新得町の30年度教育行政執行方針 外国語に親しむ事業展開 CS31年度導入へ検討推進(市町村 2018-03-22付)
新得町教委・武田芳秋教育長
【帯広発】新得町教委の武田芳秋教育長は三月上旬、第一回定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。昨年度に引き続き、全小学校で土曜授業を実施するほか、学習指導要領の改訂を踏まえ、新たに外国語に慣れ親しむ事業やICT機器を活用した授業の工夫改善を進めていく方針を表明。また、コミュニティ・スクールについては、全町教育活動を踏まえながら三十一年度の導入に向け、具体的に検討を進めていく考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
◇
▼学校教育
▽確かな学力、体力・運動能力の向上
新年度においても、地域で体験活動に取り組んでいる富村牛小学校を含め、全小学校で土曜授業を実施し、土曜日に豊かな教育環境を提供するとともに、地域の幅広い世代の人とかかわるほか、体験活動などによって学習への意欲・関心を高める取組を進めていく。
また、各学校においては、学ぶ意欲の向上につながる授業の改善や学習環境の整備に努めるとともに、家庭学習の習慣化や生活習慣の定着に向け、学校と家庭が連携を図り、学力の向上を目指していく。
体力・運動能力の向上に関しては、各学校において、運動やスポーツの楽しさを味わい、達成感が得られるよう体育授業の充実を図るとともに、スポーツ少年団やスポーツ競技会などの社会教育活動を通じて運動の楽しさや喜びを実感させ、積極的に運動に取り組む意欲や態度の育成に努めていく。
▽学習指導要領の改訂を踏まえた特色のある教育と指導体制
学校における教育活動に加え、新たに外国語に慣れ親しむ事業に取り組んでいくほか、情報活用能力を育成するため、タブレットなどのICT機器を活用した授業の工夫改善を進めていく。
学習指導の体制については、少人数学級の実現や複式授業の効率的な運営などに対応するため、新年度においても町費負担教員を配置し、それぞれの目的に応じたきめ細かな学習指導の充実を図っていく。
▽地域とともにある学校づくり
地域ぐるみで子どもたちを守り育てる仕組みとしてコミュニティ・スクール制度があり、同じ理念である全町教育活動も踏まえながら、三十一年度の導入に向け、具体的に検討を進めていく。
また、小中一貫教育についても、教育を取り巻く情勢変化に対応していく新たな形として、引き続き調査・研究を進め、その必要性や効果、児童生徒に与える影響など、新得・屈足・富村牛それぞれの地域事情も踏まえながら前向きに検討していく。
▽特別支援教育の充実
特別支援教育については、支援を要する子どもたちへの適切な指導を行っていくため、幼・保・小・中・高・高等支援学校と発達支援センターとの連携によって、幼児から高校卒業まで、個々に応じた一貫した指導や支援が行われるよう、個別の支援計画を作成し、保護者や関係機関と連携・協力を図っていく。
▽安全・安心の確保
児童生徒の安全・安心の確保は、日常の生活において、自ら危険を回避し、身を守ることができる必要があり、そのための防災対応の知識や危機対応能力の育成を図っていく。
また、子どもたちの通学時の安全確保のため、子ども110番の家の設置や登下校の見守りなど地域ぐるみの安心安全対策に取り組んでいく。
さらに、情報教育を通じて、有害情報から子どもたちを守る取組を引き続き推進していく。
▽いじめ、不登校などの生徒指導の充実
いじめや体罰は、児童生徒の心を大きく傷つけ、不登校や自殺などの引き金になる可能性もあることから、その理由を問わず絶対に許されないという強い認識のもと、関係者の情報共有や保護者の理解・協力を得ながら、未然防止に努めるとともに、事例が生じた場合は早期発見・早期解決に取り組むほか、教育相談の充実を図っていく。
不登校については、様々な要因が考えられることから、関係機関が連携しながら児童生徒の状況に合った対応を行い、不登校の解消につながるよう支援していく。
▽新得高校と新得高等支援学校への支援
創立七十周年を迎える新得高校については、三十年度末で輝かしい歴史に幕を閉じることになるが、第三学年の生徒が最後まで充実した高校生活を送られるよう、これまでと同様に支援するほか、閉校記念事業への支援も行っていく。
道立新得高等支援学校については、新年度においても、通学バスの確保をはじめ、実習先や足の確保、協力会への支援、道教委との委託契約によって給食の提供などを引き続き行っていく。
▽町立高校の設置検討
高校の設置は、学びの場を置くことに限らず、若い世代の流入と町内経済への効果、将来の産業の担い手の確保、人口対策など様々な可能性があり、町の地域振興につながるものと考えられるので、引き続き町民と協議を行い、合意形成が図られるよう努力していく。
▼社会教育
社会教育関係団体や関係機関などと連携し、子どもたちが幅広い世代の人とふれ合える機会を積極的に設けるとともに、町民大学の各種講座を通して体験活動の機会を提供していく。
ふるさとに対する誇りと郷土愛を育む手段の一つとして、関係団体などと連携を図りながら、町の歴史や文化、文化財などの整備に努めるとともに、それらを町民に理解してもらうため、学習機会の提供や情報発信を行っていく。
(市町村 2018-03-22付)
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