感染症対応の教育活動 札幌市教委 密閉空間等避け学習を ガイドラインとプラン作成
(コロナウイルス関連 2020-04-01付)

札幌市教委ガイドライン1
子どもの心と体と学びを守る学校教育プラン・学校の取組など(クリックすると拡大表示されます)

 札幌市教委は3月30日、新型コロナウイルス感染症に対応した令和2年度における教育活動の実施について全市立学校長あてに通知した。「札幌市における教育活動のガイドライン」「子どもの“心と体”と“学び”を守る学校教育プラン」を作成。「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」の3条件を避けた学習活動や学校行事、部活動などに取り組むことを求めている。

 市教委は、現在も新型コロナウイルス感染症の流行が継続していることから、新学期において新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた教育活動の実施方法について、教育活動のガイドラインと、子どもの“心と体”と“学び”を守る学校教育プランをまとめた。

 ガイドラインでは、感染症対策のポイントとして「感染源を絶つこと」「感染経路を絶つこと」「抵抗力を高めること」の3点を提示。「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」の3条件が重なった場で集団感染が確認されたことから、徹底的に避けることを求めている。

 学習指導については、学習に著しい遅れが生じることのないよう、一斉臨時休業に伴い、元年度に指導することができなかった単元や題材を2年度の教育課程に位置付けて実施するといった必要な措置を講じるなど、配慮することを求めている。

 補充のための授業など必要な措置を講じる場合は、児童生徒の学習状況や教職員の勤務状況を十分考慮することを強調。留意点として、「学期中に補充のための授業を実施する場合においても、標準時数を超えて授業時数を確保する必要は必ずしもないこと」「札幌市として、学校管理規則に定められている長期休業を短縮することや、土曜日に授業を行うことについては、現段階においては想定していないこと」などを挙げている。

 各教科などの指導については、「体育科、保健体育科において、大人数が密集するような運動を避ける」「外国語活動、外国語科において、近距離で対面してコミュニケーションすることを控える」「特別活動や総合的な学習の時間において、高齢者とのかかわりを伴う学習活動を控える」など、教科の特質に応じた対応例を示している。

 学校行事について、修学旅行などはその教育的意義や児童生徒の心情にも配慮し、中止ではなく延期を検討することを求めた。そのほかの行事についても、「小学校における運動会の練習を行う場合は児童の密集を避ける」など、「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」の3条件が重ならないよう、それぞれの学校行事における活動の特徴に応じて適切に対応することを強調している。

 部活動の実施に当たっては、集団感染の3条件が重ならないよう、実施内容や方法を工夫した上で、始業式以降に活動を可能とした。なお、当面の間は自校での活動とし、交流試合などは控えることを求めた。

 学校給食においては、飛沫感染を防ぐため、児童生徒同士の間隔を手の届かない程度確保することのほか、盛り付けおよび配食を行う児童生徒の健康状態(下痢・発熱・腹痛・嘔吐等の症状の有無)、身支度やマスクの着用を確認し、記録に努めることなどを求めている。

 また、文部科学省が作成した新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドラインを踏まえた札幌市の取組として、子どもの“心と体”と“学び”を守る学校教育プランを作成。プランを教職員に周知するほか、学校のホームページに掲載するなどして保護者に知らせることを求めている。

 プランでは、「感染症対策」「心と体のケア」「学びのケア」の3点について学校の取組を提示。教育活動上の対応や、児童生徒への配慮、部活動の実施などについてまとめている。

 また、保護者に対して児童生徒の登校前の検温、外出後の手洗いなどの呼びかけのほか、市教委が作成した動画を参考に児童生徒が適度な運動を実施するよう呼びかけている。

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札幌市教委ガイドライン2
子どもの心と体と学びを守る学校教育プラン・教育活動上の対応など(クリックすると拡大表示されます)

(コロナウイルス関連 2020-04-01付)

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