札幌市　１人１台タブレット　６月以降　整備加速化　年度内完了目指し補正計上へ

（市町村 2020-04-17付）

　札幌市は本年度、全市立学校において１人１台のタブレット端末の整備を計画している。国の補正予算案で措置したＧＩＧＡスクール構想加速化に向けた補助金を活用し、関連経費を盛り込む補正予算案を２定市議会または臨時市議会に提出する。追加する整備事業費に多ければ当初予算措置分の２倍程度となる約３８億円程度を見込む。４ヵ年を予定していた計画期間を見直し、１年間での完了を目指す。６月以降に校内ＬＡＮの整備も含めたＩＣＴ環境の整備を加速化させる方針だ。

　市は当初予算において、GIGAスクール構想を踏まえた教育の情報化推進費として４５億８６００万円を計上。うち、校内通信ネットワーク整備事業に２６億３０７万円、児童生徒用の端末の整備事業費に１９億８２００万円を充てた。

　当初は、本年度、市内の公立小・中学校、特別支援学校（小学部・中学部）の校内LAN整備のほか、小学５・６年生、中学１年生約４万４０００人の児童生徒用タブレット端末機器を配備する予定だった。

　政府は７日、令和２年度補正予算案を閣議決定。GIGAスクール構想の加速化に２２９２億円を計上した。萩生田光一文部科学大臣は、当初、５年度を目標としていた児童生徒１人１台端末の整備を前倒しし、本年度中に完了を目指す意向を示した。

元年５月１日時点の市内小・中学校の児童生徒数は約１３万２０００人。当初予算に組み込んだ約４万４０００人分のタブレット端末導入予定数を差し引くと約８万８０００人分が必要となり、各学校に設置している既存の端末の活用を含めた上で、多ければ当初のタブレット端末整備事業費１９億８２００万円の約２倍程度を今後の事業費として見込んでいる。

　今後、追加で計上される整備事業費のうち、３分の２は国からの補助金、３分の１は一般財源のほか、地方交付税交付金等で組み込まれる見通し。

　市教委は今後、臨時市議会の開会も視野に、第２回定例市議会までに補正予算案の提出を目指す。予算案承認後、国の交付決定が行われ次第、６月以降にも全市立小・中学校への校内LANの整備、児童生徒１人１台タブレット端末の導入に向けて取組を加速させる考え。

　なお、国が示した緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備として、Ｗｉ―Ｆｉ環境が整っていない家庭に対する貸与等を目的に、モバイルルーターの整備についても検討していく考え。

(市町村 2020-04-17付)