別海町の30年度教育行政執行方針 別海子ども未来議会を開催 全学校区でCS調査研究
(市町村 2018-03-22付)

別海町教委伊藤多加志
別海町教委・伊藤多加志教育長

 【根室発】別海町教委の伊藤多加志教育長は、八日の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。すべての学校区八区で別海型コミュニティ・スクールについての調査研究を進め、地域の特色を生かした魅力ある教育を進めるほか、町政への参画を図る仮称・別海子ども未来議会の実施に向けて取り組む考えを明らかにした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼生涯学習の振興

 生涯学習の拠点であり、人づくり・まちづくりの中核となる仮称・生涯学習センターについては、完成後の施設の運用や事業の具体化について検討を進める。

 地域の子どもは地域で育てるという意識のもと、地域住民が学校運営や必要な支援を協議する学校運営協議会を設置する制度であるコミュニティ・スクールの導入を町内すべての学校区で推進する。

 導入に向けて二年間の試行期間を設けているが、その中で、上春別学校区では二年間の試行期間を終えて三十年度から、地域ぐるみ、地域の力で、地域の特色を生かした魅力ある保育・教育を推進する別海型コミュニティ・スクールを本格導入する。

 二十九年度から野付、中西別、上西春別地区が試行地区となり、三十年度から新たに上風連、中央、中春別、西春別学校区を試行地区とし、すべての学校区八区で別海型コミュニティ・スクールについての調査研究を進める。

 また、これからの地域づくりを担う若者の健全育成において、地域に根ざした高校教育の継続を目指し、別海高校の入学者や保護者を支援するために、三十年度から新たに寄宿施設へ支援を実施するとともに、部活動支援、バス通学の全額補助、農業特別専攻科・酪農経営科の海外視察研修助成などの各種支援を継続することで、普通科三間口の確保および酪農経営科生徒の増員を図り、魅力ある学校づくりを支える。

 選挙権年齢が十八歳に引き下げられたことを踏まえ、将来の社会の形成者としての資質を高めるため、子どもたち自身が自分の住む地域や自治体について興味や関心をもち、町政への参画の第一歩となる機会として、仮称・別海子ども未来議会の実施に向けて取組を進める。

▼学校教育の充実

 本町の独自事業であり、二十九年度から二期目に入った生き抜く力向上策定プロジェクト事業において、町学校教育総合実践ビジョンに基づく生き抜く力の学びの土台となる力を伸長するために、魅力ある学校図書館づくり、多読の取組などの読書活動の推進や、教育に新聞を活用するNIE活動を積極的に進める。

 生き抜く力向上策定プロジェクト事業の一環である三十年度の町子ども会議で、各校の児童生徒自身が推薦する本を紹介し、それをお互いに競い合うビブリオバトルを実施し、町の子どもたちが選んだ本五十選をポスターにし、子どもたちの読書活動を推進する。

 三十年度も、四回目となる孫わ(は)やさしいレシピコンテストに取り組み、食事の仕方や内容について子どもたちが主体となって話し合う機会や場を設け、地産地消の視点も加えた食育指導の充実を一層図る。

 さらに、毎年、国で実施している新体力テストの結果データを活用するとともに、全校縄跳びや町内の各地域の特色を生かしたスポーツを推奨し、基礎体力の向上を推進する。

 教師力の向上については、三十年度も「別海の子どもは、私たちが育てる」を合言葉に、教育先進地である秋田県横手市の視察研修を生かした授業や、学校教育の基準となる学習指導要領の次期改訂で柱となる主体的・対話的で深い学びに代表されるアクティブ・ラーニングを視野に入れた言語活動の充実など、研修内容を工夫しながら別海型の授業スタイルを構築し、全教員が授業改善に取り組む。

 生徒指導の充実については、子ども理解支援ツールほっと2017やQ―Uなどを活用し、子どもの心理面を把握する調査を行うなど、よりよい人間関係づくりが実現できるよう指導する。

 特別支援教育の推進については、教育支援委員会で策定した町サポート計画表を効果的に活用するとともに、合理的配慮や発達検査の理解などの研修を通して、子ども一人ひとりに応じた必要な支援、適切な指導が保障される教育環境の充実を図る。

 施設の整備については、完了年度となる上西春別中学校の校舎改築のほか、安全安心な給食を提供する学校給食センターの三十二年度の運用開始に向けた工事に着手する。

(市町村 2018-03-22付)

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