悩み・いじめアンケート結果 「いじめられた」1万7078人 相談しやすい環境づくり必要 札幌市教委まとめ (市町村 2017-06-22付)
札幌市教委は二十八年度「悩みやいじめに関するアンケート調査」の結果をまとめた。「今の学年になってから、いじめられたことがある」と回答した児童生徒の総数は前年度と比較し、百人減の一万七千七十八人。市教委では各学校に引き続きいじめ防止や、早期発見・対処に努めるほか、児童生徒の状況は日々変化することから「いいえ」と回答した児童生徒も含め、丁寧かつ継続的な取組を求めている。
同調査は、児童生徒の実態や各校の取組状況をより適切に把握し、いじめの早期発見・早期対応に資することを目的に十八年度から実施しているもの。
昨年十一月に全市立学校で調査を実施。調査用紙は学校用と児童生徒用の二種類があり、児童生徒用については、いじめの早期発見・早期対応の観点から記名式とし、プライバシー保護のため、各家庭で記入させ、封筒に入れて学校に提出するなど配慮した。
調査では「学校が楽しいですか」の設問について、「はい」と答えた児童生徒は前年度比〇・三ポイント増の九一%。「今、何か悩んでいることはあるか」に対し「ある」と答えた児童生徒は、小学校で前年度と変わらず一〇・六%、中学校で〇・八ポイント減の一一・九%、高校で一・三ポイント減の一三・二%だった。
「今の学年になってから、いじめられたことがある」と回答した児童生徒は、前年度比百人減の一万七千七十八人。市教委では引き続きいじめ防止や、早期発見・対処に努めるほか、児童生徒の状況は日々変化することから「いいえ」と回答した児童生徒も含め、その後の経過を慎重に見守るなど、丁寧かつ継続的に取り組むことを求めている。
また、学年が上がるにつれて「ある」と回答する割合が低くなることについて、発達に伴う「いじめ」への認識の変化が影響していること以外に「学年が上がるにつれてアンケートに対して率直に回答しない子どもが増えているのではないか」と分析。日常の学校生活などにおける丁寧な見取りをもとに、発達の段階を踏まえた対応や指導を呼びかけている。
「いじめられたら、誰に相談するか」については、例年と同様に小・中学校、高校の一割程度の児童生徒が「だれにも相談しない」と回答している。市教委は「児童生徒が教員やスクールカウンセラーに相談しやすい環境づくりなどが必要」と指摘している。
(市町村 2017-06-22付)
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