道教委リモート学習応急対応マニュアル 情報セキュリティ確保を ハード・ソフト両面で留意点示す
(コロナウイルス関連 2020-05-22付)

 道教委は、新型コロナウイルス感染症対策にかかる『リモート学習応急対応マニュアル』を作成した。ハード・ソフト両面での活用方法と補完する手立て、留意点などをまとめている。

 マニュアルの内容はつぎのとおり。

【ICTを活用した家庭学習支援の具体的な取組】

▼学校ウェブページへの教材等の掲載

 各学校のウェブページに、学習教材および活用方法、児童生徒や保護者への連絡等を掲載することで、家庭での学習や生活についての支援が可能。なお、一般に公開していない配布物等を掲載する際には、パスワード付きPDFファイルを使用するなど、情報の管理に留意する。

▽実践校

・厚真町立上厚真小

・新篠津村立新篠津中

・札幌手稲高

・札幌聾ほか

▽ポイント―教員が自宅等でウェブコンテンツを制作する場合について

・教員が自宅等でICTを活用する際の留意点

 教員も学校で整備された端末を持ち帰ったり、自宅等の端末を利用したりすることが想定されることから、児童生徒と同様に情報セキュリティの確保に留意する。

 テレワークなど自宅等でのICTの活用に当たっては、一般に広く普及しているオンラインストレージなどのクラウドサービスや、ソフトウエアのインストールやデータのダウンロードが不要なブラウザ上で使えるサービスを適切かつ積極的に活用することで、機微情報を物理的に持ち運ぶ必要がなくなる。

▼インターネット上の学習コンテンツの活用

 インターネット上にある様々な学習コンテンツを活用することが可能。サイトで文部科学省や道教委で作成したコンテンツの公開や、インターネット上のコンテンツを紹介している。

 家庭によっては、パソコンやタブレット、スマートフォンのフィルタリング設定によって、これらのコンテンツを閲覧できない場合がある。情報セキュリティを十分意識した上で、児童生徒が視聴することについて保護者の十分な理解と協力を得る必要がある。

 また、国の「学びを止めない未来の教室」のサイトでは、民間企業による学習支援コンテンツが多数紹介されているので、活用の参考にしていただきたい。

▽主なサイト

〈文部科学省〉

・子供の学び応援サイト

〈道教委〉

・家庭学習のすすめ(義務教育課)

・どさんこ学び応援サイト(義務教育課)

・Online学習サポートサイト(高校教育課)

・家庭で学べる教育に関するホームページインデックス(道立特別支援教育センター)

・学級の様子を踏まえた学級活動(道立教育研究所)

・健康観察チェックシートサンプル(道立教育研究所)

〈経済産業省〉

・子供の学びを止めないプロジェクト

〈NHK〉

・NHK for School

・NHK高校講座

▽ポイント―インターネット上の学習コンテンツの活用について

〈文科省「ICT活用事務連絡」〉

・オンラインコンテンツの活用のための情報セキュリティ

 通常は学校等において制限をかけている動画視聴やホームページへのアクセスも、現在が緊急時下であること、さらに、これらの媒体によって関係機関が多くの情報を提供していることから、フィルタリングソフトの設定を見直すことや、特定の無線アクセスポイントのみ接続許可している設定を外すなど、学校の情報機器でもこれらを視聴可能とできるよう工夫いただくようお願いする。

▼動画投稿サイトを活用した授業等動画の配信

 各学校で作成した授業等動画をYouTube等の動画投稿サイトにアップロードすることで、児童生徒が繰り返し閲覧しながら学習することができる。また、学校ウェブページ等に掲載した説明用テキストやワークシートなどを使用しながら、動画を閲覧し、学習することも可能。

 必ずしも、各学校の教員が作成した独自コンテンツのアップロードにこだわらず、既存の動画などの活用も検討する。

 なお、自校の児童生徒を対象とした限定公開でアップロードすることになるため、動画を他のサイトに転載するなど拡散させないよう留意する。

 道立学校における動画アップロードの留意点やフィルタリング解除申請等については、つぎの通知を参照していただきたい。

・新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業時におけるICTを活用した学習支援について

・新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業時における家庭学習支援に関するYouTubeなどのソーシャルメディアサービス(外部サービス)の利用の手続きについて

▽実践校

・岩見沢市立南小(YouTube)

・安平町立早来中(Google site)

・苫小牧東高(YouTube)

・拓北養護(YouTube)ほか

▼ウェブ会議サービスを活用した、児童生徒との双方向コミュニケーション

教員が、自宅にいる児童生徒と顔を見ながらコミュニケーションを図る方法として、ウェブ会議サービスを活用することができる。

 児童生徒との個別面談やホームルーム、オンライン授業のような使い方も可能。教員同士で情報共有しながら試すことを勧める。

 道立学校の場合、ウェブ会議サービスを多くの端末で活用した場合、スクールネット回線の通信帯域の上限を超える可能性があるため、その使用が制限されているが、近くスクールネットの臨時的な運用にかかる通知を発出する予定。なお、すでに実施中の学校では、学校その他が独自に用意したモバイルルータ等の通信機器を利用している例がある。

