札幌市教委 学校給食フードリサイクル 29年度の成果 食べ残し減った学校増加(市町村 2018-02-26付)
札幌市教委は、二十九年度の「さっぽろ学校給食フードリサイクル事業」に関する報告をまとめた。提供したフードリサイクル作物を教材として使用した学校のうち、給食の残量が減少した学校が二十八年度より二・七ポイント増加し三〇・一%(八三校)となった。また、フードリサイクル堆肥活用校では「食べものに興味・関心をもつ子どもが増えた」などの成果が見られた。
この事業は、調理くず・残食などの生ごみを堆肥化し、その堆肥を利用したフードリサイクル作物を学校給食に提供するもの。食や環境を考え、食べ物を大切にする心を育むことを目指している。
事業の提供作物にかかる活用状況報告をみると、本年度は、小学校二百一校、中学校九十八校、特別支援学校四校の計三百三校に、レタスや玉ねぎなどを提供した。
提供作物をフードリサイクルなどに関する教材として活用した学校は、全体の九一・一%で、小学校百八十五校、中学校八十八校、特別支援学校三校の計二百七十六校。このうち、給食の残量が減少したのは二十八年度より二・七ポイント増の三〇・一%で、小学校六十三校、中学校十九校、特別支援学校一校の計八十三校だった。
また、毎年度、フードリサイクル堆肥活用校を指定。堆肥活用校では食育・環境教育の充実を図ることを目的として、リサイクル堆肥を活用し、教科および総合的な学習の時間・給食時間の指導と事業を関連させるなど、様々な取組を行っている。
二十九年度の堆肥活用校は、小学校百五十六校、中学校三十八校、特別支援学校二校の計百九十六校で、二十八年度に比べ、十八校増加している。
堆肥活用校の実施報告書によると、給食時間における指導内容について「フードリサイクルの仕組み、目的等について」が七六・五%(一五〇校)と最も多く、「フードリサイクル作物の生育状況、栄養、鮮度等について」が五九・七%(一一七校)、「自分たちで栽培した作物を味わう」が二四・五%(四八校)だった。
取組の成果としては、「食べものに興味・関心をもつ子どもが増えた」が八一・六%(一六〇校)と最も多く、「食べものや生産者などへの感謝の気持ちをもつ子どもが増えた」が五九・七%(一一七校)、「栽培活動へ積極的にかかわる子どもが増えた」が五七・一%(一一二校)、「食べものを無駄にしないよう考えたり工夫したりする子どもが増えた」が四八・〇%(九四校)と続いた。
家庭・地域との連携については「給食だより・学校だよりなどでフードリサイクルについて情報提供した」が七七・〇%(一五一校)と最も多かった。
堆肥活用校からは、「年々野菜料理の残量が減少している」「土づくりの大切さを考え、よい土ができると収穫が多くなることを実感することができた」などの感想が寄せられた。
市教委では、二十九年度、フードリサイクルに関するDVD指導教材のデータや指導事例などを小・中学校が共通で見ることができる電子フォルダに格納し、教員が作物を教材として活用しやすい環境を整備。今後も、食育・環境教育の充実のため事例の収集や啓発に努めることとしている。
(市町村 2018-02-26付)
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