道教育大附属函館中が研究大会 学習指導要領の趣旨実現へ 7教科の授業公開(学校 2018-06-26付)
200人が参加し、カリキュラムの改善に向けた具体的な方策等について理解を深めた
【函館発】道教育大学附属函館中学校(金光秀雄校長)は十五日、同校で教育研究大会を開いた。渡島管内小・中学校の教職員を中心に約二百人が参加。研究主題「新学習指導要領の趣旨を実現する教育の展開」のもと、国語、数学、理科、英語など七教科の公開授業や教科別分科会を通して、同校が進めるより良い授業づくりを発信した。
同校では前年度から、三ヵ年計画で研究主題「新学習指導要領の趣旨を実現する教育の展開」のもと研究をスタート。経営理念の一つとして「国の先端的研究校、大学の教育実習機関としての機能、地域の中核となる学校としての役割を果たす」を掲げており、前年度から「新学習指導要領のモデル校」となるよう、研究を進めてきた。
研究二年次目となる本年度は、副主題を「カリキュラム・マネジメントを支える“評価”の工夫」と設定し、授業の評価やカリキュラムの改善に向けた具体的な方策について研究を進めている。
当日は開会式のあと、郡司直孝教諭が研究概要を説明した。
前年度の成果として、「年間単元配列シート」「資質・能力シート」を整備したことなどを提示。その上で、本年度は前年度の課題を踏まえ、「編成・実施したカリキュラムに対する評価と適切な改善を日常的・単元ごとに取り組んでいくための考え方と具体的な方策等を検討し、取り組んでいく」ことを目的に、研究副主題を設定したことなどを解説した。
このあと、国語や数学など七教科で公開授業。また、教科別分科会を行ったほか、千葉大学教育学部の天笠茂特任教授が「次期学習指導要領の趣旨を実現するために学校全体で取り組む課題~カリキュラム・マネジメントを中心に」と題し講演した。
◆公開授業 表現に着目し原稿推敲 1年国語「言葉ノート」作成
公開授業は、国語、社会、数学、理科、美術、保健体育、外国語の七教科を展開した。
このうち、一年C組の国語「関係を見いだす」(森谷剛教諭、生徒数三三人)は、十三時間扱いの六時間目。本時では学習課題を「表現に着目して原稿を推敲することができる」と設定した。
国語科では、研究主題を「国語科における探究的な学習を実現するための単元構成の工夫・改善~カリキュラム・マネジメントを支える“評価”の工夫」と設定し、「単元構成を意識した年間指導計画の作成」「カリキュラム・マネジメントを支える“評価”の工夫」など、五つの項目に取り組んでいる。
国語科の単元では、七月に道教育大附属函館小学校の児童を招くオープンスクールに向け、中学校の行事や学校の特色などを授業で学んだ文章構成や知識を生かし、まとめた説明原稿とスライドを六つのグループが作成。各クラスで代表グループを決定し、児童の前で発表することになっている。オープンスクールでの発表終了後には、当日の映像を見直し、日本語の特徴に関する理解を深めるとともに、漢字の部首についての理解深化も図っていく。
授業でははじめに、漢字の書き取りや暗唱などを目的に、本年度から帯単元として実施している「言葉ノート」の作成に取り組んだ。ワークシートに示された五つの漢字が含まれている熟語を、個人が所有するノートパソコンで検索。生徒は検索した熟語を授業用の電子掲示板に書き込んだあと、調べた言葉や興味のある言葉をノートに写していった。
つぎに、森谷教諭が本時の課題を提示し、授業の流れを説明。引き続き、前時までに各グループで作成したオープンスクールの説明で使用する原稿を見直し、強調したいポイントや表現、言葉に線を引いたり、自分が取り入れたい言葉を付せんに記入してワークシートに張り付けるよう指示。「小学生に何を伝えたいか、小学生にも伝わるような言葉を選ぶようにしよう」と注意を促した。
このあと、グループ内で二~三人ずつに分かれ、自分が言葉を選んだ理由について交流。生徒からは「体育祭では一年生から三年生が一緒のチームになるので、団結力を強調したい」などの意見が挙がった。引き続き、グループ内で交流した意見をもとに原稿の内容を推敲し、発表に向け、全体の構成や表現などについて話し合った。
最後に、授業の感想を電子掲示板に入力。「強調したい部分を話し合って、ほかの班の意見も取り入れることができた」「小学生に分かりやすく伝わるために、重要な言葉を選んで推敲することができた」などの感想が出された。
森谷教諭は「本番で発表できるのは一グループ。小学生に魅力が伝わるよう、考えよう」とまとめた。
(学校 2018-06-26付)
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