今金町31年度教育行政執行方針 幼保小の連携を強化 校務支援システム研修を
(市町村 2019-03-15付)

今金町教委田中俊一
今金町教委・田中俊一教育長

 【江差発】今金町教委の田中俊一教育長は三十一年度教育行政執行方針で、小一プロブレムの未然防止に向けた幼保小の連携の強化や、児童生徒の現状と課題を共有した学力向上対策を進めていく方針を示した。また、ICT教育や外国語活動など、新たな教育課題への対応や業務を円滑にするための校務支援システムの使用に関する研修を進めていくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼保小連携

 幼児が小学校に入学する際、大きな環境の変化から起きる小一プロブレムの未然防止を図るため、こども園・保育所から小学校への円滑な連携が必要になる。このため、幼児と小学校児童との交流や発表会の見学、教職員の交流等を通して、幼保小教育の連携を進めていく。

 子ども発達支援センター、学童保育所、へき地保育所、認定こども園の施設を教育委員会が中心となり所管している効果を最大限に発揮し、機関同士のつながりを大切にする。

 認定こども園いまかねの待機児童対策として実施してきた臨時的なへき地保育所の通年開所は、三十一年度から従来どおり四月から十一月まで開所する。なお、保育時間の延長や給食提供については、保育サービスの充実、食育の観点からも継続していく。

 また、学童保育所では定員九十人に対して九十五人の申し込みがあり、定員超過の申し込みを受け入れている。現在も老人福祉センターを拠点に定員拡大を図っているが、さらに十人の定員拡大を図るため、関連する条例の一部改正を提案していく。

▼確かな学力の育成と家庭教育

 確かな学力については、全国学力・学習状況調査の結果の活用を図り、各学校の学校改善プランをもとに主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングの視点に立った学習指導の充実を図り、町教育研究会やへき地複式教育研究会との連携・協働を進め、児童生徒の現状と課題を共有し、確かな学力向上対策に取り組んでいく。また、家庭学習の習慣化や、生活習慣の改善に向け、生活リズムチェックシート等、学校・家庭が連携し取り組む。

 読書と作文のまち構想推進のために、各学校の取組の見直しを行う。三十年度に続き、三十一年度も道の指定事業「学校図書館活用促進事業」を推進し学校図書館の環境整備を進めるとともに、司書派遣や調べ学習への支援、学校図書館を活用した授業づくりを進めていく。

▼道徳教育の充実

 いじめの問題が社会の関心事となる中、公共の精神や集団生活の向上には欠かせない規範意識が希薄化した事象が数多く指摘されてきた。子どもたちの道徳性の育成のために、学校の全教育活動の中で行われる学習指導を通して、命の大切さや思いやりの心、規範意識などを育む道徳教育の一層の充実を図っていく。

 新学習指導要領に基づき、よりよく生きるための道徳性を養うために、「特別の教科 道徳」の授業づくり・評価にかかわる研修の機会を設けるとともに、小・中の連携を強化した取組を進める。また、取組の成果を町外にも発信していく。

▼教職員の資質・能力の向上と働き方改革

 ICTや情報化、外国語教育、道徳の教科化への対応といった新しい教育課題や、いじめや不登校の未然防止など、様々な課題に対応できる能力が求められている。そのため、校内研修体制の整備や各種研修会・研究会などへ参加しやすい環境づくりに努める。

 教職員の様々な不祥事が繰り返し報道されている。根絶のため、日常的に意識改革や自覚を促す職員研修体制の充実と徹底を図る。

 学校における働き方改革の一環として、長期休業中に一定の期間、学校を閉める学校閉庁日を設定し取り組む。また、校長会と密に連携し、部活動休養日や定時退勤日の確実な実施など、時間外勤務縮減に向けた取組を推進していく。

 校務支援システム導入については、三十二年度四月からの活用に向けて教職員の研修等準備を進める。校務の情報化によって、教育の質の向上とともに教員の事務負担の軽減を図り、教員が子どもたちと向き合う時間が確保できるよう学校を支援していく。

▼コミュニティ・スクールの推進

 種川小学校においては引き続き小規模特認校制度の推進を図っていく。また、三十年度今金小学校・今金中学校において保護者や地域住民の参画のもとで学校を運営するコミュニティ・スクールの取組が始まった。種川小ともども地域全体で子どもたちを守り育てる教育環境の充実を目指し、地域に開かれた教育、地域とともにある学校づくりを進めていく。

(市町村 2019-03-15付)

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