札幌市子ども未来局　若者の社会的自立促進事業を新たに実施　地域発で教育格差解消へ　学力習得目指し支援・相談

（市町村 2018-03-28付）

　札幌市子ども未来局は三十年度、若者の社会的自立促進事業を新たに実施する。高校中退者などを対象に、高校卒業程度の学力習得を目指す学習支援・相談を行うもの。現在、文部科学省の学びを通じたステップアップ支援促進事業に応募しており、採択されれば五月以降、学習支援を行う委託企業などについて準備を進める見通しだ。

　市は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることなく、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、生活・教育・就労などに関する総合的な支援策を推進している。今月中には子どもの貧困対策計画を策定する予定となっている。

　事業は、計画の中に新規事業として盛り込まれているもの。高校中退者などを対象に、高校卒業程度認定試験の合格を目指すための学習支援および学習相談を行うこととしている。

　学習相談では就労に関する相談も受け付ける。学力格差を解消し、高校中退者をはじめとした若者の進学・就労につなげることが目的。

　同局では事業の実施に向けて、文科省が公募していた地域の教育資源を活用した教育格差解消プランの学びを通じたステップアップ支援促進事業に応募。プランでは、地域の多様な教育資源を効果的に活用し、経済的・社会的困難を抱える親子の状況などに応じたきめ細かなアプローチを行う多様で特色ある取組モデルの構築などを目指す。

　また、地域発の教育格差解消の取組を全国に普及することによって、困難を抱える親と子がともに学び・育つことを応援し、家庭環境にかかわらずすべての人が活躍できる一億総活躍社会の実現の促進を図ることとしている。

　市の施策が採択されれば、学習支援を委託する企業や、実施場所などの検討を始めることとしている。採択結果の通知は五月中の予定となっている。

(市町村 2018-03-28付)