【解説】学生支援緊急給付金を創設

（コロナウイルス関連 2020-05-21付）

　政府は１９日の閣議で、学びの継続のための“学生支援緊急給付金”創設を決定した。新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が激減した学生に１０万円、住民税非課税世帯の学生には２０万円を給付するもの。対象者は約４３万人で、大学が窓口となって審査し、日本学生支援機構に申請する。

　国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団体連合会は１１日、文部科学大臣に「新型コロナウイルス感染症に対応した学生への経済的支援に関する緊急要望」を提出。感染症の影響で学業を断念せざるを得ない学生のため、今後の生活や学業を継続するための支援を求めた。

　これを受けて政府は、１９日の閣議で給付金の創設を決定。対象は、国公私立の大学・大学院・短大・高専・専門学校で、家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄う学生。感染拡大による影響でアルバイト収入が大幅に減少し、就学の継続が困難な学生に給付する。

　対象者は約４３万人。給付額は住民税非課税世帯の学生が２０万円、それ以外の学生が１０万円となる。予備費の約５３０億円を財源とする。

　大学が対象学生の状況を審査し、日本学生支援機構に対象者のリストを提出。学生に支給する仕組みとなっている。

　萩生田光一文部科学大臣は１９日の記者会見で、学生が進学や就学を諦めることがないよう、速やかな支援が必要と強調。

　独自に様々な支援策を講じる大学がある一方、コロナに不安を抱く学生のための相談窓口に連絡がつかない大学もあるとし、改善を要請していることを伝えた。また、「自校の学生の生活形態を共有してほしいと思い、学校を窓口とした」と説明し、学校と責任を共有して学生を支援していく考えを示した。

(コロナウイルス関連 2020-05-21付)