▽実践校

・鶴居村立鶴居小(IP電話)

・新篠津村立新篠津中(Zoom)

・札幌手稲高(Zoom)

・札幌視覚支援(Zoom)ほか

▽主なウェブ会議サービス

・BizMee

・Cisco Webex Meetings

・Google Meet

・LINE

・Microsoft Teams

・Skype

・Whereby

・Zoomほか

▽ポイント―ウェブ会議サービスの活用について

〈文科省「ICT活用事務連絡」〉

・オンライン会議システム等の活用のための情報セキュリティ

 家庭でのICT活用を進めるに当たっては、オンライン会議システムなど一般にテレワークで用いられている各種ツールも積極的に活用して、教員による講義・説明の配信、課題の確認、児童生徒の健康観察や児童生徒同士の交流などを行うことも効果的。使用の際には、参加者を限定する、最新のバージョンを利用するなど、セキュリティの確保に留意することが重要である。

【ICTを活用した児童生徒の生活状況などの把握】

 臨時休業中における児童生徒の生活状況については、電話やメールに加え、ウェブアンケート等を活用し、きめ細かく把握するとともに、適切な指導を行う。

 なお、道立学校におけるフィルタリング解除申請については、つぎの通知を参照する。

・新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業時における家庭学習支援に関するYouTube等のソーシャルメディアサービス(外部サービス)の利用の手続きについて

▽例1 スクールネットのホームページ管理機能の活用(無料)

 道立学校では、スクールネットのホームページ管理機能(CMS)でアンケートフォームを作成できる。

 回答する生徒のアカウントは不要。

 回答はPCからでもスマートフォンからでも可能。教員はリアルタイムに結果を知ることができる。

 詳細は、道立教育研究所附属情報処理教育センターホームページの「ICT活用」参照。

▽例2 道電子自治体共同システム「簡易申請機能」の活用(無料)

 道電子自治体共同システムに加盟している道教委および市町村においては簡易申請機能を活用できる(市町村では職員採用、公営住宅の申請などに利用されているが、様々なアンケートにも活用されている)。

 アンケート作成は市町村教委が行うこととなる。また、市町村教委が利用者IDを有していない場合は、市町村情報担当部局と連携実施等について相談する。

 選択式および記述式回答入力フォームを作成し、URLを児童生徒にメール等で連絡する。

 回答する児童生徒のアカウントは不要。パソコンおよび携帯電話から回答を得ることができる。

 入力フォームからは最大10MBのファイルをダウンロードでき、また、返信に同サイズのファイルを添付することが可能。

 回答はCSV(Microsoft Excelにそのまま読み込める)で到達するので、確認・編集が容易にできる。

 詳細は、道電子自治体共同システム(電子申請システム)ポータルサイトまたは各教育局に尋ねる。

▽例3 Googleフォームによるアンケート調査・集計(無料)

 アンケートフォームを作成する教員がGoogleアカウントを取得(無料)すれば、ブラウザ上で簡易に作成できる。

 作成したアンケートフォームのURLを児童生徒にメールなどで連絡する。回答する児童生徒にはアカウントは不要。

 回答はパソコンからでもスマートフォンからでも可能。

 教員はリアルタイムに結果を知ることができる(グラフ表示も可能)。

 アンケートをテスト形式にすることもできる。詳細は、Googleフォームのホームページ参照。

【家庭でのICT活用に当たっての留意事項】

▼家庭にあるICT機器の活用について

 家庭のICT機器を児童生徒の家庭学習に活用するよう依頼する際には、家族のテレワーク等業務上必要な利用時間と重なることも考えられることから、臨時休業期間中の児童生徒の学びの保障にパソコン・タブレットやスマートフォン等のICT機器が有効であることについて、保護者や職場の理解を得ていただくようお願いする。

 家庭でスマートフォン等を利用する際には、高額なパケット通信料が発生する場合があるので、複数の電気通信事業者が学生向けに携帯電話の通信容量制限等について、特別な支援措置を実施していることについて情報提供願う。

▽ポイント―家庭でのICT活用に当たっての留意事項

〈文科省「ICT活用事務連絡」〉

 家庭でパソコン・タブレットやスマートフォン等ICT機器を所有している場合、児童生徒の家庭学習にも活用されるよう、家庭の理解を得つつ進める。

 その場合には、臨時休業期間中の児童生徒の学びの保障にパソコン・タブレットやスマートフォン等のICT機器が有効であることについて、保護者の十分な理解を得た上で、情報モラルや健康への影響等にも保護者に十分留意していただく。その際には、教育委員会や学校において端末の貸し出しや代替措置を講じるなど、家庭でこれらのICT機器を活用できない児童生徒の学びに十分配慮する。

▼学校等の端末の貸し出しについて

 学校で、すでに整備されている端末を持ち帰って活用することが可能な場合は、積極的な対応を検討願う。その際、家庭における当該端末の適正な管理(不要なソフトウエアのインストールや勝手な設定変更など)について協力を求めるとともに、故障等の問い合わせ体制の整備に配慮願う。なお、文科省から持ち帰りルールのサンプルが示されている。

