専門性向上目指し議論 発達障がいに関する報告会―文科省委託事業で美瑛町教委
(市町村 2018-03-22付)

美瑛町教委文科省事業報告会
参加者は特別支援教育の視点を踏まえた研究発表に耳を傾けた

 【旭川発】美瑛町教委は二月下旬、町民センターで「特別支援教育の視点を踏まえた学校経営構築研究開発事業」の全体報告会を開いた。文部科学省委託の発達障がいに関する教職員等の理解啓発・専門性向上事業の一環として行ったもの。町内の小・中学校や関係機関などから六十八人が参加。町教委や指定校の各担当者が取り組んできた実践などについて報告した。

 町は二十九年度に同事業の指定を受け、①特別支援教育の視点を踏まえた校内体制の整備②校内体制の充実のための保護者の理解向上―の二点を目標に研究を進めてきた。

 ①については、児童生徒一人ひとりの適応行動分析学(ABA)を用いた問題行動の分析と解決方法について、全教職員が理解を深めることや、保健、医療、福祉、教育などの関係機関による連携した支援ができるようにするため、町子育てファイル『すとりーむ』の活用機会を増やすことなどについて研究を推進。

 ②については、町PTA連合会などへの情報発信に努めるとともに、町や相談機関などと教育に関するパンフレット作成に取り組んできた。

 会の冒頭、千葉茂美教育長があいさつ。「本日の成果をもち帰って、それぞれの学校で広げていただき、特に義務教育の教育課程を見通していただきたい」と協力を呼びかけた。

 続いて、町教委の目良久美管理課長補佐(特別支援教育担当)が、町教委の取組として全四回実施した運営協議会や報告会、教職員を対象とした研修会、視察研修などについて紹介。成果として「パンフレットを作成・配布し、支援の場や相談機関などに周知することで、必要なときに必要な支援につなげることができるようになった」などと述べた。

 指定校も発表を行い、美瑛東小学校の古藤紀之校長や井上穂津美コーディネーター、前田千春教諭が報告。ユニバーサルデザイン教育についてUDモデルをもとにした指導法の工夫を図り、発達障がいの有無にかかわらず、すべての子どもを対象に、焦点化、視覚化、共有化と分類して指導を実践してきたことを紹介した。

 このあと、美馬牛小学校の温泉敏校長と美馬牛中学校の中村健吾コーディネーターが小中連携に関する取組を報告したほか、質疑応答などを行った。

(市町村 2018-03-22付)

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