札幌市教委 部活動の方針策定 改善・充実へ具体案 バランスとれた指導、活動基準など
(市町村 2019-04-03付)

 札幌市教委は、札幌市立学校にかかる部活動の方針を策定した。自立した札幌人の育成に向け、学ぶ力の育成など3つの観点から部活動の具体的な在り方を示した。部活動指導者に対して、生徒に考えさせる場面と教える場面のバランスを考慮するよう求めたほか、休養日の設定など活動基準も示した。各学校に対し31年度中に本方針に基づく活動方針を策定するよう求めている。

 方針は、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインや文化庁の文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン、道教委の北海道の部活動の在り方に関する方針の通知を踏まえたほか、市の教育と部活動を関連させて策定したもの。対象範囲は、中学校(中等教育学校前期課程、特別支援学校中学部を含む)段階の部活動。高校(中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部を含む)段階の部活動についても原則として適用し、速やかに各学校の部活動の改革に取り組むことを求めている。

 「本方針について」「部活動の意義」「札幌市の教育と部活動」「適切な運営のための体制整備」「部活動指導・運営に当たっての留意点」「生徒・教職員双方の負担を踏まえた部活動活動基準の設定等について」「生徒のニーズを踏まえた環境の整備」の7項目で構成。

 市教委は、市の教育が目指す人間像「自立した札幌人」を掲げていることから、方針は学校教育において、その実現に向け、学ぶ力の育成、豊かな心の育成、健やかな体の育成を学校教育の重点に位置付け、子どもの知・徳・体の調和のとれた育ちを促すための取組を実施していることを説明。学校教育の一環として行われる部活動についても学校教育の重点に基づいて改善・充実を図る必要性を示している。

 学ぶ力の育成の観点では、生徒自らが課題をもち、課題解決に向けた追究を行う課題探究的な学習を取り入れる重要性を強調。指導者に対して生徒に考えさせる場面と教える場面のバランスのとれた活動を心がけるよう求め、生徒が自分で決めることができるよう促し、伸びを認め、取組を支えるようにかかわることを求めている。

 豊かな心の育成の観点では、部活動において仲間や指導者、保護者、地域住民との交流を通じて、自己肯定感や規範意識などを育むことができることを示し、指導者に対して生徒の豊かな感性や社会性を育むことを意図して部活動の運営を工夫する必要性を強調している。

 健やかな体の育成の観点では、指導者に対して健康3原則「運動・食事・睡眠」の大切さへの理解を深める指導を行うとともに、生徒の能力・適性、興味・関心等に応じつつ、健康・安全に十分に留意して部活動の運営を行うことを求めている。

 部活動基準としては「毎週、土曜日または日曜日のいずれかを休養日とする」「少なくとも週に1日は、平日に休養日を設定する」「通常の練習時間は、平日2時間程度とする」「土日、祝日、長期休業期間中の練習時間は、3時間程度とする」などと示している。

 指導・運営に当たっての留意点としては、安全の確保や熱中症事故の防止等、女性特有の健康問題に配慮した指導なども盛り込んだ。

(市町村 2019-04-03付)

その他の記事( 市町村)

市立幼稚園の在り方方針策定へ 幼児教育推進へ検討開始 5月に初会合―札幌市幼児教育センター

 札幌市幼児教育センターは、今後の市立幼稚園の方向性などを記した「市立幼稚園の在り方(方針)」を来年3月末までに策定する。幼児教育の推進に向けて実施するもの。5月に市立幼稚園の在り方検討会議...

(2019-04-04)  全て読む

比布町31年度教育行政執行方針 課題共有へCS導入 小中一貫教育を全面実施

比布町北川範之  【旭川発】比布町教委の北川範之教育長は31年度教育行政執行方針で、中央小学校と比布中学校において小中一貫教育の全面実施に取り組むほか、コミュニティ・スクールを導入することを表明した。学校・...

(2019-04-04)  全て読む

外国人児童生徒情報交換会―帯広市教委 多言語に対応した指導とは 

帯広市外国人児童生徒情報交換会  【帯広発】帯広市教委は3月26日、市役所で外国人児童生徒のための情報交換会を開いた。小・中学校の日本語指導の担当教員や管理職など8人が参加。実態を踏まえた日本語指導の在り方などについて協議...

(2019-04-04)  全て読む

小樽市31年度教育行政執行方針 1中学を道徳推進校に プログラミング教育で研修講座

小樽市林秀樹  【小樽発】小樽市教委の林秀樹教育長は31年度教育行政執行方針において、中学において道徳が教科化されることから中学校1校を道徳教育推進校に指定する方針を示した。また、小学校のプログラミング教...

(2019-04-03)  全て読む

部活動休養日 週当たり2日以上に 清里町教委が働き方改革アクション・プラン改訂

 【網走発】清里町教委は、学校における働き方改革「清里町アクション・プラン」を改訂した。道教委のアクション・プラン策定に伴い、部活動休養日に関する項目の内容を一部変更した。  町教委は、道...

(2019-04-03)  全て読む

31年度の人権教育推進事業―札幌市教委 推進校20校程度指定 実感伴う指導方法など研究 

 札幌市教委は、31年度の人権教育推進事業について、研究推進校を20校程度指定する。各学校における人権教育の充実を図るもの。研究推進校は、民族教育や子どもの権利などの人権課題について、学校外...

(2019-04-03)  全て読む

芦別市31年度教育行政執行方針 2中学校区で授業交流 CS導入し学校づくり

芦別市福島修史  【岩見沢発】芦別市教委の福島修史教育長は31年度教育行政執行方針において、コミュニティ・スクールを導入し、地域とともにある学校づくりを推めていく考えを表明した。小中一貫教育の推進に向けては...

(2019-04-03)  全て読む

浦臼町31年度教育行政執行方針 ICTの指導体制充実 校務支援システム早期導入

浦臼町浅岡哲男  【岩見沢発】浦臼町教委の浅岡哲男教育長は31年度教育行政執行方針で、教育支援端末機器の更新をはじめ、ICT教育の指導体制充実に努めることを表明した。学校における働き方改革アクション・プラン...

(2019-04-03)  全て読む

栗山町31年度教育行政執行方針 ICT環境の充実図る 道介護福祉学校 高専化へ調査

栗山町南條宏  【岩見沢発】栗山町教委の南條宏教育長は31年度教育行政執行方針で、分かりやすい授業に向けて学校のICT環境充実を図る考えを示した。町立の道介護福祉学校については、専門職短期大学や高等専門学...

(2019-04-03)  全て読む

月形町31年度教育行政執行方針 32年度CS実施へ検討 小・中学校にタブレット

月形町古谷秀樹  【岩見沢発】月形町教委の古谷秀樹教育長は31年度教育行政執行方針で、32年度からのコミュニティ・スクール実施に向けた検討を行う考えを表明した。また、小・中学校のパソコンをタブレット型に変更...

(2019-04-03)  全て読む