愛別町の29年度教育行政執行方針=大山教育長
(市町村 2017-06-22付)

愛別町教委大山一成
愛別町教委=大山一成教育長

 【旭川発】愛別町教委の大山一成教育長は、八日に開会した第二回定例町議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。幼児教育において、本年度から幼児センターの保育料が無料化し、安全で安心な給食を提供するなど、保護者の就労環境に配慮した保育環境の充実に努めていくことを示した。また、ICT教育については、各学校に無線LANやタブレットによる教材提示など利用環境の改善に向けた機器を整備し、教育環境の充実を図ることとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼児教育の推進

 幼稚園と保育所の特性を生かした幼保一元化の取組を基礎として、知・徳・体の調和がとれた健やかな成長と情操豊かな子どもの育成を目指すため、保護者のニーズに合わせた教育的保育支援として特別支援教育支援員を増員し、悩みの聞き取りや医療機関への同行など、保護者の不安軽減に向けた取組を強化して、子どもたち一人ひとりにふさわしい特色ある保育に努める。

 幼児センターの保育料を本年度より無料化するとともに、引き続き、手作り感あふれ、旬の食材や地産地消を意識した給食内容の充実や、安全で安心な給食を提供するための備品を整備するなど、保護者の就労環境に配慮した保育環境を充実させる。

 小学校との滑らかな接続を図る「幼小連携研修会」や「幼小交流事業」などを行い、幼児センターの子どもたちをしっかりと小学校に引き継ぐことのできる体制を作り上げる。

▼学校教育の推進

 確かな学力の向上を図るため、学校においては、教育研究会を核とした授業研究などで学校力の向上に努めるとともに、特別支援教育支援員を効果的に活用し個々の習熟度を高め、さらには長期休業中の学習支援やチャレンジテストの実施、学校改善支援プラン推進事業による自主的学習への支援、学習の手引きを活用した家庭学習の習慣化や規則正しい生活習慣づくりなどに取り組む。

 今後とも、特別支援教育支援員や中学校における指導方法の工夫改善のための教員配置など、引き続き少人数指導を支援していく。

 さらに、幼小中が連携した中で目指す子どもの姿を明確にし、学力・体力向上、教員の資質向上、特別支援教育、生徒指導のカテゴリーごとに重点目標を設定した「愛別町学校間連携プラン 新 愛×愛プラン」を作成。学校ごとの特色ある教育活動や小中高が連携したボランティア活動などを継続するとともに、英語・体育・音楽などの連携授業や美深高等養護学校あいべつ校とも連携した特別支援教育の充実を図りながら、学校間の円滑な接続・連携を推進する。

 ICT教育については、各学校に無線LANやタブレットによる教材提示など、利用環境の改善に向けた機器を整備するとともに、引き続き、指導力の向上を目指した研修会を開催するなど、主体的・対話的で深い学びが可能な教育環境の充実を図る。

 国際理解教育については、外国語に親しみ、広い視野をもって諸外国の文化を理解し、国際的感覚と行動力を身に付けるため、引き続き英語指導助手を中学校に配置する。また、新学習指導要領で示された小学校における外国語教育の早期化や教科化に対応するため、教員の英語力アップに向けた研修なども実施する。

 特別支援教育については、特別支援教育支援員を幼児センターに二人、小学校に三人、中学校に二人を配置し、教育環境や指導体制の充実を図る。

 また、心身の障がいなどによって特別な教育的支援を必要とする子どもたちに対し、教育・福祉・医療関係者が連携して、適切な支援を行うために組織された特別支援教育連絡協議会の研修会や情報交流などの活動を引き続き支援していくとともに、愛別版育ちと学びの応援ファイルすくらむやプチすくらむを活用し、家庭や学校・関係機関との連携を深め、就学前から将来の就労時までの一貫した指導と支援に取り組む。

 いじめについては、人間として絶対に許されないという強い認識に立ち、児童生徒とのかかわりを大切にした生徒指導に努めていくとともに、中学校におけるいじめ撲滅に向けた生徒会活動への支援や心と命の授業を中学校で実施する。

 発達段階に応じた体力の向上を目指し、異年齢の児童生徒が一緒に行うスポーツ少年団活動や部活動などによって、運動に親しむ機会を確保する。

 教育環境等の整備については、本年度、中学校において、新JIS規格に対応した生徒用机といすを整備するなど、学びを手助けできるような教育環境を醸成する。 

 美深高等養護学校あいべつ校では学校と企業の双方で、就労に必要な学習を同時進行させるあいべつ校デュアルシステムを導入しているため、学習活動等の経費を支援していくとともに、社会自立を目指す生徒一人ひとりを力強くバックアップする。

▼社会教育の推進

 青少年の健全育成については、学校・家庭・地域の連携を深め、恵まれた自然環境や地域の教育資源を生かした様々な体験活動を行うチャレンジ元気塾を開催するなど、連携協力推進事業を活用しながら、地域の教育力向上と指導者の養成に努める。

 教職員や学生ボランティアの協力のもと、小学生を対象とした学社連携事業愛別天神クラブを夏季休業期間中に実施し、勉強や運動、体験活動などを通して、仲間とともに学ぶ機会を提供し、生き抜く力を培う。

 また、中学生を対象に、民間学習塾から講師の派遣を受け実施する愛別チャレンジゼミを通して、新たな教育環境の中から学びのヒントが実感できるよう、学校とも連携しながら、家庭学習の動機付けを行う。

(市町村 2017-06-22付)

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