道小「広域人事に関する調査」 授業力向上に効果実感 課題は異動者へのサポート(関係団体 2017-07-05付)
道小学校長会(角野誠会長)は、「二十九年度広域人事に関する調査の集計と考察」をまとめた。参加してよかった点として、三年目終了者の九一%が「授業力の向上」「職場の仲間との連携」を挙げたほか、「学力の向上」七七%、「教育課程改善への参画」「地域との連携」は三六%などとなった。全体の考察では、教職員の適正配置を推進することで「地域における学力向上や教育課程の改善を図ることができる」などの成果を挙げた。一方、「異動者への経済的・精神的なサポートの充実」「異動者や受け入れ校の希望に配慮し、年限等について柔軟に運用する」などを今後の課題・改善点として指摘している。
広域人事制度は二十三年度から開始。教職員の適正配置を促進し、地域における学力向上や生徒指導など教育課題の改善に資することで、全道的な教育水準を高めることがねらい。
平均年齢の高い管内の中堅層の教諭が、平均年齢の低い地域がある管内の学校に異動し、異動先で教育実践の中核を担ったあと、異動元の管内に戻り、その経験を生かす。また、若年層の教諭が平均年齢の高い管内の学校に異動し、異動先で力量を高めたのち、異動元の管内でその知見を還元する。
調査対象は、①三年目終了者本人および異動先校長・異動元校長②一年目対象者本人および異動先校長・異動元校長③戻り人事二年終了者本人およびその学校の校長。計百四十九人のうち、百四十四人から回答を得た。
三年目終了者本人に対する調査では、制度に参加してよかったこととして「授業力の向上」「職場の仲間との連携」がいずれも九一%と高い割合を示した。このほか「学力の向上」七七%、「教育課程改善への参画」「地域との連携」三六%などと続く。
参加して大変だったことは「学力の向上」二七%、「地域との連携」二三%など。
道小では「交通費や環境の違いによるものはあるが、担当者の訪問面談によるサポートで、広域人事特有の精神的負担は解消されてきている」「サポート体制や交流会については、地区による対応の差が大きく、今後の改善が必要」と分析している。
三年目終了異動元校長・異動先校長に対する調査では、対象教諭の三年間の様子について「大いに貢献した」三五%、「貢献した」四〇%となり、計七五%が制度を肯定的にとらえている。
一年目異動者本人に対する調査では、対象者の九割以上が自ら参加を希望したと回答。参加者全員が、制度について「理解している」「概ね理解している」と回答した。また「異動準備で困ったこと」「着任後に困ったこと」の項目において「困ったことはない」との回答がいずれも約七割となった。
これらの回答を踏まえ、制度の成果として「教職員の適正配置を推進することで、地域における学力向上や教育課程の改善を図ることができる」「他管内の教育実践にふれることで、新たな気づきや意欲の向上につながり、実践の幅や視野を広げることができる」などを挙げている。
課題・改善点としては「異動者への経済的・精神的なサポートの充実」「異動者や受け入れ校の希望に配慮し、年限等について柔軟に運用する」などと指摘している。
(関係団体 2017-07-05付)
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