新冠町31年度教育行政執行方針 CS推進委員会を組織 町立学校の在り方検討へ(市町村 2019-04-15付)
新冠町教委・山本政嗣教育長
【浦河発】新冠町教委の山本政嗣教育長は31年度教育行政執行方針で、地域全体で幼小中の各教育課程を支援する体制構築に向け、コミュニティ・スクール推進委員会を組織する考えを示した。このほか、町立学校のあり方検討委員会を設け、学校施設の老朽化対策や小中一貫教育を見据えた環境整備について検討・協議し、今後の方向性を具体化する方針を明らかにした。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【生きる力を育む学校教育の充実】
▼確かな学力の向上
各小・中学校における教育課程においては、目指す資質・能力を明確化し、教育活動の質の向上を図るために、教育課程のPDCAサイクルを循環型のマネジメントとして機能させ、学校全体で実践活動の改善に取り組んでいくほか、教師の指導力向上を図る取組として「教える」から「学ぶ」への転換を意識した授業改善を推進し、合わせて、見直す・振り返る学習活動や主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を推進していく。
情報化社会に適応する人材育成に向けた情報教育を進めるために、ICT機器を活用した分かる授業づくり、プログラミング教育やeラーニングシステムの活用など、児童生徒に適切な情報活用能力を身に付ける取組や研究を進めていく。
外国語教育においては、ALTの有効な活用を通じ、実践活動の充実を図るとともに、外国語授業における小中学校の接続を円滑に進めるため、乗り入れ事業を実施していく。
▼豊かな心と健やかな体の育成
体力運動能力調査の全学年、全種目実施と結果分析に基づく対策検討に努めるほか、幼小中の連携事業として実施している縄跳びについても効果検証を行うとともに、体力向上に向けた1校1実践の取組を進めていく。
豊かな心を育成し、想像力を高め、豊かな情操を育む上で読書は重要な教育活動であることから朝読書などの活動を推進し、読書の定着と読解力や言語能力の育成を図っていく。
▼道徳教育の推進
本年度は、あらためて実施計画を見直し、授業の中で「考えを議論する道徳」の研究を進めることで、子どもの道徳的な判断力・心情・実践意欲と態度を育む授業の構築を進め、授業公開にも努める。
▼特色ある教育活動
児童生徒が自立した社会人となるためにキャリア教育は欠かせない教育活動であることから、地域人材のゲストティーチャーとしての活用や町内企業の協力を得ながら職場体験を実施するなど、望ましい勤労観や職業観の育成に努める。
▼特別支援教育の充実
個別の指導計画・教育支援計画の作成に基づく切れ目のない一貫した支援体制を確立し、関係機関と連携した早期教育相談と支援を推進していく。
▼信頼される学校づくりの推進
本年度から、小・中学校に学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を設置し、加えて、各校に設置する運営協議会とは別に、地域全体で幼小中の各教育課程を支援する体制を構築するため、コミュニティ・スクール推進委員会を組織し、幼稚園教育・義務教育期間12年間を見据えた教育環境づくりを推進する。
▼教育環境の整備
本年度の学級編成は、新冠小学校では2学級減、新冠中学校では1学級減となり、朝日小学校においては、さらに複式化が進む見込み。
学級数が減少すると、1学級当たりの児童生徒数が増加し、授業や学級運営に影響を及ぼすことが予想されることから、各小中学校に対し引き続き、学校事情に応じ学習支援員を配置する。新冠中に対しては、対象となる学年が3年生であり、進路決定や受験時期であることに鑑み、学級環境を維持することが望ましいとの判断から、期限付きで町費負担教諭を1人配置し、2学級を維持する。
今後の教育環境に関しては、町費負担教員の学校規模に応じた適正な配置計画や学校施設の老朽化対策、小中一貫教育を見据えた環境整備に関し、検討を加える時期であるとの認識から、町立学校のあり方検討委員会を組織して検討・協議を行った上で、教委の考え方を具体化していく。
(市町村 2019-04-15付)
その他の記事( 市町村)
えりも町31年度教育行政執行方針 地域学校をスタート 幼小教育接続を円滑に
【浦河発】えりも町教委の川上松美教育長は31年度教育行政執行方針で、新たに地域の人々がともに学校を支える「えりも型地域学校」をスタートさせる考えを示したほか、幼児教育と小学校教育の円滑な接...(2019-04-17) 全て読む
芽室町31年度教育行政執行方針 個に応じた指導推進へ CS導入し学校運営強化
【帯広発】芽室町教委の武田孝憲教育長は31年度教育行政執行方針で、少人数学級を通して個に応じたきめ細やかな教育を推進すると説明した。コミュニティ・スクール(CS)を導入し、熟議と協働による...(2019-04-17) 全て読む
統括コーディネーター派遣 新琴似北小など2校に サッポロサタデースクール事業―札幌市教委
札幌市教委は本年度、サッポロサタデースクール事業で、新琴似北小学校・市立札幌みなみの杜高等支援学校の2校に統括コーディネーターを派遣する方針だ。事業実施に当たって、学校と地域の連絡調整など...(2019-04-16) 全て読む
日高町31年度教育行政執行方針 日高高の生徒確保へ CSで地域とある学校を
【浦河発】日高町教委の武田啓嗣教育長は31年度教育行政執行方針で、コミュニティ・スクールで小・中学校の連携を図り、地域とともにある学校づくりを推進する考えを示した。町立の日高高校については...(2019-04-16) 全て読む
中・高の授業を補完 16日から公設民営塾開設 寿都町
【倶知安発】寿都町は、きょう16日から通年の公設民営塾を開設する。公設民営塾は、寿都高校存続の取組の一環として寿都高と寿都中学校および近隣町村中学校の生徒を対象に、基礎学力や勉強意欲の向上...(2019-04-16) 全て読む
31年度札幌市教委のアイヌ民族教育 指導資料第6集作成へ 関連法成立後に内容修正
札幌市教委は、31年度の研究開発事業「アイヌ民族に関する教育の充実」で、『アイヌ民族の歴史・文化等に関する指導資料』第6集を作成する方針だ。アイヌ民族に関する教育の普及・啓発を図るもの。国...(2019-04-12) 全て読む
浦河町31年度教育行政執行方針 学力向上対策 最重点に 小学校外国語指導教員配置
【浦河発】浦河町教委の浅野浩嗣教育長は31年度教育行政執行方針で、学力向上対策と新学習指導要領への対応を最重点課題として取り組む考えを示した。新たに、小学校外国語活動巡回指導教員を配置し、...(2019-04-12) 全て読む
様似町31年度教育行政執行方針 小中一貫相互授業を推進 幼児センター含めたCSを
【浦河発】様似町教委の荒木輝明教育長は31年度教育行政執行方針で、学力向上対策として、小・中学校の教員が学校種の枠組みを超えて授業を行う小中一貫相互授業を進め、授業内容の理解と定着を図る考...(2019-04-12) 全て読む
平取町31年度教育行政執行方針 全小・中学校でCS導入 びらとり義経塾を継続
【浦河発】平取町教委の庄野剛教育長は31年度教育行政執行方針において、町内全小・中学校でコミュニティ・スクール(CS)を導入することを明らかにした。また、町内の中学生、平取高校生徒を対象と...(2019-04-12) 全て読む
30年度全国体力・運動能力等調査―江別市教委 体力合計点 男子は平均以上 小学生「中学校で運動したい」
江別市教委は3月下旬、30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果の概要を発表した。全国平均を50・0としたT得点で表示。体力合計点は小・中学校の男子が全国平均を上回り、小学校女子は全国...(2019-04-11) 全て読む