北見市31年度教育行政執行方針 CS導入し学校運営改善 外国語教育充実へALT増員
(市町村 2019-03-06付)

北見市教委志賀亮司
北見市教委・志賀亮司教育長

 【網走発】北見市教委の志賀亮司教育長は、二月二十八日開会の第一回定例市議会で三十一年度教育行政方針を説明した。コミュニティ・スクールを導入し、学校、保護者、地域が一体となって学校運営の改善と児童生徒の健全育成に取り組む体制づくりを推進する考えを示した。国際理解教育では、外国語指導助手を一人増員。学校への派遣回数を増やし、「小学校外国語活動や中学校外国語科の充実を図る」とした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の充実】

▼信頼に応える学校づくりの推進

 地域とともにある学校づくりを進めるため、コミュニティ・スクールを導入し、保護者や地域の学校運営への参画と連携強化を進めることによって、学校、保護者、地域が一体となって学校運営の改善と児童生徒の健全育成に取り組む体制づくりを推進する。

 併せて、各学校での校内研修を積極的に進め、教職員個々の授業力と生徒指導に関する実践力の質の向上に努める。

▼確かな学力を育成する教育の推進

 学力向上の取組では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や家庭学習の習慣化に取り組むとともに、「指導力向上推進事業」の実施や、北見工業大学や日本赤十字北海道看護大学と連携した研修会を通して、教職員の資質・能力の向上に努める。

 さらに、教育活動支援講師を配置し、複数教員による個に応じた指導の充実に努める。

 教育の情報化については、引き続き教育用コンピュータ機器の更新を計画的に行うとともに、実物投影機など、ICTを活用した分りやすい授業を展開していく。また、小学校プログラミング教育の完全実施に向けて、必要な情報提供や研修を行うなど、円滑な実施に向けて取り組む。

 併せて、学校間および学校と教委をつなぐ校務支援システムを活用し、校務の効率化を進めることで教職員の負担軽減を図る。

 国際理解教育では、外国語指導助手を一人増員することによって、学校への派遣回数を増やし、他国の言語や文化について体験的に理解を深め、小学校外国語活動や中学校外国語科の充実を図るよう一層努める。

 キャリア教育では、地域の事業所や関係機関と連携し、職場体験活動などを通して、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育む。

 環境教育では、自然体験やリサイクル活動などを通して、環境保全に努める意欲や態度を育成する。

 特別支援教育では、個に応じたきめ細かな指導を充実させるため、教育支援員および医療的ケア等を行う看護師の配置に加え、特別支援教育コーディネーターと教育活動支援講師をそれぞれ一人増員するほか、特別支援学級と通級指導教室へのタブレットパソコンとデジタルテレビの計画的導入を継続する。

 小学校と幼稚園、認定こども園、保育園との連携では、新入学児童の学校生活への円滑な適応に向けて、幼保小三者協議会や特別支援教育連携協議会で情報を共有し、途切れのない支援を行う。

▼豊かな心や健やかな体を育成する教育の推進

 道徳教育では、「考え、議論する」授業づくりを推進するとともに、教育活動全体を通して、児童生徒が自己をみつめ、物事を多角的・多面的に考えることができるよう、指導の充実を図る。

 いじめ対策では、アンケート調査や日常的な観察による実態把握と定期的な教育相談の充実によって、未然防止と早期発見、早期対応に努める。また、「いじめのないまちづくり子ども会議」を開催し、児童生徒が自ら具体的に未然防止の取組を企画し、いじめを絶対に許さない学校づくりを進めるよう働きかける。

 不登校対策では、日常的に児童生徒の変化に留意し、早期に教育相談を実施して、悩みや課題の解決を図るとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどと連携して、未然防止に努める。

 また、適応指導教室「あおぞらくらぶ」に通級している児童生徒に対して、学習サポーターを派遣するなど、学習支援を充実させ、学校への復帰や望ましい進路の実現につながるよう、取り組む。

 問題行動対策では、児童生徒との日常的なかかわりを深め、家庭と連携した指導の充実に努める。

 また、生徒指導担当教員連絡協議会による情報共有と実践交流を通して学校間の連携を深め、迅速かつ適切な対応ができるよう、学校を支援していく。

 読書活動の推進では、引き続き学校司書を計画的に増員し、学校図書館の環境改善および読書習慣の定着を目指す。併せて、中央図書館や地区館と連携を図りながら、児童生徒の読書活動を支援する。

 体力向上の取組では、市体力向上推進委員会と連携し、子どもの発達段階に応じた指導方法を学ぶ講習会を実施するとともに、各学校において体力向上プランに基づいた取組を進める。

 健康教育では、家庭と連携し、基本的生活習慣の改善に取り組むとともに、薬物乱用や性の問題、心の健康に関する指導の充実を図る。また、全小学校で実施しているフッ化物洗口事業を継続し、関係機関との連携のもと、歯・口腔の健康づくりを推進する。

 防災教育および安全教育では、市防災教育の手引きや各学校の危機管理マニュアルを活用した避難訓練や、交通安全教室などを通し、的確な状況判断と、危険回避の行動がとれるよう取り組む。

 食育では、食の重要性、食に感謝する心、食を通じて地域を理解することなど、食育の推進に向けた様々な教育活動を、市食育推進計画に基づき進める。

 また、給食の充実では、地元産の食材を積極的に使用し地産地消の推進を図るとともに、衛生管理のほか児童生徒の食物アレルギーに対する取組の徹底を図り、安全で安心な給食の提供に努める。

▼教育環境の整備

 三十一年度は、温根湯小学校を温根湯中学校に統合するための中学校校舎の改修を実施し、旧耐震基準施設の解消を図るほか、小・中学校屋内運動場のバスケットゴールの落下防止対策などを実施し、安全で安心な教育環境の整備に努める。

 小・中学校の適正規模・適正配置では、市立小・中学校の適正規模に関する基本方針に基づき、引き続き学校を取り巻く環境に十分配慮しながら、保護者や地域の方々と協議を重ね、児童生徒にとってより良い教育環境の形成に努める。

 登下校時における児童生徒の安全対策については、犯罪被害や交通事故を未然に防止するためのスクールガードリーダーを継続して配置するとともに、関係機関と連携しながら通学路の安全な環境保持と改善に努める。

 私学の振興および修学支援では、私立高校の教育振興のため、必要な支援を行うとともに、次代を担う有用な人材を育成するため、高校生への奨学金支給枠の拡充措置や大学などへ進学する際に活用できる入学準備金貸付制度を継続し、修学機会確保の一助となる支援策を講じる。

(市町村 2019-03-06付)

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