」「体験的な学習」など、指導方法の工夫を行うことがあらためて述べられている。評価の在り方については、「ほかの児童生徒との比較ではなく、児童生徒がいかに成長したのかを積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として記述により行うこと」とある。詳しい内容については、文部科学省初等中等教育局長から以前出された通知を掲載しているので、確認していただきたい。
三つ目は、次期学習指導要領の総則に記述されている授業時数等の取り扱いについて。ここでは、「各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には、夏季・冬季・学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め、これらの授業を特定の期間に行うことができる」と記述されている。また、「各教科等の特質に応じ、十分から十五分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合においても、その時間を当該教科等の年間授業時数に含むことができること」とも書かれている。
各学校においては、日課表作成の際、授業時間の一時間増をどこに組み入れるかが悩みどころかと思う。この方策について例示しているのが、昨年度末に、「小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方に関する検討会議」がまとめた検討結果である。年間の授業日数を増やすパターンや、短時間と長時間の授業を設定する授業などの四パターンが例示されているので、教育課程を編成する上での参考にしていただきたい。
留意点について三点述べたが、このような次期学習指導要領については、教職員の間で理念の共有化を図るとともに、具体的な授業改善の在り方の研修を深めていくことが大切になると考えている。
四点目は「校長の力量を高めるための研修の充実」である。
これについては、道小学校長会の研究大会や全連小の全国大会を効果的に活用し、研修を深めることが非常に重要であると考えている。
本年度は、宗谷校長会の皆さんに主管していただき、大会主題「新たな知を拓き人間性豊かな社会を築く日本人の育成を目指す小学校教育の推進」のもと、第六十回道小学校長会教育研究宗谷・稚内大会が、九月八・九日の両日、稚内市において開催される。すでに全体会・分科会会場が決定され、着実に準備が進んでいる。道小学校長会事務局としても、研修部を中心に宗谷校長会の皆さんと連携を図りながら、分科会の充実に向けた取組を始めているところである。
研究大会が、私たち校長の力量を高める研修となるよう、皆さんで盛り上げていきたいものである。本日午後に、第一回分科会運営者会議が開催され、本格的なスタートを切ることになっている。
五点目は、「要望活動」について。
提言書は、本年度、タイトルを「今求められている教育の実現に向けた教育条件の整備についての提言」とした。内容を大きく二つにまとめている。
一つ目は、内容を「次期学習指導要領の趣旨を生かした授業構築に向けた教育条件整備への提言」とした。私たちが授業改善を進めていく中での教員の配置、研修充実の必要性、教育環境の整備等についてまとめている。
二つ目は、「チームとしての学校の実現に向けた教育条件の整備への提言」とした。学校が抱える課題が複雑化・多様化しており、いじめ・不登校などの生徒指導上の課題への対応など、ますます関係機関等との連携が必要になると考えた。
「道文教施策・予算策定に関する要望書」については、毎年、各地区からいただいた要望をまとめ、次年度に向け、道中・道公教とともに、道教委に要望するものである。八月に行われる文教施策懇談会・各課懇談会にも活用されることになっている。
今後も、道教委、市町村教委だけではなく、文科省・関係行政機関・国会議員や地方議員等への意見表明や要望活動に結び付けていきたいと考えている。あらためて、各地区の皆さんの協力をお願いしたい。
結びになるが、ことしも、ここ数年と同様「チーム北海道」という言葉を掲げて、活動を進めていく。
道中学校長会、道公立学校教頭会はもちろん、道教委や各市町村教委等の教育行政機関と連携を図りながら活動することが、困難と思われる教育課題の打開につながるものと考えている。
本年度も、北海道教育の充実に向けて、理事の皆さんからの力添えをいただくようお願い申し上げる。
(関係団体 2017-05-15付)
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