札幌市生活科・総合的な学習教育連盟　研究大会―各部会が授業公開　実感できる学びを紹介　

（関係団体 2017-06-29付）

高学年総合部会では余田教諭の授業を公開した

　札幌市生活科・総合的な学習教育連盟（＝札生総連、新井弘通委員長）は二十七日、札幌市立白楊小学校で第二十五回札幌市生活科・総合的な学習教育研究大会を開いた。研究主題「自分の学びを実感し、未来を拓く子どもの育成」のもと、生活科部会、中学年総合部会、高学年総合部会が、それぞれ一授業を公開。研究提言や分科会を行うなど研鑚を積んだ。

　同連盟は、研究主題を「自分の学びを実感し、未来を拓く子どもの育成」、研究副主題を「思考をめぐらせ、体験を豊かにしていく学習」と設定。生活科の研究では「思いや願いが高まる体験活動と表現活動の構成」「気付きの質が高まる教師のかかわり」の二点を、総合的な学習の時間の研究では「自ら探究を進めていく体験活動と言語活動の構成」「主体的な整理・分析を支える教師のかかわり」の二点について研究を進めている。

　当日は、開会式に先立ち三つの授業を公開。このうち、高学年総合部会では余田峻也教諭が六年二組の授業「プロフェッショナル２４～自分の流儀」を指導した。

　同授業は、二十六時間扱いの十三時間目。本時の目標を「身近な人の中にはボランティアとして活動している方がいるという事実から、職業とボランティアとの相違について考え、働くプロに対する見方や考え方を広げ、深めることができる」と設定した。

　余田教諭は児童が医師やスクールガードリーダーなど、四人の〝働くプロ〟にインタビューした前時を振り返ったあと、四人のうち、二人は職業ではなくボランティアとして活動していることを説明。二人がなぜ無償で働き続けているのか疑問を感じさせた。

　全体交流では児童の「給料がもらえる」「ボランティアは時間に関係なく働ける」「地域への恩返し」など、職業とボランティアの違いを取り上げたほか、職業について「社会のために働いている」という発言に着目。これまでの児童の発言からスクールガードリーダーがまちの安全のために活動しているなど、ボランティアも社会のために働いていることに気づかせた上で、〝プロの流儀〟とは何かを問いかけた。

　四人のプロの共通点を考えさせたほか、「社会と人々に貢献」「みんなの笑顔のために」といった児童の発表を取り上げ、働くプロに対する見方や考え方を深めさせた。

　公開授業のあと、開会式を実施。あいさつに立った新井委員長は研究大会開催に当たり、白楊小学校の協力に感謝の気持ちを述べた。また、三十年度に札幌市で開催される第二十七回日本生活科・総合的学習教育学会北海道大会にふれ「教育実践を積み重ね、全国大会に自信をもって臨みたい」と話した。

　続いて、小山恒研究部長が生活科や総合的な学習の時間の研究内容について説明。生活科、中学年総合、高学年総合の部会に分かれて分科会も実施した。

(関係団体 2017-06-29付)