▽ポイント―家庭でのICT活用に当たっての留意事項

〈文科省「ICT活用事務連絡」〉

 学校ですでに整備されている端末を持ち帰って活用することが可能な場合には、平常時のルールにとらわれることなく積極的に持ち帰りを推奨して活用すること。その場合には、アクセス制限など情報セキュリティの確保等に十分配慮する。また、学校の端末を貸し出す場合は、家庭における当該端末の適正な管理について協力を求めるとともに、各教育委員会において、当該端末の不具合や故障が生じた際の問い合わせに対応できる体制を整えることが望ましい。

【ICT環境の確保が難しい場合の対応】

 家庭でICT機器の確保が難しい児童生徒については、作成した授業等動画のDVDや教材等を家庭に郵送した上で、電話や家庭訪問などによる指導を行うことや、十分に感染症対策を講じた上で個別に登校させ、学校のICT機器を使用して指導すること、郵送等による添削指導、学習計画表・記録表などを活用した振り返りを行うことなどによって、教育機会を確保する必要がある。

 家庭のICT環境等について確認する際には、具体的な取組の内容や必要な機器、ICT機器を活用できない場合の代替・補完方法等について丁寧に説明するなどの配慮を願う。

 市町村の産業振興、情報化推進担当部局と連携し、近隣の家庭教育サポート企業や道と包括連携協定を結んでいる大学など、学校・家庭以外の企業、団体によるWi―Fi接続スポットの提供や遊休機器の貸与、セットアップと操作に関するアドバイスなどのサポートについて、必要に応じ協力を要請する。

▽ポイント―家庭でのICT環境が十分に整っていない児童生徒への対応

〈文科省「ICT活用事務連絡」〉

 教育委員会や学校において端末の貸し出しや代替措置を講じるなど、家庭でこれらのICT機器を活用できない児童生徒の学びに十分配慮する。

 家庭にWi―Fi環境などがない場合が想定されるため、各学校では家庭の通信環境について至急把握する。

【情報セキュリティ・著作権等の対策】

▼情報セキュリティ等への対策

 児童生徒が家庭でICTを活用する際、保護者のもとで、情報セキュリティの確保や情報モラル、長時間の利用による健康への影響に留意し、適正に利用するため、保護者の協力を得て、インターネット等を通じた有害情報の危険性およびその対応策、個人情報の取扱いに関する注意事項、インターネット等の安心・安全な利用についての指導や、児童生徒が使用するスマートフォン等へのフィルタリングの設定、インターネットの利用に関する家庭でのルールづくりなどを行うよう助言に努める。

▼著作権への適切な配慮

 著作権法の改正によって授業目的公衆送信補償金制度が創設され、これによって講義映像や教材をインターネットで児童生徒等に対し送信することが可能になったことから、ICTの積極的な活用が可能になった。ただし、ドリルやワークブックなど、購入することを想定されている資料を使用する場合や、誰もが見られるウェブサイト上に著作物等を用いた教材や授業等動画をアップロードする場合などは、制度が適用されないので留意する。

 なお、授業目的公衆送信補償金制度の著作権にかかる補償金は、特例として令和2年度に限って無償である(通知「教育の情報化等を推進するための著作権法の改正について」。

 講義映像や教材をインターネットで送信する際に、学校として留意すべきことについてはつぎのQ&Aおよび資料を参照していただきたい。

・「平成30年著作権法改正による授業目的公衆送信補償金制度に関するQ&A(基本的な考え方)」(文化庁著作権課)

・「学校における教育活動と著作権」(文化庁著作権課)

【ヘルプデスク】

 相談窓口はつぎのとおり。

・各所管の教育局教育支援課

・道教委ICT教育推進局ICT教育推進課ICT教育担当

・道教委学校教育局教育環境支援課GIGAスクール端末担当

・道立教育研究所附属情報処理教育センター

・文科省ICT活用教育アドバイザー事務局(教育委員会等学校設置者のみを対象としている)

【ICT活用のステージアップに向けて】

 本マニュアルは臨時休業中の応急的な取扱いを中心に示しているが、今後とも国から示されるガイドラインや道内各校の先進事例、校外の多様な主体のサポート事例を紹介するなど、より実践的、効果的な普及を図られるよう、随時情報提供に努めていく。

 また、学校再開後においても、年間指導計画どおりの教育活動を実施するためには、夏季休業、冬季休業、学校行事等も含めた調整が求められる。こうした影響を最小化しつつ、児童生徒の教育機会の確保への応用が期待される。

 GIGAスクール構想を加速するためには、地域におけるICT機器の導入機運の醸成や、整備環境などの検討の下地を形成するものと考えている。

 ついては、こうしたつぎのICTステージを視野に、児童生徒、保護者、学校、地域が一体となったリモート学習環境の構築に、今できるアクションから着手するようお願いする。

(コロナウイルス関連 2020-05-22付)

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