文科相　新学期からの学校について　基本的に再開　準備を　ＧＩＧＡスクール前倒し

（コロナウイルス関連 2020-04-02付）

　都市部を中心に新型コロナウイルス感染者が増加している中、萩生田光一文部科学大臣は３月３１日、感染症対策を講じた上で基本的には新学期からの学校再開へ準備を進める必要性を示した。臨時休業のガイドラインの具体的な内容を示すとし、オンライン授業の早期実現のため、令和４年度末までに児童生徒１人１台のコンピューター端末整備を目指すＧＩＧＡスクール構想の前倒しの可能性に言及。今後、政府が策定する経済対策に提言するとした。　

　文科省は３月２４日、「新型コロナウイルスに対応した学校再開ガイドライン」「臨時休業の実施に関するガイドライン」を発表。「密閉」「密集」「密着」の３条件を回避するため、教室の換気の徹底やマスクの使用など感染症対策の方針を示した。

　一方、都市部を中心に新型コロナウイルスの新規感染者、感染源が不明な感染者数が増加している状況にあり、２８日の記者会見で安倍晋三首相は、学校再開に当たって、あす３日開催予定の専門家会議での意見を聞く考えを示した。

　萩生田大臣は３月３１日の記者会見で、専門家会議の見解や今後の感染拡大の状況を踏まえ、臨時休業の実施に関するガイドラインの具体的な内容を示す考えを表明。「子どもたちの学習機会を保障するため、感染症対策に万全を期した上で、基本的に学校を再開することが望ましい」とした。

　新学期当初に分散登校や時差通学を実施する可能性にもふれ、感染者が急増する地域では「地域の判断によって、新学期に一定程度の臨時休業を実施する可能性も視野に入れる必要がある」とし、引き続き警戒を緩めずに学校再開への準備を進める必要性を強調した。

　また、ＧＩＧＡスクール構想前倒しについて言及。政府が策定する経済対策において、休校中のオンライン授業などを可能とするＩＣＴ環境の早期整備の必要性を提言するとし「短期間で整備を前倒しできればと期待している」と述べた。

　オンライン授業を実施する場合には、Ｗｉ―Ｆｉなど家庭における受信環境も必要となることから「ルーターの貸し出しなどを含めた様々な対応について見直し、可能な準備を加速させたい」と意欲をみせた。

　家庭学習におけるＩＣＴ活用に関しては「こうした緊急事態では非常に有効なツール」とし、全国で学校が一斉臨時休業となった今回の事態を踏まえ、今後の活用を検討するとした。

(コロナウイルス関連 2020-04-02付)