厚真町31年度教育行政執行方針 キーワードは「ふるさと」  小中一貫教育の組織確立
(市町村 2019-04-04付)

厚真町遠藤秀明
厚真町教委・遠藤秀明教育長

 【室蘭発】厚真町教委の遠藤秀明教育長は31年度教育行政執行方針で、新たに小中一貫教育を導入することを示した。英語教育、コミュニケーション力の育成を軸に「ふるさと」をキーワードに位置付け、小中一貫教育の有効な推進に向けた組織の在り方や取組などを確立する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼子どもの可能性を引き出し、才能や個性を伸ばす教育の推進

 町学力向上推進委員会を中心に児童生徒の学びの成長経過の分析を継続実施し、各学校における学校改善プランの実践と検証を通して、児童生徒の可能性を伸ばす学習・指導の改善や児童生徒の学習意欲の向上に努める。また、児童生徒に社会的・職業的自立に向けた資質や能力を育てるため、地域との連携・協働を進め、可能な限り本物を実感できる機会を増やすなど、地域の産業や働くことについて学ぶキャリア教育を支援していく。

 教育におけるICT(情報通信技術)の活用では、次期学習指導要領でも求められているプログラミング的思考を育むプログラミング教育や指導に関する教員研修を実施する。また、特別支援教育では、小学校において特別支援教育支援員を7人体制、中学校においては2人体制を維持し、個に応じた適切な教育環境の提供に努める。

▼英語を活用しグローバル社会に生きる子どもの育成

 31年度から小中一貫教育制度を活用して、英語教育活動をさらに推進する。

 町英語教育推進委員会を中心に、小学校1年生からの外国語活動と小学校5年生から取り組んでいるコミュニケーション科の活動を充実し、多様なコミュニケーション機会の確保と次期学習指導要領を見据えたカリキュラムづくりや指導の改善を図りながら、さまざまな場で豊かな国際性を発揮できる基礎の育成に努める。

▼豊かな心と健やかな体を育む子どもの育成

 震災は、子どもたちの目にその脅威を焼き付け、不安や動揺を与えるなど、それぞれの心に多様な影響をもたらした。教育委員会では、学校における教職員による子どもたちへの寄り添いはもちろんのこと、各関係機関と連携してスクールカウンセラーによる巡回相談や専門家による心のサポート授業などを継続的に実施するなど、震災後の子どもたちの心のケアを最優先していく。

 豊かな心は、社会で生きていく上で、自分が置かれた状況に応じた意思決定と責任のある行動を促す。ふるさと厚真と自分自身とのつながりを認識しながら成長できるよう、発達段階に応じた感性豊かな心を育てていく。

▼質の高い教育を支える教育環境の確保

 小・中学校間の連携・接続の推進については、本年度から新たに小中一貫教育を導入する。英語教育、コミュニケーション力の育成を軸に「ふるさと」をキーワードに位置付け、義務教育9年間で目指す子どもたちの姿を共有し、関係者の皆さんと協議・検討し、小中一貫教育の有効な推進に向けた組織のあり方や取組などを確立していく。

【社会教育】

▼社会全体の教育力の向上

 教育の出発点でもある家庭の教育力の向上について、電子メディアとのかかわりに焦点化し、子どもたちが発達段階に応じた自己コントロール力を身に付け、望ましい生活習慣が定着できるように、30年度に引き続き、厚真町アウトメディア運動を展開する。

(市町村 2019-04-04付)

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