札教研事業春の研究集会―④御恩と奉公の理解深化

（関係団体 2019-06-14付）

御恩と奉公の強い関係に気付かせた

　札幌市教委は１１日、元年度札幌市教育研究推進事業（＝札教研事業）春の研究集会を開いた。各研究部が市内の各学校等を会場に、国語や算数・数学、社会、外国語活動、道徳などの公開授業などを実施。授業改善のヒントや、授業づくりの手立てなどを示し、教職員の資質・能力の向上に努めた。

◆厚別区小学校社会研究部　青葉小

　厚別区小学校社会研究部の会場となった青葉小学校（大嶋稔康校長）では、６年２組「武士の世の中へ」（松崎加留奈教諭）を公開。松崎教諭は、承久の乱において幕府側に武士２０万騎が集結した理由を問いかけながら、御恩と奉公で深く結び付いていた関係を気付かせた。

　同部は、研究テーマ「分かる・できる・楽しい“授業づくり”の充実」のもと、研究を進めている。

　公開授業は５時間扱いの３時間目。松崎教諭は、本時の目標を「頼朝が亡くなったあとに起きた承久の乱で、武士がなぜ幕府側についたのかを考えることで、御恩と奉公の強い関係に気付くことができる」「考えたことをノートにまとめたり、発言したりすることができる」と設定した。

　児童たちは前時までに、鎌倉幕府は頼朝の御恩と武士の奉公によって、幕府と武士の関係が成り立っていることを学習している。

　松崎教諭は、源頼朝が亡くなったあと、承久の乱が発生したことを紹介。当初は朝廷側が兵数約１７００騎、幕府側が１８騎しかいなかったことも説明した。

　幕府側の兵力が、のちに２０万騎に膨れ上がったことを紹介。急激な増加に興味・関心をもたせた上で、たくさんの武士が幕府のためになぜ戦ったのかを問いかけた。

　児童たちは「領地を認めてくれた」「源頼朝への恩」「武士が暮らしやすいようにと考えた」などと発表。交流の内容を取り上げることで、御恩と奉公の結び付きから、武士が幕府側についたことを理解させた。

　また、北条政子の呼びかけを紹介し、幕府側の武士たちが感謝や恩を感じて出兵したことに気付かせた。

(関係団体 2019-06-14付)