北広島市教委の30年度教育行政執行方針 小中一貫教育を重点的に 部活動指導員モデル校で試行(市町村 2018-02-26付)
北広島市教委・吉田孝志教育長
北広島市教委の吉田孝志教育長は二十日、第一回市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。四月から全市一斉で開始する小中一貫教育に重点的に取り組むほか、小・中学校の外国語授業に外国語指導助手を派遣し、外国語教育の充実を図るなどの方針を示した。また、小学校給食調理施設の整備や、部活動指導員をモデル校で試行し、生徒の技術力向上および教員の負担軽減を図るなど、教育環境の充実・発展に努める。
教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。
▼「生きる力」を育む学校教育の推進
▽幼児教育の振興
「北広島市幼児教育連携アクションプラン」に基づき、幼児教育と小学校教育との円滑な接続を図るため、交流会や研修会を継続的に実施。幼稚園・保育園・小学校・学童クラブそれぞれの担当者間の共通理解や連携を深めるとともに、子ども同士・保護者間の交流を促進する。
▽豊かな心を育む教育の充実
思いやりの心や人とかかわる力を育てるため、市独自の福祉読本を活用するなど、他者を思いやる教育活動を進めていくとともに、考え議論する道徳授業の実践に取り組み、道徳教育の充実を図る。
▽学校図書館の活用
新たな事業として大曲地区をモデル地区に、保育園・小学校図書館への司書の巡回配置や、保育園を通して家庭に配本を行う家読(うちどく)支援などの「地域まるごと読書支援モデル事業」を実施し、地域における読書環境の充実を図る。
▽確かな学力を育てる教育の充実
学力の向上を図るため、標準学力検査および全国学力・学習状況調査等の結果を踏まえ、各学校において学校改善プランを改定し、授業改善や個に応じたきめ細かな指導、教員の資質向上に努めるとともに、それぞれの中学校区で策定したスタンダードな実践に取り組み、小・中学校が一貫した学習・生活習慣の定着を図る。
▽健やかな体を育てる教育の充実
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を踏まえ、各学校において体力向上プランを作成し、体育授業や日常における体力づくりの充実に努める。
▽学校給食
「学校給食のあり方に関する基本方針」に基づき、小学校給食調理施設の整備や食物アレルギーのある児童生徒への対応などについて検討する。
▽学校ICT環境の整備
全中学校の教育用コンピューターのタブレット化を進め、ICTを効果的に活用した教育を進める。また、校務支援システムの効果的な活用によって、教職員の校務の効率化や負担軽減を図る。
▽特別支援教育の充実
特別支援教育支援員を全校配置し、通常学級に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の生活や学習の支援に一層努めるとともに、教育支援委員会や特別支援教育担当の指導主事を活用し、個々の教育的ニーズに対応したきめ細かな支援を行う。
▽外国語指導助手の活用
新たな学習指導要領の先行実施に向けて、児童生徒の英語発音力やコミュニケーション能力、国際理解力の向上を目的に、小・中学校の外国語授業などに英語指導助手を派遣し、外国語教育の充実を図る。
▽姉妹都市子ども大使交流
姉妹都市である東広島市と小・中学生の相互訪問を行い、児童生徒のふるさと意識の醸成を図るとともに、広島市で開催される原爆死没者慰霊式や平和祈念式典への参列などを通して、平和学習の充実を図る。
▽部活動指導員
生徒の技術力向上や部活動指導にかかる教員の負担軽減を図るため、モデル校による試行を行う。
▼信頼され、魅力ある学校づくりの推進
▽開かれた学校づくりの推進
西部中学校区におけるコミュニティ・スクールの取組を継続するとともに、その成果および課題を踏まえ、研修などを実施する。また、土曜授業を継続実施し、開かれた学校づくりをさらに推進していくとともに、多様な学習場面の提供を図る。
▽小中一貫教育
三十年度全市一斉導入に向けて、各中学校区で着実に準備を進めてきており、目指す子ども像の共有、義務教育九年間の一貫した教科や大志学の指導計画の作成、小・中学校間の乗り入れ授業などを通して、学力や体力の向上、社会性の育成を図る。
▽教育環境の整備
経済的支援の充実を図るため、小・中学校に入学する予定の児童生徒がいる対象世帯に対し、就学援助新入学準備金の入学前支給を継続して実施する。
▽地域の教育資源を活用した学校支援
学校と地域住民が連携して、学校支援地域本部を中心に、子どもたちの学びや育ちを支援する。
▼優しく支え合う教育連携の推進
▽家庭の教育力向上への支援
家庭の教育力に関する情報の発信や、関係団体と連携した学習機会の提供を進めるとともに、家庭、学校、地域が一体となった、子どもの生活リズムの向上に取り組んでいく。
