札幌市立高・特校長会進路探究セミナー(関係団体 2018-05-15付)
曽田氏は、夢に向かって行動する大切さを強調した
札幌市立高校・特別支援学校長会(林恵子会長)と札幌市教委は十・十一日、市内のわくわくホリデーホールで三十年度進路探究セミナーを開いた。二日間で、全市立高校の一年生と市立札幌開成中等教育学校の四年生合わせて二千二百八十八人が参加。道教育大学岩見沢校芸術・スポーツ文化学講師の曽田雄志氏の「私の夢、生き方の理想」と題した講演のほか、同じテーマで代表生徒によるパネルディスカッションを行い、今後の高校生活や将来について考えを深めた。
市教委では、教育振興基本計画に基づき、将来の生き方や進路について考える進路探究学習を推進。その一環として、毎年、市立高校の新一年生を対象とした進路探究セミナーを開催している。
本年度は、十日と十一日に分けて行われ、二日間で二千二百八十八人の生徒が参加した。
このうち、十日の開会式であいさつに立った林会長は、セミナーを通して「未来の社会を自分たちの手でどのようにつくっていくのか、そこにつながる学校生活をどのように過ごすのか、そんなことを考えるきっかけにしてもらいたい」と述べた。
来賓あいさつでは、市教委の長谷川雅英教育次長が登壇。「自分の夢、将来の自分の姿を描きながら、高校生活の中で人との出会いや、本物にふれる経験を重ねて」と呼びかけた。
続いて、曽田氏が「私の夢、生き方の理想」と題して講演。自身の夢について、幼いころから運動、特にサッカーが好きだったため、中学生のころにはJリーグの選手になることを夢見ていたことを紹介。しかし、高校時代には、部活動が強豪でなかったため、夢をあきらめかけていたことを伝えた。
高校三年生のとき、進路を選択する際に「気になることに対して正直になろう」と考え「サッカーが強い人と一緒にやってみたい」との思いをもって、サッカー強豪校の大学に進学したことを説明した。
その後、サッカーに没頭し、大学を代表する選手の一人になったことを紹介。様々なプロサッカーチームからスカウトを受け、Jリーグ選手になりたいという夢が、目標に変わったことを伝えた。
曽田氏は、夢について「好き」などポジティブな感情から生まれる自由なものということを強調した。その上で、夢が目標になると具体性が増し、現状を分析し弱点などを克服していく必要性が生まれることを指摘。「夢をかなえたければ、どう目標に変えるかということが重要」と述べた。
夢の実現に向けて、①好きなことに自信をもつ②好きなことに没頭する③気になることは後回しにしない―の三点を求めた。夢を実現する難しさにふれ「かなえることが目的ではなく、かなえるためチャレンジするのが大事」と話した。
生き方については、意識していることとして「正直に生きる」「自分にできることは何でもやる」「失敗を恐れずチャレンジする」の三点を挙げた。この考えのもと、様々な仕事に挑戦したことで精神的に強くなり、信頼を得たことを説明。東日本大震災での活動なども紹介し「自分の変化や成長、人から必要とされる喜びが幸せや生きている実感を生んでくれる」と語った。
◆自分しっかりもち目標実現 代表生徒がパネル討論
「私の夢・生き方の理想」をテーマとしたパネルディスカッションでは、代表生徒四人が将来の夢やその実現に向けた取組を発表。各校の参加者やパネリストとも意見を交流した。
パネルディスカッションでは、コーディネーターとして、㈱エフエム北海道アナウンサーの森本優さん、パネリストとして講師の曽田氏、市立札幌旭丘高校の三瓶栞奈さん、市立札幌新川高校の平賀綾乃さん、市立札幌藻岩高校の埜瀨菜々美さん、市立札幌開成中等教育学校の安永響君らが登壇。
三瓶さんは、看護師になる夢をかなえるため、自発的・意欲的に高校生活を送っていくことを誓ったほか「自分をしっかりもっている人になりたい」と話した。
「国際援助の仕事に看護師としてかかわっていきたい」と語った平賀さんは、普段から国際情勢などに注目し「自分だったらどうするか」という視点で考えていることを紹介した。
埜瀬さんは「夢の一つは外国語を学び外国に住むこと」と話し、特にロシアに興味があることを紹介。もう一つの夢は「民俗学を学ぶこと」と述べ「自分が知らない文化など、実際にフィールドワークを行い調べたりできることがよいと思う」と話した。
生物に関する研究者または調査員になりたいという安永君は「深海生物に興味があり、いつか未知の生物や生態系を解き明かしてみたい」と笑顔で話を。夢実現のため、生物分類技能検定を受検したことや、興味がある企業の仕事を体験した際に水族館で業務を行ったことを紹介した。
意見交換の場面では、曽田氏が生徒が夢を明確に描いていることを評価しつつ、新しいことに興味が芽生えたときには柔軟に楽しむことを勧めた。
また、発表を聞いた生徒は「いろいろなことに目を向けたり、アンテナを張ったりしていくべきだと思った」「社会のニーズをみつけ出し、自分の夢を語るのが素敵だなと感じた」などと話していた。
(関係団体 2018-05-15付)
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