悩みやいじめに関するアンケート―札幌市教委まとめ　児童生徒対象　１割が「相談しない」

（市町村 2018-06-11付）

市教委２９年度いじめアンケート結果（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、二十九年度「悩みやいじめに関するアンケート調査」の結果をまとめた。「あなたは自分がいじめられたら、誰に相談するか」という質問に対して、「誰にも相談しない」と回答した児童生徒は、小学校が前年度比〇・一ポイント減の六・一％、中学校が一・九ポイント減の一三・五％、高校が一・一ポイント減の一一・二％。市教委では、「誰にも相談しない」と回答する児童生徒が減少傾向にあるものの、依然として全校種で一〇％程度いることから、教員に対して児童生徒が相談することの大切さに気づくような指導を求めている。

　調査は、児童生徒の実態や各校の対応状況を把握し、いじめの防止・早期発見・適切な対処の取組を一層進めることを目的に、十八年度から実施しているもの。

　昨年十一月に全市立学校で実施。調査用紙は学校用と児童生徒用の二種類あり、児童生徒用については、いじめの早期発見・早期対応の観点から記名式とし、プライバシー保護のため、各家庭で記入させ、封筒に入れて学校に提出させるなど配慮した。

　調査では「あなたは自分がいじめられたら、誰に相談するか」という質問に対して、「誰にも相談しない」と回答した児童生徒は、小学校が〇・一ポイント減の六・一％、中学校が一・九ポイント減の一三・五％、高校が一・一ポイント減の一一・二％。市教委では、「誰にも相談しない」と回答する児童生徒が減少傾向にあるものの、依然として全校種で一〇％程度いることから、相談しない理由を教員が把握するとともに、児童生徒に対して相談することの大切さに気づかせるような指導を求めている。

　調査では「学校が楽しいか」との設問について、「はい」と答えた児童生徒は〇・一ポイント増の九一・一％。「今、何か悩んでいることはあるか」に対し、「ある」と答えた児童生徒は、小学校が〇・九ポイント増の一一・五％、中学校が〇・八ポイント減の一一・一％、高校が一・六ポイント減の一一・六％だった。

　「今の学年になってから、いじめられたことがある」と回答した児童生徒は、二百八人増の一万七千二百八十六人。市教委では、引き続きいじめ防止や、早期発見・対処に努めるほか、児童生徒の状況は日々変化することから、「いいえ」と回答した児童生徒も含め、その後の経過を慎重に見守るなど、丁寧かつ継続的に取り組むことを求めている。

　また、学年が上がるにつれていじめられたことが「ある」と回答する割合が低くなることについて、発達に伴ういじめへの認識の変化が影響していること以外に、「学年が上がるにつれてアンケートに対して率直に回答しない子どもが増えているのではないか」と分析。日常の学校生活などにおける丁寧な見取りをもとに、発達の段階を踏まえた対応や指導を呼びかけている。

(市町村 2018-06-11付)