オホーツク局 5月下旬から Zoom活用を本格化 学校訪問等厳しい中で効果
(コロナウイルス関連 2020-06-03付)

オホ局Zoom活用①コンサルティング
紋別中のコンサルティングの様子

 【網走発】オホーツク教育局は、5月下旬からウェブ会議サービスZoomを活用した取組を本格化させている。5月28日に管内学力向上支援事業「オールオホーツクで学力向上を!」の取組状況にかかるコンサルティング、翌29日には管内教師力向上セミナー「学校再開後の教育活動の充実」を開催。学校訪問や集合形式での研修が困難な状況の中、効果的な研修活動の推進に努めている。

 新型コロナウイルスの影響で学校訪問や研修の開催が困難な状況の中、オホーツク局では「できることから始めよう」とZoomの活用を推進。管内の小・中・義務教育学校におけるZoomの活用状況などを踏まえながら、義務教育指導班が中心となって活用方法を模索してきた。

 これまで活用してきた道の「地域をつなげるネットワーク」ウェブ会議機能は、接続できるのが市町村教委のみだったため、Zoomを活用することで各学校と直接やりとりすることが可能となった。

◆学力向上へ協議 短時間で効果的に

 5月28日、教育局、紋別市立紋別中学校(可児幹博校長)、紋別市教委の3者を結び、「オールオホーツクで学力向上を!」の取組状況にかかるコンサルティングをZoomを活用して初めて行った。

 オールオホーツクで学力向上を!は、管内の全小・中・義務教育学校が主体的に授業改善を図ることが目的。各校は、①学習環境の充実②授業改善に向けた取組③家庭との連携―の3つについて具体的取組と目標指標を設定し、ロードマップに基いた取組を推進する。

 義務教育指導班の平林延祥指導主事が、ロードマップなどの資料を画面に示しながら、紋別中の米田達雄教頭らと前年度からの引き継ぎの状況や今後の計画などについて協議。平林指導主事は「取組評価を上げるために、どのような手立てが考えられるか」など質問や助言を行い、成果や課題などを明らかにした。

 参加した市教委の綾部雅一指導主事は「短い時間で効果的に話し合える」とZoom活用の効果を実感していた。

◆20校同時接続し再開後に向け協議

 学校再開を目前に控えた5月29日には、管内特別活動研究会との共催による管内教師力向上セミナー「学校再開後の教育活動の充実」を開催。参加を希望した管内の小・中・義務教育学校約20校を同時に接続し、再開後の学級経営の充実に向けた説明・協議などを行った。

 管内特別活動研究会から、網走市立南小学校の佐藤宏教諭、湧別町立湧別小学校の西村亮子教諭、滝上町立滝上小学校の矢野紘教諭の3人が講師を担当。佐藤教諭と西村教諭はオホーツク合同庁舎から、矢野教諭は滝上小から参加した。

 3人は、学校再開後の学級経営に向けて大切にしたいことや、学級経営に関する具体的な取組などを紹介。

 西村教諭は「“苦しいときでも、みんなで知恵を出し合えば楽しい学級をつくっていくことができる”ということを大切にしたい」と、係活動を活性化させた学校笑顔プロジェクトを分散登校時から実践。各係の児童たちが、CMづくりなど学校を楽しくする様々な取組を行った。

 教師側の手立てとして、「活動後の価値づけ」を意識し、ほかの教員の協力を得て他学年の児童からの感想などが得られる機会などを設定している。

 「“この活動が誰かのためになっている”“人の役に立ててうれしい”と感じられる機会にしたい」と話した。

 佐藤教諭は「会場が遠くて参加しにくい場合でも、遠隔だと参加しやすい」とする一方、講師側の視点として、受講者の反応など「生の感覚がつかみにくい」とも。「状況によって使い分けてもよいのでは」と話した。

 オホーツク局は、今後も遠隔システムを活用した研修などを推進していく方針だ。

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オホ局Zoom活用②教師力向上セミナー
教師力向上セミナーでは約20校と接続

(コロナウイルス関連 2020-06-03付)

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