函館市が30年度予算案発表 子どもの貧困対策に重点配分 教育費は0.4%減76.9億円
(市町村 2018-02-14付)

 【函館発】函館市は十三日、新年度予算案を発表した。一般会計の総額は、前年度当初比一・六%減の一千三百四十九億九千万円。教育費は、〇・四%減の七十六億九千五百十四万円を計上した。重点的な取組と位置付ける「子どもの貧困対策」は、就学扶助費や生活困窮者自立支援対策事業費など合わせて四億六千三百万円。新規事業では、ひとり親家庭等世帯の小学生を対象に訪問型の学習支援を行うひとり親家庭等子どものための学習支援事業費に百六十万円を盛り込んだ。コミュニティ・スクール推進事業費として、小・合わせて四十九校での学校運営協議会設置に向け百五十四万円を措置し、地域と一体となった教育を推進していく。

 義務教育施設整備費には三億三千四百八十七万円を計上。このうち、高盛小学校、千代ヶ岱小学校、金堀小学校の統合校の校舎等改修費に二千二百四十万円を措置した。新規事業では、教員の業務改善と教育の質の向上を目的とした校務支援システム運用経費に三百四十二万円を計上した。

 また、家庭の事情で修学が困難な学生を対象とした給付型奨学金に三百六十八万円、いじめ防止対策審議会の設置などを進めるいじめ・不登校等対策推進費には四百六十四万円、外国人英語指導助手関係経費では三千四百三十五万円を計上し二人増員する。

 主な教育関係事業はつぎのとおり(金額単位・万円)。

▼子どもたちと若者の未来を拓きます

▽子ども条例推進事業=一〇九―二十八年度から施行した子ども条例に基づき、子ども会議を開く

▽子ども・子育て支援事業計画策定調査費(新規)=四五〇―次期計画策定に向け、子育てにかかわるニーズ等を把握するアンケート調査を実施

▽子育て支援推進事業=九、〇八六―スマートフォンアプリで子育てに関する情報提供、夜間・休日に保護者が帰宅するまで食事の提供や生活指導などを実施

▽ファミリー・サポート・センター事業=二、〇八六―子育てに関する相互援助

▽就学扶助=三八、九一八

▽入学準備給付金(小・中学校)=一、一六四

▽特定教育・保育質向上事業=五、〇一五―国が定める保育士等の配置を上回る保育所等に対し、二人分を上限として人件費の一部を助成

▽特別保育事業費等=二二、九九〇

▽児童福祉施設整備費補助=七四、一四三

▽低年齢児保育対策事業費=六七六

▽学校給食基本方針推進事業=一七三―就学援助の認定を受けた準要保護者を対象とした学校生活管理指導表の発行経費支援、食物アレルギー研修会の開催、食材の細菌検査など

▽給付型奨学金(新規)=三六八―経済的な理由によって修学困難な大学生を対象に給付

▽ひとり親家庭等子どものための学習支援事業(新規)=一六〇―ひとり親家庭等世帯の小学生を対象とした生活指導を含めた訪問型学習支援

▽母子家庭等自立支援給付金支援事業=三、六〇七―教育訓練講座の受講や資格取得のための養成機関に通う際の経費を一部助成

▽生活困窮者自立支援対策事業=一、四九五―生活困窮者に対する自立相談や就労支援のほか、生活困窮世帯の中学生を対象とした学習支援や進路相談

▽いじめ・不登校等対策推進=四六四―いじめ防止対策審議会を新たに設置するほか、各学校を巡回して児童生徒や保護者に対するカウンセリングなどを行う相談員を配置

▽保育士就職支援研修事業=一二〇―保育資格を有しながら長期間離職している人を対象とした保育に関する講義や実地研修

▽地域放課後児童健全育成事業=六四、二八九―放課後における児童の健全育成を図る学童保育。新たに三小学校区で実施

▽放課後子供教室推進事業=四六一―放課後における児童の安全で安心な活動拠点を設け、様々な体験・交流活動を一一の小学校で実施する

▽統合児童館建設事業(新規)=四、〇〇〇―高盛・人見・本町児童館の統合児童館として、金堀小敷地内に新たな児童館を建設

▽学童保育施設整備事業(新規)=二、一六七―亀田小の余裕教室改修による学童保育施設の整備

▽教育振興審議会関係経費(新規)=五七―教育の振興に関する施策の推進について調査審議を目的に教育振興審議会を新たに設置

▽義務教育施設整備=三三、四八七―高盛小・千代ヶ岱小・金堀小統合校の校舎等改修など

▽学校給食設備改善事業=二、七七二―学校給食調理場の調理設備等の整備・更新

▽函館市学校給食会補助金=一、六四三―組織体制の強化および責任体制の明確化を図るための運営費支援

▽学校司書関係経費(新規)=二五―学校司書を新たに青柳中、五稜郭中、巴中、亀田中に配置。校区内の小学校も兼務とする

▽外国人英語指導助手関係経費=外国語教科化に向けて指導体制充実を図る

▽特別支援教育支援員関係経費・推進事業=六、五三七―小・中学校における発達障がいなどの児童生徒への教育的支援を行う特別支援教育支援員を七十四人配置するほか、学校や支援員をサポートする巡回相談員を二人配置する

▽高校生海外留学事業関係経費=一、六〇〇―市内の生徒一〇人(二年生)をオーストラリアへ派遣

▽学力向上推進事業=二、一五三―算数の少人数指導を行う非常勤講師の設置や免許外教科指導の改善を図る非常勤講師の設置

▽校務支援システム運用経費(新規)=三四二―クラウド型の支援システムを小学校三校、中学校二校で先行導入

▽食育推進事業=六五

▽コミュニティ・スクール推進事業=一五四―地域住民および保護者などの学校運営への参画、支援、協力を促進する学校運営協議会を新たに設置

▽学校開放事業経費=四二六―学校図書館や特別教室を文化・社会教育活動を行う場として開放

▽部活動地域支援者活用事業費=四七〇―中学校の部活動の充実と専門的な技術指導が可能な地域支援者を活用

▽私立学校運営助成費=一〇、八九三

▽私立専修学校運営助成費=八六八

▽函館大妻高校校舎増改築事業費補助金(新規)=一、〇〇〇―新たに多目的教室を設置

▽函館TOM向上推進=一、〇一〇―Town(まち)、Others(人)、Myself(自分)を大切にする機運を高めるため、函館の歴史や魅力、現状などへの理解が深まるような映像を制作し、各小学校への配布とワークショップを実施

▽小学校社会科用図書『私たちの函館』作成経費=三一〇―三・四年生の内容を改訂する

▽文化芸術アウトリーチ事業費=三〇〇―小・中学校に芸術家等を派遣し、演奏会やワークショップの開催を通じて、子どもが文化芸術にふれる機会を拡充

(市町村 2018-02-14付)

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