外国人児童生徒情報交換会―帯広市教委　多言語に対応した指導とは　

（市町村 2019-04-04付）

具体的な指導方法について情報を交換した

　【帯広発】帯広市教委は3月26日、市役所で外国人児童生徒のための情報交換会を開いた。小・中学校の日本語指導の担当教員や管理職など8人が参加。実態を踏まえた日本語指導の在り方などについて協議した。

　交換会は、近年増加傾向にある外国人児童生徒・体験入学児童生徒にかかわって、入学手続きの支援状況や日本語指導の現状などを確認し合うことで、受け入れ体制や教育課程の編成、日本語指導の在り方など、学校教育を進めるための方策を明らかにし、学校における支援の充実に資することが目的。

　帯広市内の小学校には22人、中学校には6人の外国籍の児童生徒が在籍しており、人口規模に比して多い傾向にある。帯広畜産大学やＪＩＣＡ帯広の研修生として、世界各地から来日するため、多民族・多言語の児童生徒が期限付きで学校に通っているという特徴がある。

　はじめに、黒島俊一学校教育指導室長（当時）があいさつ。「これから一歩進んだ取組を行うためにも、日本語指導加配の教員や管理職から意見をいただき、新年度からの取組の手立てにつなげたい」と呼びかけた。

　つぎに、学校教育課の担当職員が外国人児童生徒の現状について説明。市教委として、①当該児童生徒に対する日本語指導の充実のための教員配置②日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別な教育課程」の編成・実施③日本語能力に応じた下級学年での対応④翻訳機2機の配置―に取り組んでいることを報告した。

　続いて、大空小学校で日本語指導に当たっている山下哲平教諭が実践発表。現在、大空小にはメキシコ、エジプト、モンゴルなどから10人の児童が在籍していることを示し、各児童の状況に応じた個別指導や教室指導を行っていることを紹介した。

　様々な言語圏の児童が在籍しているため、英語だけでは対応できず、翻訳機やスマートフォンを利用している実情を伝えた。また、生活・宗教上の留意点として、給食を食べられない児童に弁当を持参する日を保護者に伝える難しさを訴えた。

　このあと、稲田小学校、北栄小学校、南町中学校の担当者が実践内容を発表。参加者は多言語に対応した翻訳アプリや効果的な指導方法、日本語力を測るＪＳＬ対話型アセスメントＤＬＡの活用など、効果的な指導方法について情報を交換した。

(市町村 2019-04-04付)