１０年目の札幌らしい特色ある学校教育―札幌市教委　段階的な教育で成果等　研究実践校連絡会議等開く

（市町村 2019-02-19付）

実践校１５校・２園の担当者が出席した

　札幌市教委は十三日、市教委会議室で「札幌らしい特色ある学校教育推進事業」第二回研究実践校連絡会議兼推進検討プロジェクト会議を開いた。雪・環境・読書の各テーマを研究してきた実践校十五校・二園の担当者が集まり、これまでの研究成果や課題を報告。事業のさらなる充実を図るため今後の方向性を検討した。

　全体会では、はじめに廣川雅之教育課程担当課長があいさつ。「各学校、園の創意工夫ある取組を積極的に発信していただくことで、事業が一層推進されることを期待している」と呼びかけた。

　続いて、テーマごとに実践の成果などを発表。

　「雪」に関する教育課程研究実践校の担当者は、幼稚園、小学校、中学校での実践事例をまとめ、段階的な教育によって「多岐にわたる視点が身に付いてきている」と成果を報告。一方、課題として、子どもたちに「雪」を身近に感じてもらうことを挙げた。課題解決には、地域とのかかわりが必要となるため「どのような活動をしているかなど、学校のホームページや町内会回覧板などで発信することが必要。また、他校の教員にも分かるように、カリキュラムの見える化が重要」とした。

　「環境」に関する教育課程研究実践校の発表では「どのような人間を育てていくかが重要だということを学んだ」と報告。また、助言の中で「環境教育とは答えのない学習。答えのないものを子どもたちと教員で一緒に学んでいける素晴らしい教科」と述べた。

　「読書」では、中央図書館を活用したモデル授業研究実践校と園・学校での図書館を活用した授業研究実践校の各代表者が発表。中央図書館を活用した教育実践の担当者は「学校図書館が子どもたちにとって学びの土台であることが重要。その比較対象として中央図書館の学習が生きてくる」と指摘した。園・学校での図書館を活用した授業研究実践校では、本の読み聞かせやポップづくり、朝読書、ブックハンティングなどの活動が幼・小・中で共通して行われていることを報告。実践校の代表者の一人は「一人の子どもが成長していく中で、同じ取組であっても質を高めていけるのではないかと感じている」と話した。成果として「読書活動の関心が高まってきている」と話し、また、図書館の活用方法についても「本を読むところから、学習するところへと意識の変遷があった」と紹介した。

　市教委の担当者は、同事業が「本年度に十年目を迎え、校種間や地域・外部との連携を行い様々な人々がかかわることで取組の充実が図られている。この傾向を次年度にも生かしたい」と語った。

(市町村 2019-02-19付)