中頓別町30年度教育行政執行方針 ハワイ英語研修を検討 中学校で前・後期の二期制導入
(市町村 2018-03-28付)

中頓別町田辺彰宏
中頓別町教委・田辺彰宏教育長

 【稚内発】中頓別町教委の田辺彰宏教育長は、三月中旬の第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。新学習指導要領の移行期間中の措置として、週時数を一コマ多くする週を設定するなどして外国語活動の時間を確保していくことを説明。また、中学校における二学制の導入や、中学校二・三年生を対象とした中学生ハワイ英語研修などの三十年度実施に向けて検討していく考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼社会で生きる実践的な力の育成

 小学校や中学校においては、全国学力・学習状況調査やチャレンジテストを活用しながら、学力や学習状況の把握・分析、指導方法の改善を検証改善サイクルとして確立し、学校全体で組織的な取組を継続することを指導助言していく。

 二十八年度から実施した土曜日授業は二年が経過し、小・中学校ともに定着したと認識している。三十年度は小学校で五回、中学校で八回実施する。

 三十年度から小学校三・四年生は、新たに年間十五単位時間の外国語活動の授業を実施する。また、五・六年生は現在三十五単位時間の外国語活動の授業を実施しているが、新たに年間十五単位時間を増やして外国語科の内容の一部を加えて取り扱うことになる。このため、小学校は学校行事などの練習や準備に充てていた時間を精選して、外国語活動の授業時間とするとともに、週時数を一コマ多く実施する週を設定して、年間十五単位時間を確保する時間割を編成する。

 特別支援教育については、共生社会の形成に向けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもがともに学ぶインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、小・中学校において特別の支援を必要とする子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導の充実と支援に努める。

 小学校は、現在の人数では三年生と四年生で複式学級となる。三十年度も町費負担の複式学級担当教諭を配置して、単学年による授業の実施に努めていく。

 認定こども園においてALTによる英語教育を実施しており、認定こども園から中学校三年生までの十年間の英語の学びの集大成となる取組(仮称・未来への挑戦中学生ハワイ英語研修)を模索してきた。三十年度の中学二年生と三年生の希望者を対象とした取組を夏休み期間中に実施することを検討する。渡航費や宿泊などにかかる経費を三十年度予算に計上し、中学生や引率者を含めて最大で三十人程度を派遣する事業を検討している。

 また、漢字検定や英語検定の検定料を全額補助する取組も実施する。

 認定こども園では、三十年度から外部人材を園長として採用し、認定こども園の幼児教育の質の向上に向けた取組を検討している。園長は、放課後子どもプランにも指導的な役割を担ってもらう。高学年の子どもたちを対象とした学習塾の実施についても、塾長として力量を発揮することを期待している。講師の確保や具体的な内容、時間や場所など、適切な対応を検討していく。

 小学校と中学校の校舎や学校の在り方について。小学校は平成二年に建設され大規模改修が必要。中学校は昭和四十三年に建設され老朽化が進んでいる。小・中学校ともに校舎の維持管理には大きな手立てが必要であり、喫緊の課題。教育委員会として、町の義務教育のビジョンを明確にする必要がある。

 ビジョンは三つある。一つ目は、現在の小学校、中学校ともに現在の場所で改修等を行い現状の体制を継続するビジョン。二つ目は、現在の小学校校舎を核に大規模改修して中学校と共用する教室などを改修するとともに、中学校教育に必要な教室などを増設して、小学校校舎と中学校校舎をつないだ施設一体型の小中併置校(校長は二人)として、小中一貫教育を実施するビジョン。三つ目は、中学校の敷地に二つ目と同様の施設一体型の校舎を新築するビジョン。

 将来的には義務教育学校(校長は一人)を描いているが、小学校と中学校では、教育内容や指導方法に相違があることから、施設一体型の小中併置校で小中一貫教育を実施したいと考えている。問題点や課題点を整理して方向性を示す。施設一体型の小中一貫教育に向けた協議を教育委員会議や総合教育会議、住民説明会などで行い、三十年度内に最終的な方向を示したいと考えている。

