札教研事業―札幌市教委②より良い対話へ工夫促す

（関係団体 2019-06-14付）

リアクションを考えさせた

　札幌市教委は１１日、元年度札幌市教育研究推進事業（＝札教研事業）春の研究集会を開いた。各研究部が市内の各学校等を会場に、国語や算数・数学、社会、外国語活動、道徳などの公開授業などを実施。授業改善のヒントや、授業づくりの手立てなどを示し、教職員の資質・能力の向上に努めた。

◆中学校外国語研究部　明園中

　中学校外国語研究部の会場となった明園中学校（菊池浩樹校長）では、３年２組「ＰＲＯＧＲＡＭ２―２」（吉田俊介教諭）の授業を公開した。ペアやグループによる対話を通して、より良いコミュニケーションを成立させるための工夫を考察させた。

　外国語研究部は、研究テーマに「コミュニケーション能力の育成を目指し、４技能を統合した活動を創造する“分かる・できる・楽しい授業づくり”の研究」を据えた。

　授業は８時間扱いの６時間目。本時の目標を「おすすめの場所について、相手が行きたくなるような内容や表現方法を考え、紹介することができる」「相手のメッセージに適切なリアクションを考え、応答することができる」とした。

　吉田教諭は、教科書の例文を読む生徒とリアクションを取る生徒に役割を分担し対話させた。生徒の的確な応答をホワイトボードに記載。「Ｎｉｃｅ」など一言で返答した生徒に対し、別のリアクションを促すために例を示し、回答の幅を広げることができるよう展開した。

　続いて、自分のおすすめの場所や訪れたことのある場所を紹介する文章を書くよう促し、一方的な音読にならないためのポイントを考えさせた。生徒から「間を空ける」「相手の顔を見る」などリアクションを取りやすくするための工夫を引き出した。

　グループで発表させたあと、本時で学んだことや感じたことをワークシートに記入させた。リアクションを振り返らせ、次時の学習に見通しをもたせた。

(関係団体 2019-06-14付)