森町の30年度教育行政執行方針 砂原地区でCS先行導入 1日防災学校など防災教育推進
(市町村 2018-03-13付)

森町増川正志
森町教委・増川正志教育長

 【函館発】森町教委の増川正志教育長は二日、定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。砂原地区で、幼・小・中三校でのコミュニティ・スクール(CS)を先行的に導入。その上で、町全体に順次導入を進めていくとした。駒ヶ岳噴火、地震や津波などの自然災害を想定した防災教育については「一日防災学校」を駒ヶ岳小学校で実施。正しい知識と適切な行動を身に付けさせ、防災教育への啓発を一層促していく。また、子どもたちの町への誇りと愛着を育み、地域を支える次世代の育成を進めるため、史跡や文化財、自然などを生かしたふるさと教育の推進を図っていくと説明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【幼児教育・学校教育】

▼学び続ける力を育む教育の推進

 子どもたちに学び続ける力を育むためには、生きて働く知識・技能、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力、学びに向かう力などを身に付けさせることが求められる。幼稚園、小・中学校を通じて主体的・対話的で深い学びを実現していくための授業改善を、指導主事の学校訪問や道教委、教対協学校教育部と連携して進めていく。

 特別支援教育については、障がいのある子どもと障がいのない子どもがともに学ぶインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、早期からの教育相談や支援体制の整備、研修の充実、多様な教育的ニーズに対応した学びの場や特別支援教育支援員の効果的な配置に努める。

 幼児期の豊かな育ちは、人格形成の基礎を培い生涯の学びの基礎となることから、専門性を高める研修の充実に努めるとともに、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」をもとに、幼児教育と小学校教育の円滑な接続を図り、質の高い幼児教育を提供していく。

 グローバル化が進展する中、子どもたちに森町への誇りと愛着を育み、地域を支える次世代の育成を進めることが必要。そのために、森町の多くの史跡や文化財、豊かな人材や自然・環境を生かしたふるさと教育を推進する。

▼豊かな心と健やかな体の育成

 子どもたちの豊かな心を育むために、生命の尊重や他人を思いやる心、規範意識などを重点とした道徳教育の充実を進めていく。「特別の教科 道徳」が始まることから、教科書を活用するとともに、問題解決的な学習などを取り入れた指導方法の工夫や適切な評価を実施し、子どもの道徳性を一層育んでいく。

 体力は、あらゆる活動の源であり、生涯にわたって心身ともに健やかに生きるための基盤となることから、子どもたちの体力向上に向けて、一校一実践の取組や体育授業の改善を進めていく。また、望ましい生活習慣の定着のために、早寝早起き朝ごはんなどの取組を、各学校やPTA等と協働して進める。

 学校安全については、駒ヶ岳噴火、地震や津波などの自然災害を想定した防災教育を実施し、正しい知識と適切な行動を身に付けさせるよう進めていく。本年度は、「一日防災学校」を駒ヶ岳小学校で実施し、防災教育への啓発を一層促していく。

▼地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進

 学校と家庭、地域や関係機関が一体となってよりよい教育の実現に取り組むためのCSを、砂原地区の幼稚園・小・中学校を一つの協議会として導入し、地域の声を生かした特色ある学校運営を進め、他校区においては順次導入していく。

【社会教育】

▼こころゆたかなまちづくりを目指した社会教育の推進

 図書館については、町民一人ひとりの学習を支援し、潤いのある生活の一助となるよう、蔵書整備と森町の地域資料の収集、新刊書情報の提供に努め、図書館機能の充実を図る。

 また、ブックスタートや絵本の読み聞かせなど、子どもたちの豊かな成長と、読書に親しむための事業を推進するとともに、児童図書の充実を図り、本に親しむ環境整備に努める。

(市町村 2018-03-13付)

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