小学校イングリッシュルーム 7校設置、3校で予定 十勝管内 学習意欲喚起など
(学校 2019-05-08付)

 【帯広発】十勝管内では、児童が外国語学習に意欲的に取り組めるよう、小学校でのイングリッシュルーム設置の動きが広がっている。本紙調査では、3月末現在、管内7校に設置されており、開設を予定している小学校は3校に上る。

 イングリッシュルームは外国語学習の特別教室。掲示物などを用いて子どもの学習意欲を喚起するとともに、教員同士で教材の共有や保管ができる。

 2020年全面実施の新学習指導要領では、小学3・4年生における外国語活動の必修化が定められている。道内各校では、授業カリキュラムの編成、指導案の検討、時数増への対応などの準備を進めている。

 外国語学習への対応方法として、児童が英語を話してみたくなるような学習環境の整備、英語に慣れる機会の設定、児童の外国語学習への意欲喚起の観点から、外国語学習特別教室を設置する学校がある。

 本紙調査によると、十勝管内では2018年度末現在、帯広市立柏小学校、帯広市立緑丘小学校、鹿追町立鹿追小学校、鹿追町立瓜幕小学校、鹿追町立通明小学校、鹿追町立上幌内小学校、鹿追町立笹川小学校の7校が外国語学習特別教室や外国語学習コーナーを校内に設置。帯広市立広野小学校、中札内村立中札内小学校、中札内村立上札内小学校の3校で開設を予定している。

 設置理由は、余剰教室の有効活用のほか、教務部や研修部の担当教員が設置に向けて積極的に働きかけているなど様々。鹿追町では、2003年から文部科学省の研究開発指定校として、町内全小学校に外国語学習の特別教室や特別コーナーを設置した。

 特別教室に英語のポスターや、英語で天気や曜日などを書いた掲示物、洋書の絵本や辞書、パソコンソフトの映像や音声を視聴できる液晶テレビ・プロジェクターなどが設置されている。

 教室の棚には、研修部などが作成したピクチャーカードや黒板の掲示物の教材が保管されており、教室を使用するほかの教員と共有できる。授業を行う教員からは「新しい教材が追加されていたりするので便利」「教材を共有できて準備時間の短縮につながる」などと好評を得ている。

 一方、3年生から6年生までが2クラスで特別教室を使用する学校では、利用スケジュールがひっ迫している状況にある。「1学年が3クラス以上だと、外国語学習の全授業を特別教室で組むのは難しいかもしれない」といった声も聞こえる。

 中札内村教委は教育行政執行方針の中で、小学校における外国語学習の特別教室「イングリッシュルーム」の設置を掲げており、4月内には各小学校で設置を終えた。

 髙橋雅人教育長はイングリッシュルーム設置について、教室の床に方位を示す、海外の時刻を表示するなどの実例を挙げ、「イングリッシュルームの活用は、先生たちの創意工夫によって授業実践をとても豊かなものにできる」と強調。

 「児童生徒が英会話にたくさん挑戦して、たくさん間違えるという経験が、英語の力を伸ばす上では何よりも大切」と説明する。

(学校 2019-05-08付)

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