大学入学共通テストの英語で要望　地域格差解消など３点　道教委と道議会文教委員会

（道・道教委 2019-10-29付）

　道教委と道議会文教委員会は、２１日付で文部科学大臣に対して、『大学入学共通テストにおける英語の資格・検定試験に関する提案・要望書』を提出した。２５日に開いた記者会見で道教委・佐藤嘉大教育長が明らかにしたもの。「受験機会の格差解消に向けた実施体制の確立」「地域間格差解消に向けた検定料および交通・宿泊費への支援制度の創設」「必要な情報の速やかな提供」の３点を要望した。

　大学入学者選抜においては、英語の４技能「聞く」「話す」「読む」「書く」を適切に評価するため、令和２年度から開始される大学入学共通テストの枠組みで、民間事業者が実施している資格・検定試験が活用される。

　提案・要望書では、「広域分散型の本道において、どの地域においても、子どもたち一人ひとりが自らの可能性を最大限に伸ばしていくことができる教育環境の整備が不可欠」と指摘。大学進学に関しても、それぞれが希望する大学進学を実現するために、居住地域や家庭の経済状況などの事情によって資格・検定試験の受験機会に格差が生じることがないよう配慮する必要性を示した。

　その上で、①受験機会の格差解消に向けた実施体制の確立②地域間格差解消に向けた検定料および交通・宿泊費への支援制度の創設③必要な情報の速やかな提供―の３点を要望した。

　①では、高校などを会場に指定し、試験会場を増設することで、居住地による受験機会の格差が生じることのない実施体制の確立を要望。その際には、運営主体の責任において試験が実施され、試験会場となる高校などへの負担が生じないように配慮するよう求めた。

　②は、受験生・保護者にとって経費負担をかんがみ、英語の資格・検定試験の検定料負担に対する支援を行うとともに、へき地や離島に居住し、試験会場が遠方にならざるを得ない人に対する交通費や宿泊費などを支援するよう訴えた。

　③については、試験日程や会場などの情報が現段階では詳細が公表されていないことから、速やかに公表するよう求めた。

(道・道教委 2019-10-29付)