【解説】ポストコロナの指導体制

（コロナウイルス関連 2020-06-30付）

　萩生田光一文部科学大臣は２６日の記者会見で、少人数学級の人数の多寡も含め、ポストコロナの学校における指導体制の在り方を検討する考えを示した。学習者用デジタル教科書について、使用する授業時数の基準等を検討し、１人１台の端末が完了する来年度以降、普及・促進に必要な予算措置を要求するとした。

　文部科学省の『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル』では、生活圏内の感染状況を３段階に分け、教室の児童生徒の身体的距離の間隔を「レベル２・３」で２㍍程度、「レベル１」で１㍍程度としている。

　２６日の記者会見で萩生田大臣は、現行の基準で１教室の面積は７４平方㍍となっている一方、昭和４８年以前の旧基準では６４平方㍍であること、新設校を設置する際に旧基準の学校と規模をそろえる慣例が自治体によって多く、旧基準の４０人学級では１㍍の間隔の確保が困難である問題を指摘。「感染症対策を含め、ポストコロナの新しい時代にふさわしい指導体制の在り方を検討したい」と述べた。

　現在の机のサイズで学習用端末を置いた場合、教科書の十分なスペースを確保できないことから、４０人学級の人数の多寡のみならず、ポストコロナの学校教育の在り方を検討する考えを表明。「今後新たな感染症が発生した場合においても、可能な限り学校を閉鎖しない可能性を探求することが重要」と述べた。

　学習者用デジタル教科書に関しては、文科省の実証研究事業の成果を踏まえて検討を進めるとし「ＩＣＴ環境整備の加速と併せ、さらなる普及・促進を図り、学びの充実の観点から、使用する授業時数の基準や学習者用デジタル教科書の在り方などをしっかりと検討したい」と述べ、次年度以降必要な予算措置を要求するとした。

(コロナウイルス関連 2020-06-30付)