愛別町の30年度教育行政執行方針 ICT機器整備を推進 あいべつ校にデュアルシステム
(市町村 2018-03-22付)

愛別町教委大山一成
愛別町教委・大山一成教育長

 【旭川発】愛別町教委の大山一成教育長は、三月上旬の第一回定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度までにパソコンや実物投影機などを導入したことから、三十年度はブロードバンド回線の整備、小学校はデジタル教科書やタブレット端末、中学校は双方向の一体型プロジェクターの導入など、利用環境の向上と授業用機器の整備を推進し、教育環境の充実を図ることを表明した。このほか、美深高等養護学校あいべつ校に、あいべつ校デュアルシステムを導入する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼児教育の推進

 幼稚園と保育所の特性を生かした幼保一元化の取組を基礎として、特別支援教育支援員を中心に悩みの聞き取りや医療機関への同行など保護者の不安軽減に向けた取組を強化し、子どもたち一人ひとりにふさわしい特色ある保育に努める。さらには、小・中学生やお年寄りとの異年齢交流事業も継続して実施する。

 保育環境充実に向けた人員確保と協働意識の醸成などの取組や、職員の資質と指導力向上のため各種研修会に参加していくとともに、小学校とのなめらかな接続を図る幼小連携研修会、幼小交流事業などを行う。

▼学校教育の推進

 確かな学力の向上を図るため、学校においては教育研究会を核とした授業研究などを通して学校力の向上に努めるとともに、特別支援教育支援員を効果的に活用して個々の習熟度を高め、さらに長期休業中の学習支援やチャレンジテストの実施、学校改善支援プラン推進事業による自主的学習への支援、学習の手引きを活用した家庭学習の習慣化や規則正しい生活習慣づくりなどに取り組む。

 さらに、幼小中が連携した中で目指す子どもの姿を明確にし、学力・体力向上、教員の資質向上、特別支援教育、生徒指導のカテゴリーごとに重点目標を設定した学校間連携プラン、新・愛×愛プランをもとに、学校ごとの特色ある教育活動や小・中・高が連携したボランティア活動などを継続するとともに、英語・体育・音楽などの連携授業や、あいべつ校とも連携した特別支援教育の充実を図りながら、学校間の円滑な接続と連携を推進する。

 ICT教育については、ブロードバンド回線の整備と併せて、小学校にはデジタル教科書やタブレット端末、中学校には双方向の一体型プロジェクターの導入など、利用環境の向上と授業用機器を整備していく。

 国際理解教育について、新たに三十年度から新学習指導要領の移行期間を迎える小学校においては、教員の英語力アップに向けた研修への参加はもとより、英語指導助手による発音や基本的表現にふれながら、コミュニケーション能力の素地が培えるよう、小学生への外国語指導も引き続き実施する。

 特別支援教育については、児童生徒個々の状況に応じた適切な教育支援を行うため、特別支援教育支援員を幼児センターに二人、小学校に三人、中学校に二人を配置し、教育環境や指導体制の充実を図る。

 いじめについては、児童生徒とのかかわりを大切にした生徒指導に努めていくとともに、中学校におけるいじめ撲滅に向けた生徒会活動への支援や心と命の授業を中学校で実施する。

 学校、家庭、地域の相互連携を促し、地域ぐるみで子どもを育てるという観点に立ち、地域の方々が学校運営に参画・応援する仕組みを本年度中に整備し、地域とともにある開かれた学校づくりを目指す。

 美深高等養護あいべつ校については、学校と企業の双方で就労に必要な学習を同時進行させるあいべつ校デュアルシステムを導入し、一・二年生は週に一度、町内外において企業内作業学習に取り組むほか、食堂サービスや青空市などを実施する。

 町民との交流も続けられており、それらの学習活動や啓発活動、各種文化・体育活動、学校行事や職場実習にかかる経費について支援し、社会自立を目指す生徒一人ひとりを力強くバックアップする。

(市町村 2018-03-22付)

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