子どもが主人公の学校を 道教組・川村委員長あいさつ
(関係団体 2019-03-19付)

道教組定期大会川村委員長あいさつ
「労働条件は子どもの教育条件の重要な一つ」と強調

 道教組第三十二回定期大会における川村安浩執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 学校は、私たちが働く場であるとともに、子どもたちを人間的に成長させるという国民的事業の実践の場でもある。私たちの労働条件は子どもたちの教育条件の重要な一つである。

 今、学校は「新自由主義に基づく人材育成のための教育」の押し付けで大変である。学習指導要領をはじめ、学校のありとあらゆる場面で課題が山積みである。「子どもが主人公」であるべきなのに「子どもは企業活動のための人材」、安倍教育再生の徹底が押し寄せている。

 その中で、教員の働き方についてスポットが当たるようになってきた。ほかの誰かの顔色を伺いながら教壇に立つのではなく、子どもの顔を見て、瞳をのぞき込むように語りかける実践。まさに子どもが主人公の学校づくり。それには教員の働き方の改革が緊急の課題である。しかし、文部科学省は「金は出さぬ、教員は増やさぬ、仕事は減らさぬ」の方策を打ち出した。これでは、多忙化に拍車がかかるだけである。ゼロトレランス、学校スタンダードなど、教員の多忙化が管理主義の横行につながっているのが現状。まさに、新自由主義教育推進者の思うつぼである。

 また、文科省はガイドラインで、これまで教員が担っていたいくつかの業務を地域保護者に丸投げすることも提示している。そしてそのほとんどはボランティアである。日本国中があわただしく働き暮らしている中、受け入れられるか。学校と地域保護者が分断され溝が深まることが危惧される。

 教員の働き方をはじめとする労働条件は、重要な教育条件でもあるのだから、その改善には教育・教員を取り巻く人たちとの合意こそが不可欠である。その合意とは、私たちが学校づくりの基本としてきたことである。今、職員会議などの中でよく出てくる言葉に「説明責任」という言葉がある。教育は説明で事足りるのか。説明だけでは信頼を得ることはできない。合意を得る努力なしの説明は、ときに乱暴でさえある。様々なレベルで合意を重ねる努力が、子どもが主人公の学校づくりにも、教職員の生活と権利を守ることにもつながる。

 私たちが道教組を結成するときに、よく語られた言葉の一つに「私たちは、教職員組合の王道を進む」というのがあった。道教組は、様々に厳しさを抱えている。でも、私たちの歩みは、王道を進んでいるのだという気概と自覚をもって進んでいこう。たった一つのきっかけで、状況も運動も大きく前進するということを私たちは経験している。そのきっかけをつくり出すこと、そのときに大きく展開できること。その力を身に付けよう。

(関係団体 2019-03-19付)

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