 現在、小・中学校は三学期制を実施している。三十年度から中学校は、年度を前期と後期とする二学制(二期制)を実施する。通知せんの回数が二回となるが、現在より、長いスパンで生徒の学習などの評価を行うことになる。

▼信頼される学校づくりの推進

 二十九年度スタートした学校運営協議会(コミュニティ・スクール)について、三十年度の途中からになるが、認定こども園も学校運営協議会制度を導入する。三十一年度は、認定こども園、小学校、中学校相互の情報交換や連携の観点から、合同で学校運営協議会を実施することも検討していく。

(市町村 2018-03-28付)

その他の記事( 市町村)

砂川市30年度教育行政執行方針 小中適正配置の検討着手 北光小地区に放課後学校開設

砂川市高橋豊  【岩見沢発】砂川市教委の髙橋豊教育長は、三月上旬の市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。市内全小・中学校の統合を含めた適正配置の検討に着手する方針を表明。また、新たに北光小学校...

(2018-03-29)  全て読む

美深町教委の30年度教育行政執行方針 仁宇布小中校舎を建て替え 山村留学継続やALT体制充実も

美深町石田政充  【旭川発】美深町教委の石田政充教育長は、三月上旬の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。仁宇布小中学校の山村留学を継続するとともに、老朽化した校舎の建て替えに着手して教育...

(2018-03-29)  全て読む

幌加内町の30年度教育行政執行方針 4月からCSを導入 全小中合同で運営協議会

幌加内町児玉博  【旭川発】幌加内町教委の児玉博教育長は、三月上旬の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。四月からコミュニティ・スクールを導入し、すべての小・中学校を対象とした学校運営協議...

(2018-03-29)  全て読む

共和町の30年度教育行政執行方針 北辰小で複式学級解消へ 第5次社会教育中期計画を策定

共和町小林英樹  【倶知安発】共和町教委の小林英樹教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。北辰小学校の複式学級解消を目的とした期限付教員配置や英語教育の充実に向けたALT...

(2018-03-29)  全て読む

札幌市教委の30年度教育方針概要(下)

◆教職員の服務等 ▼服務規律―檜田教職員担当部長  昨年度は酒気帯び運転やわいせつ行為など、度重なる不祥事が発生した。  本年度、懲戒処分件数は免職を含む三件であり、昨年より少なくなっ...

(2018-03-28)  全て読む

札幌市子ども未来局 若者の社会的自立促進事業を新たに実施 地域発で教育格差解消へ 学力習得目指し支援・相談

 札幌市子ども未来局は三十年度、若者の社会的自立促進事業を新たに実施する。高校中退者などを対象に、高校卒業程度の学力習得を目指す学習支援・相談を行うもの。現在、文部科学省の学びを通じたステッ...

(2018-03-28)  全て読む

小平町の30年度教育行政執行方針 ICT機器を計画的に整備 農業・漁業など体験学習支援

 【留萌発】小平町教委の仙石景章教育長職務代理者は、三月上旬の第一回町議会定例会で教育行政執行方針を説明した。新学習指導要領においてICT環境設備の必要性が明記されたことを受け、機器の計画的...

(2018-03-28)  全て読む

芦別市30年度教育行政執行方針 CS31年度導入へ準備 小中一貫教育の実現目指す

芦別市福島修史  【岩見沢発】芦別市教委の福島修史教育長は三月上旬、市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。三十一年度からのコミュニティ・スクールの導入に向けて準備を進めていくことを表明。小中連携...

(2018-03-28)  全て読む

占冠村30年度教育行政執行方針 小中連携教育を発展 CS体制の整備さらに促進

占冠村藤本武  【旭川発】占冠村教委の藤本武教育長は、三月上旬の第一回村議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。占冠中央小学校と占冠中学校による小中連携教育を発展させていくとともに、村内の全学校に...

(2018-03-28)  全て読む

江差町30年度教育行政執行方針 江差中校区でもCS導入 江差北中校区の小中連携強化

江差町太田誠  【函館発】江差町教委の太田誠教育長は、三月上旬の定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。江差北中学校区で小中連携を強化し、学校運営協議会の活動充実・発展を目指していくことを表明。江...

(2018-03-27)  全て読む