清水高 ICT用で遠隔指導推進 双方向で学習進度把握 公開授業で実践紹介(コロナウイルス関連 2020-06-03付)
【帯広発】清水高校(吉村教賢校長)は、新型コロナウイルス感染症対策として、ICT技術を生かした生徒の学びを止めない学習環境づくりに力を入れている。分散登校期間中の5月からは、多機能アプリケーションMicrosoft Teamsを利用。教員と生徒双方向で課題の確認、健康状況や学習進度の把握に努めている。5月26日の公開授業では、在宅の生徒が学校の授業に参加し、意見を発表して教室の生徒と交流した。
同校は平成30年から、道教委などによる研究「十勝清水 未来教育プロジェクト」をスタート。ICTを活用した授業改善や、教職員の働き方改革に取り組んできた。
教育現場のICT環境整備では、全国ICT教育首長協議会から事業指定を受ける清水町が、民間企業と協力した生徒用・教職員用タブレットパソコン配備、Teams導入、学校施設の無線LAN化などを支援。平成31年からは、道教委も支援している。
同校の牧信治教諭は、「遠隔指導や遠隔授業の重要性を認識したのは、北海道胆振東部地震によるブラックアウトの時」と話す。
以降、教職員がソフトやアプリ、ICT機器への理解を深め、ことし5月からは、遠隔指導やオンライン授業などに取り組んでいる。
学校と生徒双方向による課題のやりとりでは、教師が課題範囲の指示や課題プリントを送信。生徒は自身のスマートフォンなどで受け取り、オンラインで提出する。教師は採点と評価をその場で行うとともに、生徒の健康状態の把握や進度に合わせた指導なども実施している。
5月26日、3年「評論研究」(国語科学校設定科目)の授業を公開した。遠隔地に居住し登校できない生徒2人が、ビデオ通話機能を使って参加した。
教室には、マイクとカメラを設置し、ホワイトボードに書かれた板書を撮影して遠隔地の生徒に送信。生徒はスマートフォンを使い、意見発表と交流を行った。
単元目標は「コロナ禍のあとに来る“新しい共同体”について調べて発表し、小論文にまとめる」。生徒は、バーレーンや中国など世界各国の新型コロナウイルスへの対応策について、自らの意見を交えて発表した。
実践に取り組んできた教務部の小林哲也教諭は「4月ころからTeamsの可能性を感じ、いつでも使えるように機器などを準備してきた。インフルエンザウイルスによる出席停止のフォローなど様々な状況を想定し、生徒のため積極的にICTを活用していきたい」と述べた。
(コロナウイルス関連 2020-06-03付)
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