▽教育相談体制の充実
臨床心理士の資格をもつ子どもサポートセンター相談員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門知識を有する人材を活用し、学校や関係機関と連携した相談体制の充実に努める。
▽不登校、いじめの問題
ことし三月に改定する「北広島市いじめ防止基本方針」などに基づき、いじめの未然防止に向け、学校などにおいて啓発や学習機会を設けるとともに、関係機関との連携を図る。また、不登校児童生徒への対応については、適応指導教室みらい塾での支援の充実や、NPO法人子どもサポート隊との連携を図るなど、きめ細かな対応を進める。
▽青少年の安全対策
インターネット上でのいじめや犯罪被害などを予防するため、ネットパトロールを継続するとともに、児童生徒や保護者などへの啓発活動を行う。
▽放課後子供教室
放課後における児童の居場所として、引き続き地域の教育力を活用し、安全に、そして安心して多様な体験や学習活動ができるよう努める。
(市町村 2018-02-26付)
その他の記事( 市町村)
札幌市教委 学校給食フードリサイクル 29年度の成果 食べ残し減った学校増加
札幌市教委は、二十九年度の「さっぽろ学校給食フードリサイクル事業」に関する報告をまとめた。提供したフードリサイクル作物を教材として使用した学校のうち、給食の残量が減少した学校が二十八年度よ...(2018-02-26) 全て読む
置戸町の30年度予算案 置戸高支援対策を継続
【網走発】置戸町は二十二日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比七・〇%増の四十六億四千二百万円。うち、教育費は四三・六%増の六億八千百八十四万円。新規事業に境野公民館の改築を...(2018-02-26) 全て読む
滝川市の30年度当初予算案 英検IBA受験料を助成 ICT活用へタブレット導入
【岩見沢発】滝川市は十六日、三十年度予算案を発表した。一般会計の総額は、前年度当初比〇・二三%減の百九十八億四千万円。このうち、教育費は二・八%増の十一億六百万円となっている。 新規で...(2018-02-26) 全て読む
鹿追町が30年度予算案発表 新規に認定こども園建設 小中高一貫教育を継続
【帯広発】鹿追町は二十二日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比一・三%増の六十六億一千百万円を計上。このうち、教育費は七・八%減の四億四千百万円となっている。 新規事業を...(2018-02-26) 全て読む
新ひだか町30年度予算案―骨格編成 部活動指導員制度を導入
【浦河発】新ひだか町は二十一日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比一二・二%減の百四十億九千八百六十八万円。町長選を控えた骨格編成で、このうち、教育費は一・八%増の十一億五千...(2018-02-26) 全て読む
札幌市教委『30年度学校教育の重点』 授業改善の必要性示す 市立園・学校の全教職員に配布
札幌市教委の『三十年度学校教育の重点』がまとまった。「知・徳・体の調和のとれた育ち」など四点を重点に設定。新学習指導要領で重視されている「主体的・対話的で深い学びの実現」「カリキュラム・マ...(2018-02-23) 全て読む
美瑛町が30年度予算案を発表 新規に認定こども園整備補助 小学校専属ALTを配置
【旭川発】美瑛町は二十一日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比二・五%増の百一億二百万円。教育費は三五・四%減の四億三千百三十九万円を計上した。減額は、美瑛小学校改修等が終了...(2018-02-23) 全て読む
9年間の学習内容一覧に 旭川市教委『ラーニングマップ』教科編
【旭川発】旭川市教委は、小学校一年生から中学校三年生までの義務教育九年間における各教科の学習内容の一覧を示した『あさひかわラーニングマップ』(教科編)を初めて作成した。市教委は、保護者や地...(2018-02-23) 全て読む
芽室町が30年度予算案発表 小学校少人数学級を継続 新規に子どもの居場所づくり事業
【帯広発】芽室町は二十一日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比二・二%減の百十四億三千万円を計上。うち、教育費は二六・五%減の十三億六千万円となっている。芽室中体育館の改修工...(2018-02-23) 全て読む
根室市が30年度予算案発表 新規に北方資料活用事業 高校生までの遠征費を助成
【根室発】根室市は二十二日、三十年度予算案を発表した。一般会計は二十九年度当初比〇・七%増の百七十一億六百万円。このうち、教育費は一三・三%減の九億九千八百万円。総合文化会館整備事業が一段...(2018-02-23) 全て読む