礼文高に道外からの入学者受入―礼文町　早ければ３２年度から　推進協議会立ち上げ準備

（市町村 2019-02-14付）

　【稚内発】礼文高校の道外からの入学者受入れに向け、礼文町は礼文高校魅力化推進協議会を立ち上げて検討・準備を進めている。離島の高校などにおいて、普通科でも地域の教育資源を活用した教育課程の編成など条件を満たせば道外入学者の受入れが可能となったことによるもの。教育課程の編成や寄宿舎などの受入体制が整えば、早ければ三十二年度から道外生徒を受け入れたい考えだ。

　町は入学生徒数の増加を目指し、二十六年度に魅力ある礼文高校のあり方検討会を設立。

　二十八年度からは魅力ある高校づくり対策検討会に発展させ、高校の町立化を前提に、全国からの生徒募集を目指して検討を進めてきた。

　こうした状況の中、道教委は本年度、新たに道外から入学者を受け入れることができる学校・学科の拡大を決定。従来の農業・水産学科だけでなく、他地域への通学に困難を要する離島の高校や地域連携特例校のうち、地域の教育資源を活用した教科・科目などを十単位以上履修できる教育課程を編成している学科を有する学校も対象として加えることとなった。

　道教委の決定を受け、町は方針を転換。道立高校のまま道外からの生徒募集に取り組むため、三十年七月に礼文高校魅力化推進協議会を立ち上げた。

　協議会は小野徹町長を会長に、教育委員会委員や礼文高の校長・教頭、町内中学校の校長、保護者など十三人で構成。地域の特性を生かした教育カリキュラムの編成や、寄宿舎などの島外生徒の受入体制の確立、ＰＲ活動方法などの課題について協議を進めている。

　現時点の構想では、地域の教育資源を活用した教育課程編成に関して、礼文島固有の高山植物について学ぶ同校の授業をさらに発展させ、高山植物などの魅力を島外に発信する活動などを模索している。

　生徒の受入体制整備では、町内の宿泊施設を生徒の寄宿舎として活用していく方針。生徒募集のＰＲについては、全国の離島留学に関する合同説明会などの機会を利用して広く発信していく考えだ。

　町教委によると道外生徒の受入人数は、道内出願者に影響が出ない範囲ということで、募集人員四十人の三〇％の十二人まで可能となる見通し。受入れに向けた課題を一つ一つ解決し、早ければ三十二年度から受入れを開始したい考え。

(市町村 2019-02-14付)