個々の優れた実践たたえる 渡島局が管内教育実践表彰式
(道・道教委 2018-03-05付)

渡島教育実践表彰表彰式
各校・団体の代表者に河原局長が表彰状を手渡し、これまでの取組に敬意を表した

 【函館発】渡島教育局は二月二十三日、道立函館美術館で管内教育実践表彰式を挙行した。学校教育と社会教育の各部門で受賞した三校と三団体に対して、河原範毅局長が表彰状を手渡し、これまでの教育活動に敬意を表するとともに、今後の活躍に期待を寄せた。

 表彰は、昭和四十二年から始まり、今回で五十一回目。本年度は、学校教育部門で、函館市立桔梗小学校、函館市立八幡小学校、八雲養護学校、函館教育経営研究所を選出。社会教育部門では、知内町の読書サークル「ライラックの会」、八雲ばやし「どどん鼓座」が選ばれた。

 開会式で河原局長が式辞。「科学技術の発展に伴いグローバル化が進み、未来を切り拓くことができる人材の育成に向け、教育のさらなる充実が求められている」と述べた上で「受賞者のこれまでの活動はとても心強い。地道に取り組んできた活動であり、管内教育をリードする優れた取組に心から敬意を表する」とたたえ「管内教育の新たな創造に向け、より一層の協力を」と呼びかけた。

 続いて、渡島教育委員会連絡協議会の工藤嗣美会長が祝辞に立ち、子どもを取り巻く問題として「学力や体力、規範意識の向上が強く求められており、子どもたちは多様化する社会を生き抜く力の育成が必要」と指摘。「皆さんの活動や取組は、生きる力の育成につながり、子どもの今後の成長や夢に向かって努力する姿勢の継続につながっていく」と成果をたたえた。

 受賞者の業績紹介では、活動の様子をスライドで紹介。市立函館高校放送局の斉藤洸佑君がナレーションを務め、受賞者の活動内容を説明した。このあと、河原局長が、各団体の代表者に表彰状を手渡した。

 受賞者を代表し、桔梗小の宮越忍校長が謝辞。自校の取組を振り返った上で「子どもだけではなく、教員の業務も充実し、本当に楽しそうに授業に取り組んでいる。知・徳・体のそろった児童の育成ができたのも市教委や教育局、関係者の努力のたまもの。今後も職務にまい進していきたい」と決意を新たにした。

管内教育実践表彰受賞校・団体の功績はつぎのとおり。

◆学校教育

▼函館市立桔梗小学校(宮越忍校長、児童数七二三人)

 長年にわたって、学校教育目標「心をひろくもつ子 頭をつかう子 体をきたえる子」の実現を目指し、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。

 特に、学力向上については、「主体的に学び 考え 行動できる子どもの育成」を研究主題とし、「主体的・対話的で深い学び」の視点から学校全体で授業改善に取り組み、渡島管内研究指定校、函館市教委アクティブ・ラーニング推進事業の実施校として、その研究成果を公開研究会を通して広く発信するなど大きな成果を上げている。

 また、体育専科教員活用事業の本務校として、体育科の授業における指導方法の工夫改善にかかる実践研究を推進するなど、組織的かつ系統的に体力向上を図る取組は高く評価されている。

▼函館市立八幡小学校(松浦一秀校長、児童数三七六人)

 長年にわたり、学校教育目標「考える子 助け合う子 明るい子 がんばる子」の実現を目指し、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。

 特に、学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校として、包括的な学校改善や人材育成に計画的に取り組むほか、児童に基礎・基本を確実に習得させるための〝八幡八策〟や、授業の質の向上を目指した〝八幡スタンダード〟を策定・推進し、その実践と成果を教育実践発表会で管内に広く発信するなど教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。

 また「思考力を高めるための指導方法の在り方~自ら考え、深め合う探究型の授業を通して」を研究主題として、日常の授業改善に努めるなど、学力向上の取組は高く評価されている。

▼八雲養護学校(鎌田典子校長、児童生徒数二一人)

 長年にわたって、隣接する八雲病院との連携のもと、児童生徒一人ひとりの病状や障がいの状況、発達の段階にきめ細かく対応した学習活動を展開し、その可能性を十分伸ばすとともに、卒業後に必要とされる力の育成に取り組んでいる。

 特に、自身の浮力を最大限に活用したハロウィック水泳法を取り入れた水泳学習や、電動車いすのスティックなどを活用し、個々にスポーツ種目に取り組めるよう工夫した体育科の授業、町立図書館と連携した読書活動の取組などは、児童生徒の自己肯定感の醸成に大きな成果を上げている。

 また、インターネットを用いた近隣の学校との交流・共同学習や全国の特別支援学校との遠隔合同社会見学の取組は、ICTを効果的に活用した実践として高く評価されている。

▼函館教育経営研究所(円山博司会長、会員数一五八人)

 長年にわたって、「切磋琢磨する共学と共創する研究、研修」の理念のもと、学校経営に関する調査・研究・研修・相談活動の推進に取り組んでいる。

 特に、研修活動においては、会員自らの「意識改革と発想転換、創出挑戦」に重きを置き、専門家や有識者による講演会、学校経営実務研修講座などを実施するとともに、その成果を研究紀要や情報誌を通じて定期的に発信するなど、スクールリーダーとしての資質、経営能力の向上に大きな成果を上げている。

 また、管内の小・中学校のみならず、大学や研究機関、教育行政関係者などと連携して教育研究を進めるなど、管内教育の充実・発展に寄与する取組は高く評価されている。

◆社会教育

▼読書サークル「ライラックの会」(佐藤日路美代表、会員数六人)

 長年にわたって、知内町教委と連携し、乳幼児とその保護者や、小学生への読み聞かせを実施するなど、子どもたちの豊かな心を育む読書活動の推進に取り組んでいる。

 特に、幼児から小学生を対象に毎月開催する「おたのしみ図書館」や町教委が主催する「ブックフェスティバル」においては、絵本の読み聞かせや工作、パネルシアターやエプロンシアターなど工夫を凝らした活動を通して参加者に読書の楽しさを伝えるとともに、保護者には読書の大切さについて啓発するなど、読書活動の充実に大きな成果を上げている。

 また、町教委の「ブックスタート事業」では生後十ヵ月の子をもつ母親を対象に読み聞かせの仕方を紹介するなど、親子のふれ合いを大切に支援する取組は高く評価されている。

▼八雲ばやし「どどん鼓座」(高木一哉代表、会員数五二人)

 長年にわたって、八雲ばやしを中心とした太鼓・笛・獅子舞などを取り入れた郷土芸能を保存・普及する活動や、独自のおはやしの創作を通して、町の文化活動の推進に取り組んでいる。

 特に、八雲町の自然や人間、文化を物語るおはやしの創作や、山車行列をはじめとする各種イベントでの演奏披露、町内各団体への太鼓指導など、地域を愛し地域に根ざした活動は、町民の郷土愛を育むとともに、文化活動の充実・発展に大きな成果を上げている。

 また、幼児から大人まで幅広い年齢層が集まる定例の練習会は、世代を超えた住民相互の絆を育む取組として、さらには地域の活動に貢献する人材を育成する取組としても高く評価されている

(道・道教委 2018-03-05付)

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