幌加内町の30年度教育行政執行方針 4月からCSを導入 全小中合同で運営協議会(市町村 2018-03-29付)
幌加内町教委・児玉博教育長
【旭川発】幌加内町教委の児玉博教育長は、三月上旬の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。四月からコミュニティ・スクールを導入し、すべての小・中学校を対象とした学校運営協議会を合同で設置。様々な課題解決に向けて、学校や家庭、地域と連携して子どもたちの義務教育九年間を見通して、よりよい教育の実現に向けて取り組む方針を示した。教育行政大綱のもと、教育の一層の振興と充実に向けて最善を尽くしていくことを表明した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
◇
▼学校教育
二十八年二月に五年間の中期的な計画として学校教育推進計画を策定。計画では、目指す子どもの姿を「ふるさとに誇りをもち、人々と支え合い、たくましく生きる、幌加内の子」とし、確かな学力の育成、豊かな心の育成、健やかな体の育成を推進の重点としており、各学校において具現化が図られるよう、きめ細やかな施策の展開を推進するとともに、地域との積極的な連携を図り、信頼性を高め、開かれた学校づくりの推進に努める。
小・中学校義務教育については、昨年から外国語教育の充実を図るため、町立学校の英語指導助手の配置日数を拡大しているが、今後も教材の整備など教育環境の充実を図る。
また、こうした学校教育の充実はもとより、確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成やふるさとへの愛着を育む教育の推進を図るためには、家庭・地域・学校が連携する取組を一層進めていくことが重要と考えている。
本年四月から地域とともにある学校づくりを目指し、学校からの情報発信を図っていくとともに、家庭・地域・学校が一体となって町の子どもたちを育むことを目的としたコミュニティ・スクールを導入する。
すべての小・中学校を対象とした学校運営協議会を合同で設置し、学校間の連携や地域とのかかわりなどの課題について、保護者や地域住民と子どもたちの義務教育九年について話し合う場とし、意見や要望を学校運営に反映させ、よりよい教育の実現に向けて取り組む。
幌加内高校については、上川管内編入を契機に、旭川市ならびに近隣市町村や北空知管内を中心に各中学校訪問や、一日体験入学の実施、個別での対応を含めた学校見学会など生徒募集の強化に努めてきた。
一昨年から、音威子府村、下川町、剣淵町、本町の上川北部四町村の高校が連携し、札幌市近郊の中学校や保護者を対象として、札幌駅前地下広場において学校紹介展示や学校説明会を実施している。
また、本町の特産でもあるそばを活用した設置科目のそば授業や、生産から販売までの六次産業化への取組を実践した幌高商店会、インターネットでの商品販売、昨年から生徒一人一台タブレットパソコンを貸与して行う授業など、特色を生かした学校運営の要因もあり、多くの中学校から支持をいただいているところ。
近年の生徒個々における様々な問題に対応するため、学校や日常生活における問題に直面する苦しみや悩みを、生徒が取り巻く社会環境を視点として支援する社会福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを二人配置し、また、従前からの臨床心理士によるスクールカウンセリングによる心のケアと合わせ、総合的な対策を図っている。
教委としても、将来を担う子どもたちの多様なニーズをとらえ、各関係機関・地域とも連携を図り、小規模校ならではのきめ細やかな指導や、ICT教育による個々の学力に合わせた学習など、農業を通じて、時代のニーズに合った実践的な教育を通して人間形成の拠点となっていく学校経営のため、学習指導や生徒指導の分析、また、町外からの生徒を受け入れている渓雪寮での生活においても、環境整備を行い、魅力ある高校の充実に努める。
学校給食事業については、食中毒や異物混入を未然に防止するため、共同調理場の衛生管理を徹底し、食物アレルギーを有する児童生徒には代替食を提供し、安全で安心な学校給食に努め、近年、野菜等の価格高騰の影響はあるが、三十年度においても給食費を据え置き、地元産米を使用した米飯給食を週四回実施し、地元産米の採用に努め、給食米の購入に対する助成措置を引き続き実施する。
▼社会教育
図書室においては、新生児に絵本をプレゼントするブックスタート事業や町内各地区へ定期的な図書の提供を行う巡回図書など、身近に本とふれ合える機会の増大に向けて引き続き取り組む。
保健体育について、本町の多雪を生かした冬期間のスポーツであるスキーの楽しさを、町民に知ってもらうことを目的に、町スキー連盟指導員会の協力によって実施している幼児・児童・一般向けのスキー教室、児童生徒を対象に実施している土曜日・日曜日・祝日のリフト券の助成やシーズン券の助成は大変好評を得ており、三十年度においても引き続き実施する。
(市町村 2018-03-29付)
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