大切なのは意識改革 道中理事研 新沼新会長あいさつ(関係団体 2019-04-10付)
運営方針の重点について、大きく2点話した
7日に開かれた道中学校長会第1回理事研修会における、新沼潔新会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
私たち校長は、校長会の使命である教育の質の向上を目指し、専門家集団としてのリーダーシップを発揮しながら、授業の質を高め、学校力の向上のために全力を注がなければならない。
これまでの各地区、各学校での実践の成果を十分踏まえ、地域や保護者と共有・連携・協働しながら、子どもたちに学ぶ喜びをさらに実感させられるよう、粘り強く着実な取組を今後も進めることが重要である。
道中の組織は政令指定都市への税源移譲によって、これまで札幌市の校長先生方にすべての運営をお願いしてきた組織から、全道すべての地区の校長先生方の協力のもと運営していく組織へと大きな改革が行われた。
30年度はその初年度として「つなげ合い、新たな道を拓く 道中」というキャッチフレーズを掲げ、橋本前会長の強いリーダーシップのもと、様々な困難を一つ一つ克服し解決しながら「チーム道中」として1年を大きな成果とともに終わることができた。
私たちはこれまでの道中の歴史の中で、先達が脈々と積み上げてきた思いをしっかりとつなげながら、全道各地区の校長先生方との強い連携のもと、今まで以上にオール北海道、チーム北海道として新たな道を開いていくよう、強い覚悟をもって活動を推進させていきたいと決意するところである。
さらに、現在中学校では新学習指導要領の完全実施を2年後に控え、移行期に入っている。また、部活動を含む教職員の働き方改革が急速に進められている。これら大きな課題解決のため、本年度のキャッチフレーズとして「覚悟を持ち 新しい道へ進む 道中」を掲げさせていただく。道中70数年の歴史という縦のラインと、全道571人の会員による横のラインをつなぎ合い、新たな組織体制で臨む道中の今後の道を開きながら、活動を前進させることができるよう、校長先生方の支援、協力をあらためてお願いする。
本日は、4月26日に開催される2019年度第92回総会・研修会での提出議案などについて協議を行い、総会議案を正式に決定していくことが中心となる理事研修会である。どうぞよろしくお願いする。
つぎに、運営方針の重点について、大きく2点について話す。
まず1点目は、新学習指導要領の施行に向けての取組について。
今、社会は大きな変化のうねりの中にある。これからの子どもたちは、AIなどの新しい技術を取り入れ社会的課題を解決していくSоciety5・0の社会が目前に迫っている。そして人生100年をたくましく生きていくことも求められている。さらには外国人労働者との共存も避けては通れない現実もある。
そんな子どもたちに知・徳・体にわたる生きる力を育むため主体的・対話的で深い学びを実現していくことや、カリキュラム・マネジメントの確立は大きく喫緊の課題と言える。
29年3月に告示された新学習指導要領の実施を2年後に控え、今、移行期間にある。各校においてはその周知を行うとともに、実施に向けた様々な取組がなされていると思う。
小学校においては1年早く実施され、英語の教科化やプログラミング教育の導入など大きな改革がなされていくが、中学校においても、小学校の改訂を中学校でどのように深化・発展させていくかは大きな課題と言える。さらに道徳の教科化も課題として挙げられる。
このほかにも多くの課題が山積する中で、大切になるのは一人ひとりの教員の意識改革になる。それを硬直的と言われる教員の世界で、適切な情報提供とリーダーシップで着実に進めていくことが、私たちに求められている。
今、覚悟をもって進めることが、これからの10年の教育を決定づけるという意識で、道中学校長会が一体となって進めていきたいと思う。よろしくお願いする。
2つ目は、教職員の働き方改革について。
私たちは、これまで子どもたちのため、という教員の使命感のもと、勤務時間に関してあまり意識せずにきた。有給休暇の取得についても課題がある。
特に中学校において大きな課題としてあげられる部活動の問題。これら諸問題の改善・改革を目指した「北海道アクション・プラン」が道教委から30年度末に出され、31年3月には改訂も行われた。その内容やスピード感には道教委の危機感と本気度を感じる。
今、この機会に私たち校長が覚悟をもって真摯に取り組むことは絶対に必要なことと考える。この機会を逃せば、今後の教育界に大きな禍根を残すことになる。
教員が疲弊した中で良い教育は行われない。さらに、このままでは優秀な人材も集まらなくなってしまう。
今後の学校教育の質を保証するために道中では「働き方改革」を重点として取り組んでいく。
各校長先生方の支援と協力をよろしくお願い申し上げる。
そのほかにも、これまで道小学校長会・道公立学校教頭会とともに継続して進めている道教委との要望書の取組、それを受けての文教施策懇談会・各課懇談会については、これまで築いてきた道教委との信頼関係の上に、本年度も良好な関係性をさらに積み重ねていきたいと思っている。皆さんの理解と協力をお願いする。
また、服務規律の確保についても、昨年度も道内では飲酒運転やわいせつ行為などの事案を根絶することができなかった。交通事故・違反はもとより、体罰事故や金銭事故など、信用失墜行為を根絶し、今後一層、コンプライアンスの定着を目指して職場が一体化していけるよう、全道の校長先生方に働きかけていきたいと思う。
(関係団体 2019-04-10付)
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