道高校水産教育研究会が研究大会 創造的な海洋教育探究 新時代の水産業支える人材を(関係団体 2018-06-11付)
研究発表を通して地域産業と連携した教育について理解を深めた
【釧路発】道高校水産教育研究会(会長・木村司小樽水産高校長)は五日、厚岸翔洋高校で三十年度道高校水産教育研究大会を開いた。小樽水産、函館水産、厚岸翔洋の三校から教職員ら約三十人が参加。分科会や学科別協議を通して、地域産業界との連携、魅力ある教育内容など創造的な水産・海洋教育について理解を深めた。
研究会は、研究主題「新しい時代をリードする、創造的な水産・海洋教育はどのようにあればよいか」のもと、職業人に求められる専門的な知識・技能が拡大・高度化していることを踏まえ、自ら学び、地域社会の中で自らキャリア形成を行うことのできる専門職業人を育成する教育の在り方、未来を見据えた創造的な水産・海洋教育の在り方について柔軟な視点で研究してきた。
開会に当たり、木村会長があいさつ。新たな水産基本計画において、水産高校などで六ヵ月間の乗船実習を含むコースを履修することで、卒業時に海技士の資格が得られる新たな仕組みが示されたこと、道内でも実習船・新若竹丸が竣工したことなどにふれ「水産・海洋関連産業の発展に向けて有意義な人材を輩出するため、私たちの財産である海・船・水産物を最大限に有効利用した教育活動が展開できるよう自らの研鑚を深め、資質向上に努めたい」と大会の成果を各校の教育活動の充実に生かすよう呼びかけた。
続いて来賓あいさつに立った釧路教育局の鈴木淳局長は「技術革新やグローバル化の進展など社会の大きな変換に伴い、次代を担う生徒には、社会の変化に主体的に向き合いながら自らの可能性を発揮して、未来を切り拓く力が求められている」と強調。「職業人として求められる倫理観、豊かな人間性を育み、新たな時代の水産業や関連産業を支える人材を育てていただきたい」と期待を寄せた。
研究協議に移り、第一分科会は「各校の特色を生かし、水産・海洋教育を活性化させる地域産業界との連携はいかにあるべきか」、第二分科会は「地域の水産業発展に貢献する人材を育成するため、実践的な水産・海洋教育はいかにあるべきか」をテーマに研究発表。
このうち、第一分科会で「本校栽培漁業科古平実習におけるフィールド型教育の改善・充実」をテーマに発表した小樽水産高の藤本崇人教諭は、古平栽培漁業実習場における地域・産業界と連携した取組を報告。東しゃこたん漁協の要請のもと、漁業被害が疑われるヒトデ類を二・三年生のダイビング実習で駆除したことを紹介し、今後、「駆除による効果の測定、安全管理、駆除したヒトデ類の有効活用を模索していく」ことを示した。
さらに、日本海さけます増殖事業協会、東しゃこたん漁協の協力で人工授精によるウニ、ヒラメ、サケの放流を行ったこと、サケは小学生にも放流体験をしてもらったこと、余市サケマスふ化場、水産博物館、中央水産試験場を見学したことなども紹介。
その上で、フィールド型教育について「生徒の実習に対する興味・関心を引き出すには効果的。地域社会と連携することで学習する意味や社会からのニーズを肌で感じることができ、キャリア教育の効果もある」「その強みを近隣小・中学校へ伝えることで、将来の選択肢として水産高校をとらえてもらう可能性もあるのでは」と成果を振り返った。
このほか、学科別協議も行い、海洋漁業系学科、情報通信系学科、資源増殖系学科ごとに社会の動向と方向性を見通した効果的な教育内容を話し合った。
(関係団体 2018-06-11付)
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