十勝局 管内教育実践表彰式を挙行 5校・3団体に晴れの栄誉(道・道教委 2018-03-05付)
竹林亨局長が功績をたたえ、受賞者に表彰状を手渡した
【帯広発】十勝教育局は二月二十六日、幕別町百年記念ホールで二十九年度十勝管内教育実践表彰の表彰式を執り行った。帯広市立啓西小学校、大樹町立大樹小学校、広尾町立広尾小学校、陸別町立陸別中学校、大樹高校、十勝管内教育研究サークル協議会、帯広市民劇場運営委員会、大正宮神楽保存会の五校・三団体が受賞。竹林亨局長が受賞者に表彰状を手渡し、その功績をたたえた。教育活動表彰の該当はなかった。
冒頭、竹林局長が式辞。受賞者のこれまでの教育活動に敬意を表した上で「教育局としても〝十勝はひとつ子どもたちのために〟をスローガンに学校・家庭・地域が連携し、十勝らしい教育環境づくりの充実に向け全力で取り組んでいきたい」と強調。「この受賞を契機にさらなる実践を積み重ね、引き続き、管内教育の充実・発展に向けて力添えを」と求めた。
続いて、佐藤育子教育支援課長が受賞者の実践活動を紹介したあと、竹林局長が受賞者の功績をたたえ、表彰状と副賞を手渡した。
引き続き、管内教育委員会連絡協議会の笹原博会長が祝辞。目まぐるしく変化する社会情勢にふれた上で「皆さんのこれまでの実践は、管内はもとより北海道教育の発展に資するものであり、他の学校や団体に大きな示唆を与えるもの」と称賛し、今後も一層研鑚を積み、ますます活躍することに期待を寄せた。
このあと、受賞者を代表して啓西小の小林寛佳校長があいさつに立ち「今後も未来に生きる子どもたちの教育に責任をもち、家庭・地域からの信頼に一層応えられる教育活動を推進していきたい」と意気込みを語った。
なお、この日は道教育実践表彰も併せて執り行い、受賞した帯広市立稲田小学校の西山乙代教諭、幕別町立札内南小学校の市原秀樹教諭、上士幌高校の高橋江恵教諭、帯広養護学校の篠田佳寿教諭に表彰状を授与した(道教育実践表彰受賞者の功績は、一月二十六日付6・7面に掲載)。
受賞者を代表してあいさつに立った篠田教諭は「このような名誉ある賞をいただけたことはこの上ない喜び。今後も一層努力していきたい」と決意を示した。
管内教育実践表彰における受賞校・団体の功績概要はつぎのとおり。
学校教育
▼帯広市立啓西小学校(小林寛佳校長、児童数三九九人)
地域や児童の課題解決のための包括的な学校改善に努め、大きな成果を上げている。
特に、学力や体力向上にかかる客観的なデータを活用し検証改善サイクルを確立する取組や家庭、地域と連携して望ましい生活習慣の形成を図る取組など特色ある取組を行っている。
また、公開研究会を開催し、校内研修で取り組んできた「かかわり合いながら、自ら学ぶ子どもの育成」にかかる実践研究の成果を発信する取組は、管内教育の発展に寄与する取組として高く評価されている。
▼大樹町立大樹小学校(髙井正樹校長、児童数二八七人)
地域や児童の課題解決のための包括的な学校改善に努め、大きな成果を上げている。
特に、すべての教職員が同程度の授業を展開することができるよう「大樹モデル」として一単位時間の学習過程を統一するなど学校全体での授業改善と教職員の指導力の向上を図るなど、特色ある取組を行っている。
また、大樹中学校および大樹高校と連携し、ふるさとに学び、ふるさとに愛着と誇りをもつ子どもを育成する「大樹学」の取組は、管内教育の発展に寄与する取組として高く評価されている。
▼広尾町立広尾小学校(鎌田一寿校長、児童数二五四人)
学力の向上を目指し、ICT機器の活用による授業改善に努め、大きな成果を上げている。
特に、児童の主体的な学びを通して学習内容の確実な定着を図るために、実物投影機やタブレット端末、クラウド教材を効果的に活用した授業改善に全校で取り組むなど、特色ある取組を行っている。
また、児童一人ひとりの学習状況をきめ細かに把握し、習熟度別・少人数指導や補充的な学習等の改善に生かすなど、個に応じた指導の充実を図る取組は、管内教育の発展に寄与する取組として高く評価されている。
▼陸別町立陸別中学校(髙山亮司校長、生徒数四四人)
豊かな地域資源を効果的に活用した教育活動や小学校と連携した教育活動の充実に努め、大きな成果を上げている。
特に、学校支援地域本部と連携して、地域の教育資源や地域人材を活用した土曜授業カリキュラムを編成し、地域と連携した土曜授業を推進するなど特色ある取組を行っている。
また、陸別小学校への乗り入れ授業や小・中学校教職員による合同研修会の実施など九年間の学びの連続性を重視した取組は、管内教育に寄与する取組として高く評価されている。
▼大樹高校(金田英司校長、生徒数一四九人)
地域に貢献する人材の育成を目指し、ふるさとキャリア教育や特別支援教育の充実に努め、大きな成果を上げている。
特に、小中高が連携した「大樹学」の取組として、宇宙産業など地域資源を活用し、地域理解を深める取組や町づくりに高校生の意見を発信する高校生議会の取組など特色ある取組を行っている。
また、高校における通級指導にかかる教育課程の編成に関する研究や生徒個々の能力を伸ばす授業のユニバーサルデザイン化の研究は、全道の高校教育の発展に寄与する取組として高く評価されている。
▼十勝管内教育研究サークル協議会(吉藤清孝会長、会員数四八四人)
昭和三十三年、十勝管内サークル協議会として発足以来、指導方法の研究に取り組み、教員の資質向上に努め、大きな成果を上げている。
特に、各教科等の授業研究を推進するサークル合同研究会の開催や機関誌『サークル研究』の発刊を通して、授業研究の成果や新たな教育情報を管内に広く発信するなど、特色ある取組を行っている。
また、十勝教育研修センターの研修講座への講師派遣や会員相互の交流を通じて、管内の教職員の指導力の向上を図る取組は、管内教育の発展に寄与する取組として高く評価されている。
社会教育
▼帯広市民劇場運営委員会(金子章委員長、会員数二八人)
昭和三十九年に委員会を立ち上げて以来、帯広市および十勝の芸術文化の向上発展に努め、大きな成果を上げている。
特に、平成十八年度から市内小学校の児童を対象に日ごろ接する機会の少ない芸術文化に関する小学校出前講座の企画や長期休業中の特別講座の開催など、特色ある取組を行っている。
また、市民オペラや市民バレエなどの市民手づくり公演の支援、地域の芸術家の育成などの芸術文化を継承する活動は、地域文化の振興、社会教育活動の推進に大きく貢献する取組として、高く評価されている。
▼大正宮神楽保存会(松浦典明会長、会員数五〇人)
昭和二十八年に保存会を立ち上げて以来、郷土芸能である大正宮神楽の伝承や後継者の育成に努め、大きな成果を上げている。
特に、保育所や老人介護施設などでの地域住民との交流や外国人への伝統文化の紹介、活動状況のパネル展での普及など特色ある取組を行っている。
また、地域の小・中学生、高校生への伝承活動や後継者の育成など伝統文化の継承を図る活動は、地域文化の向上発展に大きく貢献する取組として高く評価されている。
(道・道教委 2018-03-05付)
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