札幌市教委が新任教頭研修会　保護者対応の在り方など　講演等通し資質向上図る

（市町村 2017-06-26付）

関根氏は、保護者対応のポイントなどを説明した

　札幌市教委は十五日、市内ちえりあで新任教頭を対象とした新任管理職研修を開いた。八十五人が参加。苦情・クレーム対応アドバイザーの関根眞一氏の講演等を通して、管理職としての資質向上を図った。

　はじめに、札幌市精神保健福祉センターの鎌田隼輔精神保健担当部長が「自殺予防の取組」について講義。市の自殺予防の取組や、自殺予防教育などについて説明した。

　続いて、喜多山篤児童生徒担当課長が「学校の危機管理と教頭の役割」について講義・演習を行った。学校安全に関する法律や管理職に求められる責任などを解説した。

　午後からは、苦情・クレーム対応アドバイザーの関根氏が「教師と保護者とのより良い関係を築く（気づく）ために…」と題して講演。関根氏は、教師が過重労働を余儀なくされている現状にふれ「トラブルの判断を学ぶ研修機会がない」と話した。

　トラブルを防ぐため、保護者の申し入れなどを、意見ではなく〝苦情〟として対応することで「最悪の事態には至らない」と述べた。その上で、初期対応や、正確な情報の把握、判断を上司に仰ぐことなどの重要性を訴えた。

　また、保護者対応のポイントとして、①傾聴する②肯定しながら聴く③対応が必要な場合は迅速に行動する④誠意をもって対応する⑤正確な記録を残す―の五点を挙げた。

　「困っているのは保護者。苦情をわざわざつくってくる保護者はいない」と述べ、対応の際に相手が納得できる会話で解決することを求めた。

　講演会終了後は、檜田英樹教職員担当部長が「教頭としての職能の向上」について講話。参加者は学校の経営者として必要な管理運営等について理解を深めた。

(市町村 2017-06-26付)