乙部町の３０年度教育行政執行方針　個に応じた効果的指導を　ＩＣＴ関連で教員研修推進

（市町村 2018-03-23付）

乙部町教委・杉江英樹教育長

　【江差発】乙部町教委の杉江英樹教育長は三月上旬、定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。学校教育では、子ども一人ひとりが主体的な学びを通して、分かる、できるを実感できるよう授業改善を図るため、習熟度別少人数指導や複数の教員が役割を分担しながら授業を行うチーム・ティーチングなど、個に応じた効果的な指導を実施していくと表明。教員のＩＣＴに関する研修と環境整備を推進していく考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

▽確かな学力の育成

　子ども一人ひとりが主体的な学びを通して、分かる、できるを実感できるよう授業改善を図る。各教科の指導に当たっては、習熟度別少人数指導や複数の教員が役割を分担しながら授業を行うチーム・ティーチングなど、個に応じた効果的な指導の充実に取り組んでいく。

　放課後や長期休業中での補充学習の充実を図り、一人ひとりが意欲をもって学習に取り組めるよう支援する。各種学力調査結果の分析から、課題となる観点や領域を明らかにし、学習習慣の確立を通して、基礎学力の定着と活用力の育成を図る。

　三十二年度から実施予定の次期学習指導要領において、小学校三・四年生では外国語活動の導入、五・六年生では外国語が教科化される。小・中学校ともに外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方の育成が重視されることから、本年度もＡＬＴを派遣して外国語によるコミュニケーション能力の基礎を養っていく。

▽豊かな心の育成

　道徳の時間が三十年度から「特別の教科　道徳」となり、教科として位置付けられる。すでに研修会などを通して準備が進められているが、道徳教育推進教師を中心に推進体制を確立し、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる教育課程を編成する。

　各学校においては、学校いじめ防止基本方針のもと、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を徹底し、すべての子どもたちが安心して生活できる環境を整備していく。

　引き続きスクールカウンセラーを配置し効果的な活用を図ることで、学校の教育相談機能の充実を図り、児童生徒の心の成長を側面から支援していく。

▽学校・家庭・地域・関係機関が連携した教育の推進

　学校が保護者や地域から信頼され、期待に応える教育を実現するには、学校、家庭、地域、関係機関などのつながりを大切にした学校づくりが重要。学校では、参観日や学校行事を積極的に公開するとともに、ホームページや学校だよりなどを通して情報の発信に努め、外から見える学校づくりを推進する。

▽特別支援教育の充実

　各学校における取組の交流や研修を通して教員の専門性を高めるとともに、校内支援体制のさらなる充実に努める。特に、支援を要する児童生徒については、特別支援教育支援員の配置によって、一人ひとりの実態に応じた教育支援を継続していく。

　教委、学校ならびに関係機関が一丸となり子どもの状況把握に努めるとともに、教育支援委員会の機能を生かし、就学に関する情報提供や相談のほか、個別の教育支援計画作成に当たっての助言など、就学後も一貫した支援を行っていく。

　特別支援学校や道教委が実施している巡回教育相談および学校訪問事業を活用しながら、関係する福祉・医療機関との連携を深め、継続した特別支援教育の充実に努める。

▽今日的な教育課題に対応する教育の推進

　現在、各学校では、実物投影機などＩＣＴを活用した効果的な教育活動が展開されている。情報技術の進歩に対応した学校教育の充実に向け、教員のＩＣＴに関する研修の推進と環境整備に努めていく。

▼社会教育

　深刻な社会的問題となっている情報端末機器に対する接し方や、子育てに不安や悩みを抱える親の共通理解を図るためにも、各学校や関係部署との連携によって、情報交流を実施していく。

　また、子どもが正しい生活習慣を身に付けるために最も基本的なことである早寝・早起き・朝ごはんの啓発と社会性や人間性を育むために、通学合宿事業など様々な体験活動を関係機関と連携を図りながら継続実施していく。

(市町村 2018-03-23付)