札幌工業高で建設技術の出前授業　最先端施工技術を体験　開発局や道などが新規に企画

（学校 2018-06-29付）

　札幌工業高校（猪股康行校長）で二十七日、ＩＣＴを活用した建設技術の出前授業が開かれた。日本建設機械施工協会道支部（熊谷勝弘支部長）および道建設部、開発局などで構成する建設技術担い手育成プロジェクトチームが本年度新規に企画したもの。土木科二年生がＩＣＴ活用工事に関する座学や、ＴＳ・ＧＮＳＳ計測、小型バックホウの搭乗・操作体験、ＵＡＶの飛行デモを体験。建設現場で実際に使われている最先端のＩＣＴ施工技術にふれ、建設産業への理解を深めていた。

　日本建設機械施工協会道支部と道建設部、開発局は本年度、建設技術担い手育成プロジェクトチームを立ち上げた。高校生の段階からＩＣＴ技術にふれ、建設産業へのイメージアップや進路選択の参考となるよう、高校生などを対象としたＩＣＴ活用に関する出前授業を開催することとした。

　出前授業は、札幌工業高土木科二年生二クラスの実習三単位時間を活用して実施。うち、午前の部には、Ａ組の四十人が参加した。

　座学では、プロジェクトリーダーを務める鈴木勇治氏が「行政が取り組むＩＣＴ活用工事」と題して講話。国土交通省が建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取組として進めているｉ―Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎにおいて、①ＩＣＴの全面的な活用②規格の標準化③施工時期の平準化―の三点が進められていることを説明した。ＩＣＴの導入によって、いわゆる３Ｋの解消が進み、働き方改革につながることを強調。生徒たちに、建設産業への就職を呼びかけた。

　引き続き、㈱シーティーエスの関口伸吾氏が、距離と角度を同時に測ることができるＴＳ測量を説明。機器を用いて、教室内の測量を実演した上で、「ＩＣＴ機器を活用するには、高校で学ぶ三角関数などの基礎事項習得が大切」と訴えた。

　このあと、生徒たちは二グループに分かれて、小型バックホウの搭乗・操作や、最新の測量機器、バーチャルリアリティーを体験したほか、ＵＡＶのデモ飛行を見学。最先端のＩＣＴ機器にふれ、建設産業への理解を深めていた。

　梶邦明土木科長は「生徒たちが卒業するころには、建設現場におけるＩＣＴ活用が一般化されていると思う。最先端の技術にふれることができる出前授業は本当にありがたい」と話していた。

　なお、二十二日ときょう二十九日には、苫小牧高専でも出前授業が行われている。

(学校 2018-06-29付)