滝川市の30年度教育行政執行方針 自学自習システム導入へ 滝川西高は職業学科を再編
(市町村 2018-03-23付)

滝川市教委山﨑猛
滝川市教委・山﨑猛教育長

 【岩見沢発】滝川市教委の山﨑猛教育長は三月初旬、市議会定例会で教育行政執行方針を説明した。千歳科学技術大学と連携した「英検eラーニング」による自学自習システムを導入し、生徒の英語技能の向上と資格取得を促進する。滝川西高校については、職業学科を新学科「情報マネジメント科」として再編し、学科の特色づくりや指導内容の充実に取り組む考えを示した。

 教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

 児童生徒の学力の実態と課題を把握し、改善策などを計画的に実施するため、学力向上プランを作成するとともに、主体的・対話的で深い学びを実現する授業実践によって、基礎的・基本的な知識や技能の定着と身に付けた知識・技能を活用する能力を育成し、学力向上に取り組む。

 小学校外国語科・外国語活動の先行実施に伴い、外国語指導助手を効率的に活用して児童の国際感覚を磨き、異文化を理解する力を育成する。

 外国語教育にかかわる小中高の学びの連続性を踏まえ、滝川西高生徒を運営スタッフに加え、小・中学生を対象としたイングリッシュ・デイキャンプを実施し、英語によるコミュニケーション意欲・能力の向上を図る。

 英語ルームに準二級レベルの実用英語技能検定問題集を配備して学習の場としての機能を強化するとともに、ALTとの放課後学習を実施するなど、効果的活用を通して、外国語教育の充実に取り組む。

 英語能力判定テスト(英検IBA)の受験料を助成して、生徒が自らの英語力を把握できる機会を提供するとともに、千歳科学技術大と連携した英検eラーニングによる自学自習システムを導入し、生徒の英語技能の向上と資格取得を促進する。

 児童生徒一人ひとりの学習の理解度や興味・関心が高まり、きめ細かな指導と見守りを図るため、市独自で導入している小学三・四年生の少人数学級実践事業を引き続き推進するとともに、小学校高学年における少人数学級拡充に向けた検討を進める。

 小学校高学年や中学一年生を中心とする学習指導や個別の支援を要する児童生徒の学校生活をサポートするため、学びサポーターを配置する。

 児童生徒に生命を大切にする心や倫理観・規範意識を育むため、道徳科授業の効果的な指導の在り方について検証する市独自の道徳教育推進事業を引き続き実施し、研究成果を教職員に発信するとともに、学校と家庭・地域が一体となった双方向型の道徳科授業を推進する。

 東小学校において、道教委の学校力向上に関する総合実践事業に取り組むことを通して、全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進して学び続ける学校のモデルを提示し、実践の成果を市内小・中学校に広げるとともに、業務の効率化や人材育成に取り組む。

 障がいのある子ども一人ひとりのニーズを把握し、適切な指導および支援を行うため、市教育支援委員会議による子どもや保護者に寄り添った教育相談の実施と望ましい就学の場の検討を行うとともに、市長部局の福祉担当と連携して個別の教育支援計画を作成するなど、早期からの一貫した教育相談・支援を行う。

 明苑中学校において、道教委の中一ギャップ問題未然防止事業に取り組むことを通して、校区の小学校との間に中一ギャップ検討委員会を設置し、児童が学習環境や生活環境などの変化にスムーズに適応できるよう、児童生徒の人間関係づくり能力の育成や小・中学校間の連携促進、家庭や関係機関との情報共有など、中一ギャップ問題の解消に取り組む。

 不登校や学校になじめない児童生徒の学校復帰に向けて、適応指導教室において学習の遅れを取り戻す指導や、多様な体験活動を通した社会性・コミュニケーション能力の向上に取り組むとともに、協定を結んでいる赤平市、新十津川町との連携・情報共有を推進する。

 社会に開かれた教育課程の実現を目指し、学校を核とした地域の教育力を高め、地域を生かした多様な教育活動の充実と教師が児童生徒と向き合う時間の拡大を図るため、学校・家庭・地域との連携、協働によるコミュニティ・スクールの導入に向けて、先進的な自治体の実践事例を参考にしながら準備を進める。

 幼児教育と小学校教育の円滑な接続と連携を図るため、市内幼稚園・保育所・小学校連携推進研修会を滝川幼稚園で開催するとともに、小学校入学にかかる引継ぎ会などの情報交換会を開催する。

 小・中学校のパソコン教室すべてのパソコンが更新時期を迎えることから、タブレット型パソコンに更新し、授業の質的向上はもとより、様々な学習場面において効果的な運用に努める。また、ICTなどを活用した教職員の授業力向上のため、教職員向けにタブレット端末の効果的な活用方法を学ぶ研修会を実施し、実践的なスキルの育成に努める。

 滝川西高については職業学科を再編し、新学科・情報マネジメント科として、これからのグローバル化社会に必要とされる高度な専門性とマネジメント能力を備えた将来のビジネスリーダーとして地域社会を担う人材を育成するため、新科目のプログラミングや情報マネジメントによって、学科の特色づくりや指導内容の充実に取り組む。

 普通科においては、進路や適性に応じ、大学入試などに対応した選択科目による学習環境を整え、一人ひとりの生徒の能力を伸長させ、普職併置校としての特性を生かした教育を推進する。

 国際理解教育については、姉妹校であるアメリカ・ロングメドー高校、交流提携校であるスウェーデン・ヴィトフェルスカ高校との短期留学交流の継続や、国際的な視野を広めるためのグローバル講演会を実施し、文部科学省のスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)・アソシエイト校の指定を生かした教育実践を推進する。

 英語教育については、生徒の英語力やコミュニケーション能力の向上を図るため、少人数指導、オール・イングリッシュによる授業、二人の外国語指導助手の活用、英語でのプレゼンテーションなど、英語の四技能(読む・聞く・話す・書く)をバランスよく習得できるような授業を展開する。また、英語科の授業を改善するため、取組状況などを道内の中学校・高校教員などへ情報提供し、公開授業や講演会などのセミナーを開催する。

 高大連携事業については、進学先で何を学ぶのかを明確に意識させるため、國學院大學北海道短期大学部等と連携し、職業論・小論文講義などの大学体験講座、保育実習に向けた乳幼児の発達や保育者の在り方の講義、大学での学びを知るための説明会などを実施する。

(市町村 2018-03-23付)

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