高教研が第５７回研究大会開く　教員自身の活動ふかん　生徒の未来見据え　林会長

（関係団体 2020-01-10付）

約１７００人が参加した

　道高校教育研究会（＝高教研、林恵子会長）は８日から２日間、札幌市民交流プラザなどで第５７回道高校教育研究大会を開催した。全道から高校教諭など約１７００人が参加し、研究主題「北海道の新たな時代を拓く高校教育の創造」のもと、高校教育の充実・発展を目指して研鑚を積んだ。開会あいさつに立った林会長は、生徒が成長し生きていく社会の在り方や未来の形を想像し、教員自身の教育活動をふかんする必要性を訴えた。

　初日は、札幌市民交流プラザで全体集会を開いた。

　開会式では、林会長があいさつ。少子高齢化やグローバル化、ＡＩ、ＩｏＴなどの急速な進展によるＳｏｃｉｅｔｙ５・０の到来などを踏まえ、「生徒一人ひとりに能動的に学ぶ姿勢を身に付けさせるとともに、文理両方をバランスよく学ぶことを通して、Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０をたくましく生きる人材育成が求められている」と指摘した。

　また、「教員は、生徒が成長し生きていく社会の在り方やその未来の形を想像し、そこにつながる営みとして自身の教育活動をふかんする必要がある」と強調。今後も会員として北海道の高校教育の一層の充実・発展に寄与するよう求めた。

　続いてあいさつに立った道高校長協会の宮下聡会長は急変する教育環境にふれ、「これからの時代を担う子どもたちにとって、社会に貢献していくための資質・能力を身に付けることが求められている」と述べ、特に言語能力や情報活用能力を育成する必要性を説いた。

　次いで、道教委の佐藤嘉大教育長と札幌市教委の長谷川雅英教育長が来賓祝辞。

　佐藤教育長は、国のＧＩＧＡスクール構想について「道教委として今後、ＡＩやＩＣＴを使って世界で渡り合っていける子どもたちを育むためにどのような教育が必要なのか、皆さんと一緒に考えていきたい」と述べた。

　長谷川教育長は、高校において、幼・小・中の各段階を通じて身に付けてきた能力をより一層高めていくために、教科等横断的な学習を充実させ、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて授業改善を進めていく必要性を示した。

　このあと、北海道大学北極域研究センターの齊藤誠一研究推進支援教授が「これからの北極域研究―気候変動とＳＤＧｓの視点から」と題して講演。平成２７年から始まった北極域研究推進プロジェクトの研究成果をもとに、今後の北極域研究の在り方を説いた。

　２日目は、国語、保健体育、農業などの各部会ごとに札幌・小樽各市内の１４会場で教科別集会を開いた。

(関係団体 2020-01-10付)