北斗市の30年度教育行政執行方針 特別支援学習支援員を増員 2ヵ年で全小中にタブレット導入(市町村 2018-03-13付)
北斗市教委・永田裕教育長
【函館発】北斗市教委の永田裕教育長は、六日開会の第一回市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。社会で生きていく実践的な力を育成するため、三十一年度までに全小・中学校でタブレット端末を導入していく方針を示した。また、特別な支援を要する子どもが増加傾向にあることから、学習支援員の増員を図っていくことを明らかにした。教職員の働き方改革については、ICT機器の導入や学習指導方法の共有、クラブ活動のあるべき姿を検討し、子どもと教職員にとって望ましい在り方を探っていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の推進】
▼社会で生きていく実践的な力の育成
新年度は、新しい教科である道徳、小学校からの英語教育などに対応していくためにも教職員の資質向上を図ることが必要であり、自主的な先進地視察研修の補助金の継続と、地域、家庭と学校が一体となった教育を進めるために、学校を核としたコミュニティ・スクールを推進する補助金を増加していく。
また、新たな時代への対応を図るために、三十年度と三十一年度で全小・中学校にタブレット端末を導入する。
特別な支援を要する子どもたちについては、児童生徒数が減少する中にあっても増加している状況にあることから、指導が十分にできる体制づくりとして、学習支援員の増員を図っていく予定。
また、昨年開校した北斗高等支援学校との連携を密にし、学校教育と福祉、商工との連携によって、一般就労の推進に努める。
教職員の働き方改革については、ICT機器の導入、学習指導方法などの共有、クラブ活動のあるべき姿について検討を行い、子どもたちにとっても、教職員にとっても望ましい姿としていかなければならない。
長期休業中に教職員が休暇を取りやすい体制づくりとして、学校閉庁日の設定についても検討していく。
▼豊かな心と健やかな体の育成
社会が大きく変容していく中で、子どもたちにとっては、今の学校生活を楽しく過ごし、人を思いやる気持ち、ふるさとを思う気持ち、美しいものに感動する気持ち、健康な体づくりが大切。
健やかな体の育成については、学校教育では運動の重要性を正しく伝え、社会体育事業においては大会や教室への参加を進めていかなければならないが、家庭における食生活の改善、運動習慣の定着に向けた取組についても課題として考えていかなければならない。
歯の健康については、フッ化物洗口を継続実施し、虫歯の予防に努めていく。
▼信頼される学校づくりの推進
社会の変容とともに、保護者の価値観や考え方も多様化しており、子どもたちを指導していく上では、学校としての指導方法などについて、十分な説明をして児童生徒、保護者の想いをくみ取り、学校と保護者間における信頼関係を築いていかなければならない。
災害や事故発生時においては、危機管理意識を高くもち、常に最悪の状況を想定しながら、素早い対応をしていかなければならない。地震、津波、火災などに対しての避難訓練や、AED、エピペンなどの正しい使用方法の研修会を実施するとともに、緊急時において正しく冷静な判断をするために、専門的な立場からの研修会の実施に努めていく。
学校施設について、新年度においては、浜分小学校の大規模改修工事を三年計画の二年目として実施予定。また、煙突の断熱材として使われているアスベスト対策として、文部科学省からの指導のもと、成分分析、劣化調査を行うとともに、順次アスベスト除去工事に取り組む。
学校給食共同調理場についても大型調理機器の更新時期を迎え、順次更新していくとともに、給食搬送車についても大型化を図り配送時間短縮に努めていく。
【社会教育の推進】
▼北斗らしい生涯学習社会の実現
社会教育における市の役割として、市民の学習に対する多様な需要を踏まえ、自らが実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成し、学習機会の提供を行うとともに、社会教育が学校教育および家庭教育との密接な関連性を有していることから、学校教育との連携の確保に努め、家庭教育の向上に資することとなるよう、学校、家庭、地域の連携に努めていく。
このような時代であるからこそ、社会教育の重要性を踏まえ、学校、地域と連携した「ほくと学ジュニア検定」「イングリッシュキャンプ」「学習体験ひろば」などの事業を実施している。今後も、さらなる市民のニーズに対応した事業展開に努めていきたいと考えている。
青少年の健全育成については、幼少期における家庭教育が子どもの根幹となる資質に大きな影響を与えることから、家庭教育、幼児教育、学校教育が綿密な連携を図る必要があり、加えて地域の協力のもと、学校に設置してある学校運営協議会との連携による効果的な事業展開を行い、子どもたちの社会性を養うことが重要である。
また、青少年問題協議会で毎年開催している「青少年の主張」では、小学生から高校生までの子どもたちが、まちづくりなどに対して自分の意見を堂々と主張しており、このような意見を自由に述べられる場を増やしていくことについても検討していく。
図書館においては、利用者数、貸し出し冊数がともに減少傾向にあるものの、図書館司書の学校訪問事業などによって、子どもたちの読書の習慣が徐々にではあるが、増加してきているように思う。
今後においても、図書館と学校との連携を深め、各学校の保護者、地域住民による読書ボランティアの拡大に努めていく。
また、新年度からは、新生児へのブックスタートも開始される予定となっていることから、幼少期から本に親しんでいただくために、幼児向けの絵本などの充実にも努めていきたい。
幼児から高齢者まで、気軽にスポーツを楽しむために、体育館の運営管理について、民間の団体である地域総合型スポーツクラブへの指定管理を行い、体育協会の協力をいただきながら市民ニーズに合ったスポーツ教室や大会を実施し、市民の皆さんへスポーツの重要性と楽しさを広めていきたい。
(市町村 2018-03-13付)
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